ギャンブル依存症がきっかけとなって起きた「池袋通り魔殺人事件」。犯人は私と同じ1975年生まれ。23歳で事件を起こし、2007年、死刑が確定。今は死刑執行を待つ身である。
死亡者は7人…2008年、秋葉原で平成最悪の通り魔事件を起こした加藤智大。死刑を言い渡され、それを待つ間に加藤に起きた「目に見える異変」とは? 理髪係として複数回、加藤と相対したガリ氏による初の著書『死刑囚の理髪係』(彩図社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む) 加藤は2回目の理髪まではマネキン人形状態だったが、3回目以降は多少人間味のあるような行動もとるようになった。いくらかは私のことを信用してくれるようになったのかもしれない。 ある日の理髪作業中、加藤はか細い声で私にこう尋ねてきた。 「髪が薄くなっていませんか?」 加藤は始めと終わりの挨拶以外に余計なことを口にするタイプではなかったので、私は驚きを隠せなかった。 正直言って、少し前から加藤の頭髪が異常をきたしていることには気づいていた。100円玉サイズの円形脱毛が、後頭部に目立つようになっていたのだ。最初は数箇所
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