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  • 「狂乱物価」と「シュリンクフレーション」――日銀は「出口」を出られるか/中里透 - SYNODOS

    このところ、「物価高」が大きな社会問題となりつつある。「値上げの春」を迎え、食品や日用品の値上がりがさらに目立つようになった。生活に車が欠かせない地域では、ガソリン価格の高止まりが家計の負担に追い討ちをかけている。 こうした中、輸入物価の値上がりをうけて円安の進行に対する懸念が高まり、金利を極めて低い水準で推移させている日本銀行の金融政策を見直すべきとの声も高まっている。もっとも、食品、日用品やガソリンなどの値動きに左右されやすい「体感物価」をもとに金融政策の運営を論じてよいかとなると、判断は大きく分かれるだろう。 本稿ではこれらのことを踏まえつつ、足元の物価の動きと今後の金融政策の運営のあり方について考えてみることとしたい。 1.まだら模様の日本経済 体感物価と消費者物価指数の乖離 今後の物価の見通しを問われたら、「当面は物価上昇が続く」と答えておくのが現時点では最も無難な対応ということ

      「狂乱物価」と「シュリンクフレーション」――日銀は「出口」を出られるか/中里透 - SYNODOS
    • 思想家がみた時代と思想家からみた時代──『ジョン・ロールズ 社会正義の探究者』(中公新書)/田中将人(著者) - SYNODOS

      2022.04.12 思想家がみた時代と思想家からみた時代──『ジョン・ロールズ 社会正義の探究者』(中公新書) 田中将人(著者)規範的政治理論、政治思想史 #「新しいリベラル」を構想するために はじめに――二つの視線 「真理が思想の体系にとって第一の徳であるように、正義は社会の制度がまずもって発揮すべき効能である」。政治哲学者のジョン・ロールズ(1921〜2002)が『正義論』でこう宣言したのは1971年のことであった。いまやロールズは高校の教科書にも出てくる名前であり、この記事の読者には、「無知のヴェール」や「正義の二原理」といった言葉を知っている人も少なくないだろう。つい先日には、第二の主著である『政治的リベラリズム』(初版1993年)の待望の翻訳も公刊された。 もっとも、教科書レベルをこえて、浩瀚なロールズの著作を直接手にとるのは簡単ではない。2021年末に公刊された本書は、生誕1

        思想家がみた時代と思想家からみた時代──『ジョン・ロールズ 社会正義の探究者』(中公新書)/田中将人(著者) - SYNODOS
      • 【西欧:フランス】「論理的思考」の落とし穴――フランスからみえる「論理」の多様性/『「論理的思考」の社会的構築』著者、渡邉雅子氏インタビュー - SYNODOS' - 新聞みたいなもの

        メジャー アメリカ 西欧 イギリス フランス 遊子 on Twitter: "いいね連打したい。フランスに住む前は自由と個性を尊重してもらえる理想の国と思ってたけど、住んでみたら「仏人が自由と考える価値観」が尊重されてるだけだった。陽射しがどんなに強い日でも日傘なんてさせなかった… " 2021-09-13 アジア インド ウーロン茶で作る「ウーロンチャイ」が予想を上回る美味しさ :: デイリーポータルZ 2021-09-10

          【西欧:フランス】「論理的思考」の落とし穴――フランスからみえる「論理」の多様性/『「論理的思考」の社会的構築』著者、渡邉雅子氏インタビュー - SYNODOS' - 新聞みたいなもの
        • 進化政治学の可能性――ヒトの政治的行動の進化的基礎/長谷川眞理子/伊藤隆太(ホスト) - SYNODOS

          近年、進化政治学という進化論的視点から人間の政治行動を分析するアプローチが台頭しています。これは欧米ではローズ・マクデーモット、ドミニク・ジョンソン、日本では長谷川眞理子先生、長谷川寿一先生、森川友義先生、そして今回の聞き手を務める伊藤隆太といった自然科学と社会科学と横断する研究者により進められてきました。 多くの人は進化政治学が欧米で中心に注目を浴びている学問で、日本ではようやく輸入されたものであるかのように思っていますが、この印象は実は、学説史上必ずしも適切ではありません。というのも、たしかに進化政治学に関する研究の蓄積は欧米の方が圧倒的に重厚ですが、日本においても、いくつかのきわめて重要な進化政治学に関する議論が、今から十年以上前に既になされており、それは今の進化政治学として広く知られるようになった学問に、しっかりと引き継がれているからです。 こうした進化政治学に関する先駆的な研究を

            進化政治学の可能性――ヒトの政治的行動の進化的基礎/長谷川眞理子/伊藤隆太(ホスト) - SYNODOS
          • ベルファストの「憎しみの連鎖」を断つ――哲学対話が子どもたちの未来を変える/ケヴィン・マカリーヴィー×土屋陽介 - SYNODOS

            北アイルランド紛争により、プロテスタントとカトリックの対立が長く続いたベルファスト。この街には「平和の壁」と言う名の分離壁があり、今も一部で武装化組織が存在する。そんなベルファストで「憎しみの連鎖を断ち切りたい」とホーリークロス男子小学校で、哲学対話を取り入れたのが、ケヴィン・マカリーヴィー校長だ。彼の哲学の授業を2年間にわたり記録した映画「ぼくたちの哲学教室」が日本でも公開される(監督:ナーサ・ニ・キアナン、デクラン・マッグラ/5月27日よりユーロスペースほか全国順次公開)。 来日中のケヴィン校長を迎え、日本における哲学対話教育研究の第一人者、土屋陽介氏と共に、子どもと哲学対話を行う意味について語ってもらった。(取材・文:玉居子泰子) © Soilsiú Films, Aisling Productions, Clin d’oeil films, Zadig Productions,MM

              ベルファストの「憎しみの連鎖」を断つ――哲学対話が子どもたちの未来を変える/ケヴィン・マカリーヴィー×土屋陽介 - SYNODOS
            • 倫理的に「食べる」とはどのようなことなのか?――食農倫理学への誘い/太田和彦/芹沢一也(ホスト) - SYNODOS

              開催日時 2021年7月24日(土)14:00~15:30 講師 太田和彦 ホスト 芹沢一也 場所 Zoom 料金 1100円(税込) ※高校・大学・大学院生は無料です。 食農倫理学という学問をみなさんはご存じでしょうか? 応用倫理学の新しい分野として生まれた食農倫理学は、「フードシステム」と呼ばれる一連のプロセス、すなわち食べ物の生産・加工・包装・流通・調理・消費・廃棄というプロセスにおいて、わたしたちが他者にどのような影響を与えているのかを倫理的に検討する学問です。 「何を食べるか」というのは、たんに個人の嗜好や選択であって、個々人のライフスタイルの問題にすぎないように一見、みえます。しかし、わたしたちの食習慣や食選択は、想像以上に多岐にわたる影響を社会と生態系に与えています。ざっと数え上げれば、労働者の搾取、環境負荷、飢餓問題、気候変動、そして生物多様性といった諸問題に、わたしたちの

                倫理的に「食べる」とはどのようなことなのか?――食農倫理学への誘い/太田和彦/芹沢一也(ホスト) - SYNODOS
              • 「アルジュンさんはなぜ、取り調べ中に突然死したのか?」ーー警察による制圧行為の責任を問う/丸山央里絵 - SYNODOS

                「アルジュンさんはなぜ、取り調べ中に突然死したのか?」ーー警察による制圧行為の責任を問う 丸山央里絵 公共訴訟プラットフォーム「CALL4」副代表 社会 #法と社会と自分ごとをつなぐパブ 天井に設置された監視カメラの映像が映し出すのは、留置所にある保護室だ。窓はなく、ごく狭い。その四角い箱のような空間に人がひしめき合っている。 ネパール人のアルジュンさんを警察官16人が取り囲み、執拗(しつよう)に体を押さえつけている。両手首、腰、膝、両足首を特殊な拘束具で縛られたアルジュンさんは、まともな身動きがとれずに床に転がっている。何かを必死に訴えているようにも見える。彼はその時、ネパール語の敬語を使い、このように繰り返していたことが後日の翻訳で分かっている。 「痛い、痛い、やめてください。」 「私は過ちを犯していません。誰か人間的な人はいないのか。ああ、やめてください、旦那様。」 しかし、映像の警

                  「アルジュンさんはなぜ、取り調べ中に突然死したのか?」ーー警察による制圧行為の責任を問う/丸山央里絵 - SYNODOS
                • 金融所得課税で経済成長?――アベノミクスと「キシダノミクス」のあいだ/中里透 - SYNODOS

                  「寛容と忍耐」を掲げて池田内閣が発足した時、強権的な手法の岸総理とは異なる新しい政治が始まることを多くの人が期待した。「田中金脈問題」で田中総理が辞任し、椎名裁定を経て三木内閣が誕生した時、「クリーン三木」には金権政治の打破への期待が寄せられた。 このように、支持率が低落した時に疑似政権交代とも言える大きな政策転換を行って支持を回復することは、政権与党としての自民党の長年の知恵であり続けてきた(少なくとも中選挙区制の時代までは)。「小泉改革以降の新自由主義政策の転換」を訴えて総裁選を勝ち抜いた岸田総理にも、世の中の「気」を変える役割が期待されているということになるのだろう。 もっとも、店の看板は違っても運営している会社は同じという飲食店があるように(マルチ・ブランド戦略)、経済政策の運営においても「政策」という商品の見せ方と実際の中身にはさまざまな工夫がなされているから、看板と商品の中身の

                    金融所得課税で経済成長?――アベノミクスと「キシダノミクス」のあいだ/中里透 - SYNODOS
                  • 『ケアするのは誰か?』――ケアの倫理の現在地/岡野八代/志田陽子(ホスト) - SYNODOS

                    開催日時 2021年4月26日(月)20:00~21:30 講師 岡野八代 ホスト 志田陽子 場所 Zoom 料金 1100円(税込) ※高校・大学・大学院生は無料です。 ケアという営みが社会のなかでどのように実践されているのか。これを注視することで、ひととひと、ひとと社会の関係性、そして社会活動の多くの仕組みを決定する政治のあり方を分析し、そしてあるべき姿を模索する試みが、「ケアの倫理」なのだと、『ケアするのは誰か?』の翻訳者・著者の岡野八代氏は言います。 ケアはわたしたちの身近で不可欠の活動です。にもかかわらず、その活動と活動を担う者たちが、長い歴史のなかで不当に軽視されてきたのはなぜなのか。この問題は、幅広い分野で問い返され、国際的な関心を呼んでいます。そうした幅広い意義を持つケアの倫理を、とくに民主主義との関係において牽引してきたのが、ジョアン・トロントでした。シノドス・トークラウ

                      『ケアするのは誰か?』――ケアの倫理の現在地/岡野八代/志田陽子(ホスト) - SYNODOS
                    • 教育データの利活用を進めるために何が重要なのか――先進的な取り組みを行う教育長へのインタビューから見える「コツ」と課題/川口俊明 - SYNODOS

                      教育データの利活用を進めるために何が重要なのか――先進的な取り組みを行う教育長へのインタビューから見える「コツ」と課題 川口俊明 教育学・教育社会学 教育 1.教育改革のトップランナー 筆者も何度か指摘してきたように、日本の教育行政はデータを活用することが「下手」である。学力調査を例に取ると、調査を行っている自治体こそ多いのだが、学力に大きな影響を与える家庭環境の情報を把握しておらず、成績がよいのはもともと社会的経済的な立地に恵まれた学校ばかりといった事態に陥りやすいのだ【注1】。断っておくが、筆者は新しく調査を行えと言いたいわけではない。わざわざ調査をしなくても、個々の自治体は学校のみならず、子どもやその家庭環境に関する情報を持っている。だからまず解決されるべきは、ほとんどの自治体で、個々のデータが相互に結びつけられること無く「死蔵」されてしまっているという問題だ。 ここで「ほとんどの」

                        教育データの利活用を進めるために何が重要なのか――先進的な取り組みを行う教育長へのインタビューから見える「コツ」と課題/川口俊明 - SYNODOS
                      • 「答えは人それぞれ」で終わらせる前に――『「倫理の問題」とは何か メタ倫理学から考える』(光文社新書)/佐藤岳詩(著者) - SYNODOS

                        2021.09.13 「答えは人それぞれ」で終わらせる前に――『「倫理の問題」とは何か メタ倫理学から考える』(光文社新書) 佐藤岳詩(著者)倫理学 初対面の人に自己紹介の中で「倫理学を専門にしています」と言うと、しばしば、「え、心理学ですか」と聞き返されます(年度はじめの授業では「すみません、論理学の授業だと思っていました」といって申し訳なさそうに出て行く学生さんもいます)。 「いえ、心理学ではなく、倫理学というものです。ほら、倫理とか道徳とかの」と私が続けると、たいてい「ああ、そうですか。大変なことをなさっているんですね、ほら、倫理の問題には答えなんてないでしょう」と返ってきます。確かに倫理の問題は答えることが難しい問題であることが多く、そう言いたくなる気持ちはよく分かります。 「倫理の問題の答えなんて人それぞれでしょう」という発言もよく聞かれます。これも人の倫理観や価値観といったもの

                          「答えは人それぞれ」で終わらせる前に――『「倫理の問題」とは何か メタ倫理学から考える』(光文社新書)/佐藤岳詩(著者) - SYNODOS
                        • いま最も重要な思想書、チャールズ・テイラー『世俗の時代』のメッセージと は?/坪光生雄・梅川佳子(訳者)/橋本努(ホスト) - SYNODOS

                          話題になった2007年刊のチャールズ・テイラーの『世俗の時代』が、昨年(2020年)邦訳されました。おそらくこの数年間で、最も重要な思想邦訳書の一冊でしょう。上巻・下巻、それぞれ二段組みの重厚な書であり、全体で900頁超の大作です。 これだけ分厚い本ですから、なかなか一人では読み進むことが難しいです。扱っているテーマは、私たちの日常生活に密接に関係しているのですが、他方でカトリックの宗教文化にも根差しています。シノドス・トークラウンジでは、本書の訳者である坪光生雄先生と梅川佳子先生をお招きして、『世俗の時代』の入門的な議論をしたいと思います。このトークラウンジが本書の手がかりになれば幸いです。どうぞお気軽にご参加ください。 チャールズ・テイラーは、コミュニタリアニズムの思想家として世界的に知られており、日本では2008年に京都賞(思想・芸術部門)を受賞しました。主著は『自我の源泉』ですが、

                            いま最も重要な思想書、チャールズ・テイラー『世俗の時代』のメッセージと は?/坪光生雄・梅川佳子(訳者)/橋本努(ホスト) - SYNODOS
                          • 啓蒙の限界プロジェクト 「第3回 温室効果ガス実質ゼロに向けた私たちの消費生活は-シミュレーションデータはどこまで迫れるか」/井原智彦/根本志保子(ホスト) - SYNODOS

                            2021年7月10日(土)開催 啓蒙の限界プロジェクト 「第3回 温室効果ガス実質ゼロに向けた私たちの消費生活は-シミュレーションデータはどこまで迫れるか」 井原智彦 ホスト:根本志保子 開催日時 2021年7月10日(土)15:00~16:30 講師 井原智彦 ホスト 根本志保子 場所 Zoom 料金 1100円(税込) ※高校・大学・大学院生は無料です。 閾値を超えた気候変動を防ぐためには、2030年までに二酸化炭素の排出量を45%削減、2050年頃には正味ゼロにしなければならないとされています。このIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の「特別報告書(2018年)」を受けて、私たちの社会や生活は大きな変容を迫られています。 シノドストークラウンジ「シリーズ:啓蒙の限界プロジェクト」では、第1回にて、気候変動問題への対応に向けて私たちの「社会が受けるであろう影響や意識変容の必要」につ

                              啓蒙の限界プロジェクト 「第3回 温室効果ガス実質ゼロに向けた私たちの消費生活は-シミュレーションデータはどこまで迫れるか」/井原智彦/根本志保子(ホスト) - SYNODOS
                            • 座談会記録「映画から考える 民主社会における象徴君主の表象」/愛敬浩二×山元一×志田陽子 - SYNODOS

                              2022年9月8日、イギリスでは、女王エリザベス2世が逝去した。ちょうど日本では元首相の「国葬(儀)」をめぐって賛否が分かれていたため、イギリスで行われた国葬の品格と自国を比べる言説も多く見られたが、もともと民主国家においては、政治リーダーである首相と、政治権力を持たないことと引き換えに「象徴」となった君主とでは、位置づけも役割も異なる。 むしろ、その文脈ではなく、「民主社会における象徴君主」というものが、人々にどのようにイメージされ、描かれ、受容され、または物議をかもしてきたか、という文脈において、イギリスの象徴君主と日本の象徴君主を比較するほうが、本来の筋だろう。 筆者(志田)はちょうど10年前の2012年11月22日に、武蔵野美術大学で3つの映画を題材としながらこのテーマで公開座談会を行った。この内容は10年を経た2022年の今、多くの人に意義を感じてもらえる内容だと思われたため、「

                                座談会記録「映画から考える 民主社会における象徴君主の表象」/愛敬浩二×山元一×志田陽子 - SYNODOS
                              • 「家族」をめぐる人と制度――『事実婚と夫婦別姓の社会学』/阪井裕一郎/志田陽子(ホスト) - SYNODOS

                                開催日時 2021年7月31日(土)14:00~15:30 講師 阪井裕一郎 ホスト 志田陽子 場所 Zoom 料金 1100円(税込) ※高校・大学・大学院生は無料です。 2021年6月23日、夫婦別姓を認めない現行の民法と戸籍法が憲法に適合しているかどうかを判断する最高裁大法廷決定が出された。その内容は、現行の制度をどうするかは国会で議論すべき問題であり、諸般の社会的事情を勘案しても、現在の民法や戸籍法の制度は憲法に違反しているとは言えない、というものだった。この判決を受けて、法学、社会学の両方で《婚姻と姓》に関する議論が再び活発になることは必至だが、裁判所が言う「社会の変化」や「国民の意識の変化」は、実際に生かされているのか。そうした実証的姿勢を実際にとった場合に、どんな議論になるべきだろうか。 今の日本では、別姓を望むカップルは「事実婚」にならざるを得ない。今回取り上げる『事実婚と

                                  「家族」をめぐる人と制度――『事実婚と夫婦別姓の社会学』/阪井裕一郎/志田陽子(ホスト) - SYNODOS
                                • 繰り返されてきた校則問題を終わらせるには――「民主主義のルール」を根本からつくるための議論/『だれが校則を決めるのか』編者、山本宏樹氏インタビュー - SYNODOS

                                  繰り返されてきた校則問題を終わらせるには――「民主主義のルール」を根本からつくるための議論 『だれが校則を決めるのか』編者、山本宏樹氏インタビュー 教育 地毛証明書、細かな服装規定、理由が定かでない規制……理不尽で人権侵害にあたる校則の存在が問題視され、改善の試みも少しずつ紹介されつつある。一方で、そうした校則の現状が根底的に変わるという状況にはほど遠い。そもそも校則をだれが、どのように見直し、決めていくのが望ましいのか。そして、今後どのように変えていくことができるのか。新刊『だれが校則を決めるのか』編者の山本宏樹氏に、校則改革が停滞する背景、コロナ禍による影響、アカデミズムのコミットメントの可能性など、多岐にわたる論点についてお話を伺った。(聞き手・構成 岩波書店編集部) ※共編著者の内田良氏のインタビューはこちら 現代の校則改革運動が誕生した背景 ――山本先生はかつてシノドス掲載の論稿

                                    繰り返されてきた校則問題を終わらせるには――「民主主義のルール」を根本からつくるための議論/『だれが校則を決めるのか』編者、山本宏樹氏インタビュー - SYNODOS
                                  • トルコの軍事用UAV開発戦略――外交安全保障政策を支える産業基盤の構築/牧田純平 - SYNODOS

                                    1.トルコ製軍事用UAVの拡散 近年、トルコ製軍事用ドローン、とりわけUAV(無人航空機:Unmanned Aerial Vehicle)の活躍が、軍人やメディアの注目を集めている。 トルコ政府は1990年代後半から20年近くをかけ、国産UAVの開発・生産に向けた国内産業基盤の整備に努めてきた。その成果は2010年代後半の主力機の登場に結実し、2016年からはシリア内戦への介入過程で、2020年には輸出先のリビアやアゼルバイジャンで戦局を左右する活躍を見せた。 これまで、それぞれの戦闘でトルコ製UAVが見せた活躍を報じる記事は存在したが、国産UAV開発にかかわる国家戦略や産業基盤の構築を含む、トルコ製軍事用UAVの在り方や今後に関する総合的な検討は見受けられない。 これまでのUAV開発プロセスや政府文書を見ると、トルコは、ある国家戦略の下で政府・軍・民間企業が連携し、一貫した開発努力を続け

                                      トルコの軍事用UAV開発戦略――外交安全保障政策を支える産業基盤の構築/牧田純平 - SYNODOS
                                    • 科学的知識を伝え続ける/『東京電力福島第一原発事故から10年の知見』著者、服部美咲氏インタビュー - SYNODOS

                                      東京電力福島第一原子力発電所事故(以下、福島第一原発事故)が起きたことにより、福島県民は、放射能に対する不安と向き合うことを余儀なくされました。放射能による健康影響に対して、フリーライターの服部美咲さんは、前提知識があまりない人にもわかりやすい記事を、シノドスの福島レポートで発信してきました。2021年6月に出版された著書『東京電力福島第一原発事故から10年の知見 復興する福島の科学と倫理』(丸善出版)は、10年間積み重ねられた科学的知見のエッセンスを総合した本です。住民と科学の間の橋渡し役を務めてきた服部さんに、執筆活動の背景や書き手としてのスタンスを聞きました。 原発事故から数年を経ても解決されない問題 ――とても分かりやすく書かれていますが、扱っているテーマはとても難解であると思います。まず、こうした記事を書くようになった経緯をお伺いします。かつて服部さんが福島の被災地の書かれた記事

                                        科学的知識を伝え続ける/『東京電力福島第一原発事故から10年の知見』著者、服部美咲氏インタビュー - SYNODOS
                                      • なぜ「瞬間英作文」では英語が話せるようにならないのか?――自然な英会話力を身につけるための秘訣/芹沢一也 - SYNODOS

                                        切り札は「瞬間英作文」? ほかのスクールではどうやって「英語の話し方」を教えているのだろうか? こうした疑問をもって、某有名コーチングスクールを調べたことがあります。そこでは、スピーキングのためのトレーニングとして、「瞬間英作文」を学習者にやらせていました。ちなみに、「瞬間英作文」とは、与えられた日本語の文章を瞬時に英作文することです。 このスクールにかぎらず、「瞬間英作文」をスピーキング力向上の切り札だとするスクールは多いようです。 というよりも、スピーキングについては、「瞬間英作文」以外にはめぼしいトレーニングはあまり見当たらない、というのが実情でしょう(最近、ふたたびはやり始めた「パターンプラクティス」については、また別の記事で評価したいと思います)。 しかし、この「瞬間英作文」、ほんとうに言われるほどの効果があるのでしょうか? TOEICが900点代あり、CNNも完璧に聞き取れるの

                                          なぜ「瞬間英作文」では英語が話せるようにならないのか?――自然な英会話力を身につけるための秘訣/芹沢一也 - SYNODOS
                                        • SYNODOSの、日経たわわ広告アンケート記事の感想にいくつか補足。 はてな記法..

                                          SYNODOSの、日経たわわ広告アンケート記事の感想にいくつか補足。 はてな記法は少しだけ使えるようになった。改行が足りなかったんだな。 一ネット調査であることによる標本の偏りを指摘したトラバを見かけた気がしたけど、なくなってる? 確かに、インターネットでのアンケートに回答する人は、普段ネットを使わない人より広告に肯定的だろうと直感的には思う。田中氏の調査では10代以下の子供や60代以上の老齢者も対象じゃないから、日経新聞を購読してる層全体を見れば、実際はもう少し批判的になるのかもしれないね。 二https://anond.hatelabo.jp/20220427084110 で、自分が気になったのは、9)性別役割分業志向と10)男性優先社会の認識だけどね。 本来ならこれは同じ方向をむく、というか合わせて「フェミニズム志向」と呼ぶべきものだろう。 でも実際は、10)男性優先社会の認識は明確

                                            SYNODOSの、日経たわわ広告アンケート記事の感想にいくつか補足。 はてな記法..
                                          • リベラリズムの豊かな歴史を掘り起こす――ヘレナ・ローゼンブラット『リベラリ ズム 失われた歴史と現在』に学ぶ/三牧聖子(訳者)/橋本努(ホスト) - SYNODOS

                                            開催日時 2021年2月11日(木)20:00~21:30 講師 三牧聖子(訳者) ホスト 橋本努 場所 Zoom 料金 1100円(税込) ※高校・大学・大学院生は無料です。 日本では自民党による保守政治が続いていますが、リベラルな政治を奪還することはいかにして可能でしょうか。今日、リベラルな政治を目指す諸政党(野党)が弱体化しています。その背後にはより根本的な問題として、リベラリズム思想の弱体化があります。リベラリズムの思想は、それ自体が刷新されなければならない時期に来ています。 ローゼンブラット著『リベラリズム 失われた歴史と現在』は、さまざまなヒントを提供してくれるでしょう。私たちはリベラリズムという思想を、「個人の権利」や「選択の自由」といった理念と結びつけて理解しますが、かつてこの言葉には、愛国心や義務や慈悲心や公共精神などの意味も含まれていました。それがいつの間にか忘れ去られ

                                              リベラリズムの豊かな歴史を掘り起こす――ヘレナ・ローゼンブラット『リベラリ ズム 失われた歴史と現在』に学ぶ/三牧聖子(訳者)/橋本努(ホスト) - SYNODOS
                                            • 大規模調査から見えてきた「部活動」の課題と未来/『部活動の社会学』編者、内田良氏インタビュー - SYNODOS

                                              部活動研究の第一人者として研究・情報発信の両面で活躍する、内田良氏の編著『部活動の社会学――学校の文化・教師の働き方』(岩波書店)が刊行された。 部活動の過熱や生徒・教師の負担という問題の認識が広がり、社会での捉え方も変わってきている。だが内田氏によると、部活動の状況が全面的に変わってきたというには遠く、学校内の理解、また部活動に関するアカデミックな研究もまだまだ進展していないという。 そこで、部活動をめぐるこの数年の変化や現状、独自の大規模社会調査から見えてきた部活動問題の背後にある構造や教師の意識、今後想定される民間委託への展望、さらには研究と情報発信のあり方について、内田良氏にお話を伺った。(聞き手・構成/岩波書店 大竹裕章) 内田良氏 部活動問題を真正面から問えるようになってきた ――これまで部活動に関する研究と情報発信を続けて来られましたが、今回刊行される『部活動の社会学』の研究

                                                大規模調査から見えてきた「部活動」の課題と未来/『部活動の社会学』編者、内田良氏インタビュー - SYNODOS
                                              • なぜ、アメリカで核兵器は悪とされないのか?――日米の核意識の差を探る/宮本ゆき/大竹裕章(岩波書店)(ホスト) - SYNODOS

                                                開催日時 2021年2月6日(土)14:00~15:30 講師 宮本ゆき ホスト 大竹裕章(岩波書店) 場所 Zoom 料金 1100円(税込) ※高校・大学・大学院生は無料です。 2015年に行われたアメリカの世論調査によると、広島・長崎への原爆投下について、人びとの56%が「正当だった」と回答しています。日本でこの割合は14%に過ぎず、大きな隔たりがあることがわかります。こうした核をめぐる意識の違いは、かつて核兵器を投下した/されたという立ち位置の違いには留まらないように見受けられます。 国際的な動向を見ると、2017年には核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)がノーベル平和賞を受賞し、国際的に核軍縮へと向けた流れが動いているようにも見えます。しかし、2021年1月発行に向けて国連が進める「核兵器禁止条約」に保有国は参加を表明せず、日本政府も批准しない見解を示すなど、足並みは揃っていま

                                                  なぜ、アメリカで核兵器は悪とされないのか?――日米の核意識の差を探る/宮本ゆき/大竹裕章(岩波書店)(ホスト) - SYNODOS
                                                • 原発処理水の海洋放出における5つの論点/藤沢烈 - SYNODOS

                                                  福島第一原発から排出される処理水を、二年後を目処に海に流し始める方針を、政府は昨日(4月13日)決定しました。 多くの方が様々な想いを発信しています。福島復興にかかわる私としても、多くの論点をどのように捉えているか、整理しておきたいと思います。 なお政府は処分に関する基本方針を公表しています(※1)。また市民団体も反対声明を公表しています(※2)。できればニュース等だけではなく、一次情報にもあたって頂ければと思います。 原子炉内の核燃料を冷却するために今この瞬間も水をかけ続ける必要があるため、毎日「汚染水」が発生します。ここからALPSという装置を通じて、トリチウムを除く62種類の放射性物質を取り除いた水を処理水と呼びます。これが原発敷地内に貯め続けられています。 この処理水をなぜ処分するかというと、廃炉作業を続けるためです。廃炉作業はこれからデブリ取り出しという佳境を迎えますが、増え続け

                                                    原発処理水の海洋放出における5つの論点/藤沢烈 - SYNODOS
                                                  • アメリカ大統領選挙とイランで続く不審な爆発――黒幕はイスラエルか?/高橋和夫 - SYNODOS

                                                    6月末、イランで不審な爆発と火災の連鎖が起こった。7月に入っても、この連鎖は続いている。『ニューヨーク・タイムズ』紙が、ある中東の国の諜報機関の情報として伝えたところによると、爆発した建物では新型の遠心分離機が組み立てられていた。その四分の三が破壊されたという(注1)。この件に関しては、『祖国のチーター』を名乗る組織が、ペルシア語でイランなどに向けて放送されているイギリスBBCに、犯行声明を送り付けた。しかもイラン政府が爆発を認める前に、である。 この組織は体制の中枢に存在する秘密組織だと主張している(2)。だが、その主張は懐疑の念をもって受け止められている。イランの体制内の組織であれば、自ら名乗り出るはずもない。「祖国のチーター」などの名称も、ピンク・パンサーほどの信ぴょう性を感じさせない。これまでは存在を知られていなかった組織である。さらにネット上で、この組織のロゴ・マークのようなもの

                                                      アメリカ大統領選挙とイランで続く不審な爆発――黒幕はイスラエルか?/高橋和夫 - SYNODOS
                                                    • 公平性の観点から発電側課金を考察する/安田陽 - SYNODOS

                                                      「発電側課金」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか? 英語では “G-charge” あるいは “G-tariff”というちょっとカッコいい言葉が使われ、欧州を中心に議論が先行していましたが、日本でも経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会の「送配電網の維持・運用費用の負担の在り方検討 ワーキング・グループ」(以下、WG)が2018年6月に『中間とりまとめ』【1】を公表して以来、ここに来て再エネ発電事業者を中心ににわかに話題に上っています。 本稿ではこの発電側課金について、これまであまり日本語になっていなかったそもそも論(基礎理論や海外動向)を紹介するとともに、日本での議論への示唆を議論します。 「発電側課金」をよく聞いたことがない方でも「託送料金」と聞けばピンとくるでしょう。託送料金(国際的には、より中立的な「ネットワーク料金 network tariff」という表現が用いられます)は

                                                        公平性の観点から発電側課金を考察する/安田陽 - SYNODOS
                                                      • 不適切にもほどがある:健康保険料で子育て支援をやってもいいですか?/中里透 - SYNODOS

                                                        「異次元の少子化対策」は、まさに異次元の政策である。年間で3.6兆円(概数)もの予算が新たに追加されるにもかかわらず、この対策によって出生率がどの程度上がるのかがわからないからだ。 最近、EBPM(合理的な根拠に基づく政策形成)ということがさかんに言われ、霞が関でもさまざまな取り組みが行われているが、肝心な話になると、なぜかその時々の風向きと雰囲気で政策が進められていってしまう。少子化と人口減少への対応は重要な政策課題であるが、「満蒙は日本の生命線」というノリで「産めよ、殖やせよ国のため」とやっても、首尾よく成果をあげることはできないだろう。 何事についても目的と手段の関係を明確にし、コスパ(費用対効果)をきちんと考えて現実的な対応をとることが必要だ。「これからの6~7年が、少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンス」と唱えていさえすれば数兆円規模の支出増が実行に移せるということであれ

                                                          不適切にもほどがある:健康保険料で子育て支援をやってもいいですか?/中里透 - SYNODOS
                                                        • 全国学力テストはどこへ向かうのか/川口俊明 - SYNODOS

                                                          全国学力テストの現在 文部科学省が実施する全国学力・学習状況調査(以下、全国学力テスト)は、2007年以降、さまざまな批判を受けつつも今日まで維持されてきました(1)。2021年現在、その在り方が見直されつつあります。直接のきっかけは、新型コロナウイルス感染症の拡大とそれに伴う休校措置への対策の一つとして、急速に進められたGIGAスクール構想です。 GIGAスクール構想では、学校教育のICT化を進めるために、子ども一人に一台の端末が配布されました。その端末の具体的な活用策として、全国学力テストのCBT化が議論されるようになったのです。CBTとは、Computer-Based Testingの略で、文字通りコンピュータを使った学力テストのことです。国際学力調査であるPISAやTIMSSでもCBT化が進められており、こうした世界的な潮流もCBT化の議論を後押ししました。 もっとも、現在の全国学

                                                            全国学力テストはどこへ向かうのか/川口俊明 - SYNODOS
                                                          • 現金給付の正しい届け方――各自治体の工夫で問題点は解消できる/中里透 - SYNODOS

                                                            18歳以下の子どものいる世帯に対して10万円相当の給付金(クーポン券による給付を含む)を支給する現金給付の案をめぐって、活発な議論が続いている。政府案の閣議決定に至る過程で自民党内から「大変不公平な状況が起きる」(高市早苗政務調査会長)、「世帯合算が当然」(福田達夫総務会長)との指摘がなされたように、この給付金の現在の案にはさまざまな瑕疵があるが、どのようにすればこれらの問題は解消できるのだろうか。以下ではこのことについて考えてみたい。 なお、今回の給付金の受給者は生計中心者(父または母のうち収入の多いほうが基本)であり、住民票に記載される世帯主とは必ずしも一致しないが、以下では記述の簡素化のため、生計中心者について「世帯主」という表記を用いることとする。 1.「迅速な給付」と「所得制限」の間のトレードオフ 所得制限の妥当性とクーポン券併用の必要性について 今回の現金給付の問題点を簡単にま

                                                              現金給付の正しい届け方――各自治体の工夫で問題点は解消できる/中里透 - SYNODOS
                                                            • 基地問題は日本の国内問題か ―沖縄返還50年、改めて問う―/川名晋史 - SYNODOS

                                                              基地問題は日本の国内問題か ―沖縄返還50年、改めて問う― 川名晋史 基地政治(Base Politics)、安全保障論 社会 #安全保障をみるプリズム 沖縄の基地問題は日本の国内問題だろうか。基地問題は米国の基地の問題なのだから、米国の問題ではないか。こう考える人も少なくないだろう。沖縄県知事や県議会も同じである。彼らは沖縄の基地問題を知ってもらうために度々、ワシントンDCに要請団を送っている。ところが、米政府や議会関係者からは、「沖縄の基地問題は日本の国内問題だ」と突き放されるという【注1】。このエピソードを耳にしたとき、それはずいぶんな話だと思ったが、よく考えると言い得て妙である。皮肉なことだが、沖縄の基地問題は今日、国内問題化してしまっている。 米国からみた日米安保条約と地位協定 そもそも基地の根拠条約となる日米安保条約は、日本が米国に基地を提供することを謳っているが、それをどこに

                                                                基地問題は日本の国内問題か ―沖縄返還50年、改めて問う―/川名晋史 - SYNODOS
                                                              • ドキュメンタリー映画『帆花』――存在に巻き込まれることの希望/森岡正博 - SYNODOS

                                                                生後すぐに「脳死に近い状態」と宣告された帆花ちゃんと、その家族の日々の営みを、3年にわたりみつめたドキュメンタリー映画『帆花』(國友勇吾監督)が、2022年1月2日(日)より公開される。日本で2010年に施行された改正臓器移植法の議論に深く関与した哲学者で、早稲田大学教授の森岡正博さんが、映画『帆花』に寄せた文章をここで紹介する。 ©️JyaJya Films+noa film 映画『帆花』の冒頭で、帆花ちゃんのバギーを両手で押しながら歩いているご両親の姿を見たとき、「あー」という声が私の口から出てきた。彼らが動いている姿を私が見るのは、これが始めてのことだったからだ。帆花ちゃんのことはご両親の開設したブログで以前より知っていた。そして私は大学の「バイオエシックス」という大教室の授業で脳死のテーマを扱うときに、かならず帆花ちゃんのブログを紹介して、そこに掲載されている様々な写真と文章を学生

                                                                  ドキュメンタリー映画『帆花』――存在に巻き込まれることの希望/森岡正博 - SYNODOS
                                                                • 歴史修正主義とウクライナ戦争――『歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで』(中公新書)/武井彩佳(著者) - SYNODOS

                                                                  2022.05.12 歴史修正主義とウクライナ戦争――『歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで』(中公新書) 武井彩佳(著者)ドイツ現代史、ホロコースト研究 #「新しいリベラル」を構想するために いま、ロシアによるウクライナ侵攻で、耳を疑うようなやりとりが繰り広げられている。ロシア政府を代弁する人々が、これは戦争ではなく、ウクライナをナチから解放するための軍事作戦であり、民間人の虐殺はウクライナ側による「でっちあげ」であると主張している。通りに放置された遺体も、集団埋葬地も、ウクライナ軍がロシア軍の仕業に仕立てるためにどこかからか運び込んだとさえ言う。 衛星写真やスマートフォンなどによって、世界の片隅で起こっていることが瞬時に拡散する時代に、きわめて根拠のない主張が、例えば駐日ロシア大使のような公人の口から発されている。こうした状況に私たちは絶句し、深い無力感を感じる

                                                                    歴史修正主義とウクライナ戦争――『歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで』(中公新書)/武井彩佳(著者) - SYNODOS