国際獣疫事務局(OIE)はアニマルウェルフェアの基準を作っているが、その中に、強く禁止をしている事項がある。それは、生きたままの鶏を熱湯処理タンクに入れないことだ。どういうことかというと、鶏の屠畜(とちく)をする際、首を切ることに失敗して失血死させられず、次の工程である62度の熱湯に生きたまま入れてゆで殺してしまうという悲惨な事故が度々起きており、OIEはこれをあらゆる努力をして防げと言っているのだ。 しかし、実際には、この事故は日本ではしょっちゅう起きるものだ。 日本では、実に年間55万8181羽の鶏が、生きたまま熱湯に入れられ、熱傷で皮膚が真っ赤になり、もがき苦しんで死亡した(2021年)。皮膚が真っ赤になってしまうため、その鶏の死体は廃棄される。 著しく低い日本の精度 アニマルウェルフェアが進んだ国ではこの事故の発生はゼロに近い。英国で発生した場合は、不必要な苦痛を与えたとし、食鳥処