── 今井氏は経済政策だけではなく、外交政策にも介入しています。 森:官邸が外交を主導すること自体は批判すべきことではありません。しかし、外交においては、外務省の情報や経験の蓄積をうまく活用しなければいけません。問題は、今井さんが外務省に無断で動いていることです。 もともと経産省にはジェトロがあるので、国際的なパイプがあるのは事実です。今井さんはそれを利用して、外務省と異なるルートで外交を動かそうとしました。最も象徴的なケースが、日露外交です。北方領土の解決は難しいことは今井さんにもわかっているはずです。しかし、あたかも二島が返還されるかのように演出し、支持率アップにつなげようとしたのでしょう。 2015年11月に、プーチンの盟友とされ、ロシアのエネルギー産業に絶大な影響力を持つ石油大手「ロスネフチ」社長のイーゴリ・セーチンが来日した際、今井さんは彼を官邸に招待しています。こうした人脈を使