5.高齢者の誤嚥性肺炎における医療者から家族への助言と家族の意思決定 ■高齢者肺炎について,過去に2回記事をアップした.今回は3回目となるが,the New England Journal of MedicineのClinical Practiceに非常に参考になる論文がでていたので紹介する.高度認知症 Mitchell S. CLINICAL PRACTICE. Advanced Dementia. N Engl J Med 2015; 372: 2533-40 PMID:26107053 【症例提示】 10年以上のアルツハイマー病の既往を有する89歳男性の老人ホーム入所者が,38.3℃の発熱と咳嗽,28回/分の頻呼吸を呈した.看護師の報告では,彼は6カ月以上,著職時に咳き込み,誤嚥トラブルが生じていた.彼は深刻な記憶障害があり,もはや自分の娘も認識できず,寝たきり状態で,いくつかの単語