財務省は31日、4月26日から5月29日の為替介入実績を公表した。介入総額は9兆7885億円だった。4月29日と5月2日に実施したとみられる円買い・ドル売りの介入を反映しており、2022年10月以来およそ1年半ぶりとなる。過去の円安局面での介入と比べて過去最大となった。市場は4月29日と5月2日に円買い・ドル売り介入を実施したとみる。4月29日は一時1ドル=160円台と34年ぶりの円安水準まで
日本の金利が上昇しても低迷する円相場の支えにはほとんどならないだろうと、トレーダーらはみている。外国為替取引の中で最もリターンの大きい取引の一つへの需要がなくならないためだ。 円は、いわゆるキャリートレードの一環として売られるマクロ資産の一つであり続けている。ほとんどゼロの金利で借りた円で高金利のドルを買い入れ、5%を超えるリターンを得るという戦略だ。 円安・ドル高によってキャリートレードの魅力は増しており、過去1年間のトータルリターンは18%に達している。 こうした取引は、行き過ぎに見える円安進行に歯止めをかけようと躍起になっているとみられる日本当局との激しい攻防に向かっている可能性がある。 日本銀行が次に開く金融政策決定会合は2週間余り先だが、一部の市場関係者はすでに、こうしたキャリー戦略の人気が続く限り、円相場は34年ぶりの安値の1ドル=160円17銭付近まで下落するリスクがあると指
日銀の植田和男総裁は27日、金融研究所主催の「2024年国際コンファランス」であいさつし、これまでのところインフレ予想をゼロ%から押し上げることには成功したように思うが、「2%の目標値にアンカーしなければならない」と指摘した。写真は報道各社のインタビューに答える植田総裁。2023年5月、東京で撮影(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon) [東京 27日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は27日、金融研究所主催の「2024年国際コンファランス」であいさつし、これまでのところインフレ予想をゼロ%から押し上げることには成功したように思うが、「2%の目標値にアンカーしなければならない」と指摘した。インフレ目標の枠組みを有する他の中央銀行と同様、その実現に向けて注意深く進んでいくと述べた。 植田総裁は、審議委員として議論に関わった2000年8月のゼロ金利政策の解除に触れ、仮に明確なイ
※数値は書籍刊行当時のものとなります。 日銀は「糾弾」を恐れている 【大橋ひろこ(以下、大橋)】日銀は、「賃金上昇を伴う」インフレ目標達成が重要だとして継続的な賃金上昇が確認できるのを待っているのですが……。 【エミン・ユルマズ(以下、エミン)】それもあるでしょうし、たぶん日本のセントラルバンカーにはバブル崩壊の“トラウマ”が宿っているのでしょう。政策決定メンバー全員が引き締めを嫌がる傾向が見て取れます。だから、「せっかく景気が良くなってきたのに、あなたたちのせいで、何もかもが台無しになりました」と糾弾されることを、徹底的に恐れているわけです。 【大橋】その前例は2000年の速水優・日銀総裁ですね。同じ轍てつを踏まないようにしようとしています。しかし、あのときはインフレではなかったのに利上げしてしまった。いまとは状況が異なります。 YCCに否定的な金融関係者は多かった 【大橋】エミンさんは
為替投資家は31日、市場で広がる円買い介入観測について答え合わせの日を迎えた。政府・日本銀行の介入実施観測があった5月の大型連休中の円反発を巡り、予想を超える介入額が明らかになれば、円安が一段と進みかねない。 日銀統計の確報値と介入がないことを前提に短資会社が事前に予想した残高との差異を基に推計すると、円が34年ぶり安値水準の1ドル=160円台に急落した直後の4月29日と5月1日に政府・日銀は総額9兆4000億円を投じ、円安抑制に動いた可能性がある。円買い介入が行われた2022年9-10月の約9兆2000億円を上回れば、月間の実績としては過去最高だ。 介入について肯定も否定もしていない財務省は、市場の疑問に対する回答として4月26日-5月29日の為替介入合計額を午後7時に公表する。大型連休中の円相場の急変と日銀当座預金残高の公表、介入の決済が2営業日後である点などを踏まえると、介入のタイミ
Diamond Premiumセレクション 過去の有料会員向け記事の中から、編集部がセレクトしたおすすめ記事を期間限定で無料公開します。 ※「無料会員」の登録をすればご覧いただけます ※無料公開してから1カ月が経過した記事は、無料公開を終了します バックナンバー一覧 利上げによる日銀の財務構造への影響を試算すると、本質問題は、日銀が赤字対応で経費節減を迫られ、本来必要な利上げを躊躇(ちゅうちょ)し「インフレを放置するのでは」との疑念が持たれる点です。「日銀が物価安定でやるべきことをやらないのでは」と国民が疑えば、インフレ期待がますます高まり、インフレや円安が止まらなくなることもあり得ます。人気連載『金利復活』から、楽天証券経済研究所チーフエコノミスト 愛宕伸康氏の寄稿をもう一度、紹介します。 ※2024年2月13日に公開した有料会員向けの記事を、1カ月の期間限定で無料公開します。全ての内容
アメリカの大手投資銀行、モルガン・スタンレーでアジア地域のトップを務めるゴクール・ラロイア氏がNHKのインタビューに応じ、外国為替市場で続く歴史的な円安について、アメリカの利下げと日銀の追加利上げをきっかけに円高基調に転じるという見通しを示しました。 この中で、ラロイア氏は歴史的な円安ドル高について、「円安は主にドル高によるもので率直に言って、ドルはすべての通貨、特に円に対して強い。日本のインフレ環境を考慮すると、日銀は今後利上げに踏み切るだろう。今後12か月から18か月で円相場が反転し、対ドルで円高が始まるとみている」と述べ、アメリカの利下げと日銀の追加利上げをきっかけに円高基調に転じるという見通しを示しました。 そのうえで、日本経済への影響については「日本企業の多くは製品を輸出しているので、円安は有益だ。しかし、たとえ円が1ドル=140円になったとしても、日本企業の収益性はほぼそのまま
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