事実とは異なる悪質な勤務態度をでっち上げられたり、幻聴に悩まされて死を意識したりした講師たちもいるという。N高との団体交渉を続ける労働組合「私学教員ユニオン」所属の元教員を含む3人に話を聞いた。 「教員はみんな死んだ目」N高の問題点 N高の労働問題とは具体的にどのようなものなのだろうか。私学教員ユニオンのA氏はこう語る。 「N高には2020年の4月に入職しましたが、労働環境が酷く、同期の先生たちもたくさんやめていきました。団体交渉でも問題になっているのは、1人で生徒150名の担任をしなければならないことや休憩時間の取得が現実的に難しい状況などです。休みの少ない月が続き、教員はみんな死んだ目をして業務にあたっていました。 卒業の必須条件である対面授業の“スクーリング”は生徒にとって年5日ですが、教員は少ない人数で2万人以上もの生徒に対応しなければなりません。そのため、教員1人あたり約150名