ラッセル・カマー氏は東京のゴールドマン・サックス証券でクレジットトレーダーとして勤務していた当時、クレジットカードを作ろうとしたが、申請は却下された。 日本ではよくある話で、信用履歴の乏しい若者ならなおさらだ。ただ、カマー氏が異彩を放つのはその後の対応で、同氏はこの経験を生かしてクレジットカードに代わる決済手段を提供する企業を設立した。「バイ・ナウ・ペイ・レイター(BNPL)」と呼ばれる後払い式決済サービスのPaidy(ペイディ)だ。 今や同社は日本では数少ない時価総額10億ドル(約1100億円)超の未上場スタートアップの仲間入りをし、後払い式決済サービス業界で国内最大級の企業に成長した。同社はクレジットカードの米ビザや投資会社ソロス・キャピタル・マネジメントなどから出資を受けている。