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霊長類の検索結果1 - 13 件 / 13件

  • ベニガオザルで「死亡個体との交尾行動」を野生霊長類で初めて記録―霊長類の死生観の解明に迫る極めて貴重な観察事例―

    動物にとって、個体の「死」は避けることができない現象です。動物は、仲間の「死」に直面した時に、どう振る舞い、どのような影響を受け、それとどう向き合うのでしょうか。こうした動物の死生観を明らかにするのが死生学です。 この度、豊田有 野生動物研究センター特任研究員(兼:日本学術振興会国際競争力強化研究員)、松田一希 同教授らの研究グループは、野生の霊長類としては初めてとなる死亡個体との交尾行動をタイ王国に生息するベニガオザルで観察しました。ベニガオザルは、名前のとおり赤い顔が特徴的な、体格の大きなオナガザル科マカク属の霊長類で、インド・中国・タイ・ベトナム・マレーシアなど、アジア地域に局所的に生息しています。近年は森林伐採や土地開拓によって数少ない生息域が消滅・分断化され、絶滅の危機に瀕しています。生息域が局所的な上、切り立った崖の多い岩山を好んで生息するために、本種の科学的な調査は難しく、こ

      ベニガオザルで「死亡個体との交尾行動」を野生霊長類で初めて記録―霊長類の死生観の解明に迫る極めて貴重な観察事例―
    • Googleオフィスに警察、社員50人超を解雇 抗議デモ対応が見せつけた“IT界の巨人”の変貌ぶりとは

      これに対し、今回のデモを組織した団体「No Tech For Apartheid」は「自分たちの労働がアパルトヘイトや大虐殺の原動力となることは望まない」と訴える。Googleに対してイスラエル政府との契約の中止を求めるのは、発端となったプロジェクト・ニンバスの契約を「ガザのパレスチナ人を虐殺するイスラエルへの支援」と見なしていることによるものだ。 社員の解雇について同団体は「言語道断の報復行為」「Googleが自社の社員よりも、虐殺行為をしているイスラエル政府および軍との12億ドルの契約の方を大切にしていることが、これではっきりした」と反発した。 また抗議デモは平和的に行われ、Google社内で器物を損壊したり、同僚を妨害したりもしていないと主張。社員の解雇はGoogleのいう「開かれた文化」の虚偽をさらけ出したと訴え、解雇は不当だったとし全米労働関係委員会(NLRB)に不服を申し立てて

        Googleオフィスに警察、社員50人超を解雇 抗議デモ対応が見せつけた“IT界の巨人”の変貌ぶりとは
      • AIの健全な成長見守る「PTAI」発足 「俗悪コンテンツ」順位公表も

        生成AIの健全な成長を促すための団体「全国PTAI(Parent-Teacher of AI)」が7日、発足した。AIに学習させたくないテキストや動画などのデータを「俗悪コンテンツ」として毎年発表するほか、「有害コンテンツ」の追放運動などを積極的に行うとしている。 生成AIはインターネット上に存在するテキスト、画像、動画などあらゆるデータを学習する。そのため、データの中に差別的言動や暴力、虚偽が含まれると、AIが推論、生成するコンテンツの精度に悪影響が及ぶ可能性がある。 設立の目的について、設立趣意書では「学習に不適切なデータをネットから排除し、健全な学習データのみ残すことでAIの健全な発達・成長を促す環境を整備する」としている。 発起人の純澄健(すみずみ・たける)代表は「善悪の判断がつかないAIは未熟な子どものようなもの。不健全なデータを生成しないよう大人が正しい方向に導いていかなければ

          AIの健全な成長見守る「PTAI」発足 「俗悪コンテンツ」順位公表も
        • “ビールは冷やす”となぜうまい? 中国の研究者らが調査 アルコール度数と温度の関係に迫る

          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 酒は数千年前から人類が愛する嗜好品の一つだ。キリンホールディングスによると、最古の酒の一つとされうワインは約7000年前から、ビールは約5000年前から作られているという。これらのアルコール飲料の主成分はエタノールと水である。 さまざまな種類があるアルコール飲料だが、白ワインやビールは冷やして飲み、中国でつくられる白酒は温めて飲むのが一般的だ。これは長い歴史の中で経験則として人類の中で引き継がれているが「なぜビールは冷やすとおいしいのか?」のように、度数と温度の関係についての科学的な説明には曖昧な部分が多かった。 そこで研究チームでは度数と温度の関係に

            “ビールは冷やす”となぜうまい? 中国の研究者らが調査 アルコール度数と温度の関係に迫る
          • 安全に精子の機能をオフにできて生殖能力を元に戻すのも簡単な男性向け避妊法のブレイクスルーが報告される

            女性向けの避妊法には経口避妊薬(ピル)や女性用コンドーム、子宮内避妊具(IUD)などさまざまな選択肢がある一方、男性向けの避妊法はほとんどコンドームのみであり、他はパイプカットなど不可逆的な方法が大半です。近年は男性用の安全で可逆的な避妊法の研究が進められており、新たにアメリカのベイラー医科大学の研究チームが、「安全に精子の機能をオフにすることができ、生殖機能を元に戻すことも簡単な避妊法」につながるブレイクスルーを報告しました。 Reversible male contraception by targeted inhibition of serine/threonine kinase 33 | Science https://www.science.org/doi/10.1126/science.adl2688 A promising approach to develop a birt

              安全に精子の機能をオフにできて生殖能力を元に戻すのも簡単な男性向け避妊法のブレイクスルーが報告される
            • “死んだ個体”と交尾するサル 京大が記録 野生霊長類では初 「動物の死生観を理解する重要なデータ」

              研究チームは2015年から野生のベニガオザルの観察調査を続けている。23年1月の調査中、死んだオトナのメスの個体を偶然発見したある個体が交尾行動を始め、その様子の記録に成功した。その後3日間観察を続けたところ、計3頭のオスが死んだメスの個体と交尾行動をする事例を4例記録できたという。 (a)1匹目のオスの個体(TRD-M48)がメスの死体の顔をのぞき込み、かみつきながら交尾に及んでいる様子、(b)TRD-M48が交尾する際に、交尾中によく見られる表情(Teeth-chattering)を示している様子、(c)2匹目のオスの個体(TNG-M13)が死体に向かって膣内視察行動を行った後、Teeth-chatteringを示しながら交尾を開始する様子、(d)TNG-M13が腰を浮かせて遺体を抱きかかえるようにして交尾を行う様子、(e)3匹目のオスの個体(NDM-M49)が遺体の背中を突き、膣への

                “死んだ個体”と交尾するサル 京大が記録 野生霊長類では初 「動物の死生観を理解する重要なデータ」
              • 人気予備校講師が「この本、むっちゃ面白いから毎日気晴らしに少しずつ読んでるんだけど、一番驚くのが700ページ超で本体2000円。今の時代にこれは価格破壊なのでは?」と投稿しSNSで大反響となった一冊とは?

                アシュリー・ウォード(Ashley Ward)。英国ヨークシャー出身。シドニー大学の動物行動学の教授。ナンキョクオキアミから人類を含む哺乳類まで、動物行動の研究を積み重ねてきた。科学雑誌に100以上の論文を発表し、多くの学術書に引用されている。子どもの頃から動物に夢中になり、川で釣りをしたり、丸太の下を覗いたり、渓流で化石を探したりして過ごす。本書の元にもなったオーディブルオリジナル『THE SOCIAL LIVES OF ANIMALS』は、英国での宣伝が全くなかったにもかかわらず、2週間にわたってAudibleのチャートでトップを記録している。 動物のひみつ ウォール・ストリート・ジャーナル、ガーディアン、サンデータイムズ、各紙絶賛! 生き物たちは、驚くほど人間に似ている。ネズミは水に濡れた仲間を助けるために出かけるし、アリは女王のためには自爆をいとわない。カケスは雛を育てるために集団

                  人気予備校講師が「この本、むっちゃ面白いから毎日気晴らしに少しずつ読んでるんだけど、一番驚くのが700ページ超で本体2000円。今の時代にこれは価格破壊なのでは?」と投稿しSNSで大反響となった一冊とは?
                • 【解説】オランウータンが「薬草」で傷を治療、野生動物で初観察

                  ラクスの行動は、インドネシア、スマトラ島のグヌンルセル国立公園内にあるスアックバリンビン研究ステーションを取り巻く熱帯雨林で観察された。研究センターは1994年から、周囲の保護林に生息したり、頻繁に姿を見せるオランウータンを観察してきた。動物たちに干渉することなく、あくまで見守る形で、その動きや行動を注意深く追跡、監視、記録している。 「決して彼らの邪魔にならないように数十年間観察を続けてきた結果、向こうも私たちのチームが近くにいることにすっかり慣れてしまいました。人間の存在を無視してもいいのだとわかり、完全に野生のままの姿を見せてくれます」と、ラウマー氏は言う。 研究センターの周辺の熱帯雨林は、スマトラオランウータンが地球上で最も密集している地域だ。オランウータンの生息地は、森林伐採によって年々縮小している。そのため、本来単独行動を好むオランウータンたちが、お互いに近い場所で暮らさなけれ

                    【解説】オランウータンが「薬草」で傷を治療、野生動物で初観察
                  • コアラの指紋が[犯罪捜査]に役立つ!?

                    コアラは人間と同じように指紋を持っていることをご存知ですか?この小さなオーストラリアの有袋類は、独特の指紋を持ち、これが犯罪現場での人間の指紋と混同されることさえあります。指紋の主な機能は、木の上を歩くときに滑らないようにすることです。実は、霊長類以外で指紋を持つ哺乳類は非常に珍しいのです。 監修者 kawauso 編集長(石原 昌光) 「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。 コンテンツ制作責任者 お

                      コアラの指紋が[犯罪捜査]に役立つ!?
                    • 第158回 なぜヒトの睡眠は2種類あるのか

                      私の大学では医学部の4年生に精神科の授業で睡眠について詳しく教えている。睡眠に関心のある学生から素朴な疑問をぶつけられることがあり、その代表とも言えるのが「なぜ睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があるのですか?」というものだ。 素朴な疑問とは言え、これは睡眠に関する質問の中でも難問中の難問で、誰も真の正解は知らない。同じ「睡眠」が付いているとは言え、この2つは全く別モノである。多くの睡眠研究者が信じているのは、レム睡眠とノンレム睡眠は長い進化の過程で形作られたもので、この2つの睡眠状態は進化の異なる時期に、異なる目的で出現したということだ。 地球上の全ての生物が共通祖先からその子孫へ枝分かれしながら進化したとする進化系統樹に沿ってさまざまな動物の睡眠状態を観察すると、系統的に古い順に昆虫、魚類、両生類、爬虫類くらいまではレム睡眠もしくはそれに類似した行動しか認められない。 レム睡眠に類似した行

                        第158回 なぜヒトの睡眠は2種類あるのか
                      • 第6回 カフェイン(2)人類とカフェインの歴史

                        【連載】松本俊彦「身近な薬物のはなし」(6) はじめに 歴史学者川北稔の著書『砂糖の世界史』1の第5章扉絵には、17世紀に書かれた1枚の絵が挿入されています。その絵には、コーヒーカップを手にしたアラビア人、茶のカップを手にした中国人、そして、チョコレートのカップを手にしたアステカ人という3人の姿が描かれています(図1)。当時にヨーロッパで広まった3種類の飲み物を、それぞれの産地の人間として象徴的に表現しているのでしょう。 図1 コーヒー・茶・チョコレートそれぞれの産地を示す3人 この3つの飲み物には2つの共通点があります。1つは、いずれもカフェインという精神作用物質を含有していること、そしてもう1つは、砂糖との相性が非常によく、それゆえにヨーロッパで人気を博することができた、ということです。 近代以降のヨーロッパ社会は、ヨーロッパ以外の地域から伝来した、これらのカフェイン含有飲料を抜きに語

                          第6回 カフェイン(2)人類とカフェインの歴史
                        • スマートグラスでカンニング──受験生が書類送検 早大「悪意もって入念に計画されたもの」

                          早稲田大学は5月16日、試験中にスマートグラスを使って不正行為を働いた受験生が書類送検されたと発表した。スマートグラスで入試問題を撮影し、外部の人物と共有していたという。この件を巡り、早大は対象の受験生の入試結果を全て無効にした上で、警察に告訴状を提出していた。 不正が起きたのは2月16日に実施した、基幹・創造・先進理工学部一般選抜。不正行為を行った受験生はスマートグラスを使って入試問題を撮影し、スマートフォンに転送。SNS経由で画像を外部の人物へと渡し、解答案の作成を依頼していた。なお、依頼を受けた人物はそれが入試問題だとは知らなかったという。 早大はこの件について調査を開始し、不正行為を行った人物を特定。警察と文部科学省にこの件を通報し、警察には告訴状も提出した。告訴状を提出した理由は「当該不正行為が悪意をもって入念に計画されたものであり、学内調査では全容を解明することが困難であると判

                            スマートグラスでカンニング──受験生が書類送検 早大「悪意もって入念に計画されたもの」
                          • 動きが同期することで相手をもっと好きになる「サイレントディスコ現象」とは?

                            ディスコやクラブでは大音量で流れる音楽に合わせて人々が踊っていますが、1970年代、音を外に流さず、各自でイヤホンやヘッドホンを着用してDJがラジオチャンネルにセットしたプレイリストを聞く「サイレントディスコ」が生まれました。イギリスのオックスフォード大学およびフィンランドのユヴァス​​キュラ大学で音楽と心や身体、脳の関係などを専門とする博士研究員を務めるジョシュア・S・バンフォード氏は、人々が音楽にノることで絆を深める理由を「サイレントディスコ現象」と呼んで説明しています。 Silent disco: why dancing in sync brings us closer together https://theconversation.com/silent-disco-why-dancing-in-sync-brings-us-closer-together-219208 サイレント

                              動きが同期することで相手をもっと好きになる「サイレントディスコ現象」とは?
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