デフレの象徴となってきた100円ショップの店頭で、100円より高い商品が増え始めている。コスト上昇が主な理由で、大手の一角を占めるワッツは「高額商品」を今後3割増やす。すべての商品が同じ価格という分かりやすさを特徴にしてきた100円ショップは、姿を消してしまうのだろうか。 「当社は100円を堅持する」。業界2位、セリアの河合映治社長は11月上旬、決算説明会でこう宣言した。100円均一の価格を維持するとわざわざ強調するのは、「脱100円」の動きを鮮明にする競合企業が増えたからだ。 100円以外の商品を先行して扱ってきた首位のダイソーに加え、4位のワッツが2018年から販売開始。同社は「高額商品」と位置付ける200~1000円(税別、以下同)の商品について、21年8月末に現在より3割多い2000品目まで増やす。 さらに、いったん100円以外に進出し約7年前に100円均一に戻した3位のキャンドゥ