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  • 物理術師から幻術師まで、大きく異る方向の天才魔法使いが6人集められ、最終的に排除する1人を決める、ファンタジー×SF長篇──『アトラス6』 - 基本読書

    アトラス6 上 (ハヤカワ文庫FT) 作者:オリヴィー ブレイク早川書房Amazonこの『アトラス6』は著者オリヴィー・ブレイクがロースクール在学中にセルフパブリッシングで刊行したのち、爆発的に人気が出てAmazonPrimeでのドラマ化も決定している話題のファンタジー長篇だ。記事名にも入れたが、他者の行動に関与するエンパスに他者の思考を読み取るテレパス、世界の物理的事象に干渉する物理術師など様々な「特殊な力」を行使する、凄腕魔法使いたちの物語となる。 世界中の貴重な蔵書を守護する秘密の組織〈アレクサンドリアン協会〉、そこでは10年に1度、6人の在野の魔法使いらが選出され、うち5人だけが入会を果たし、富や名声、協会しか持っていない資料へのアクセスが許される──。と、魅力的な冒頭のあらすじに加えて表紙イラスト&装丁が最高だったので期待して読み始めたのだけど、中身はその上がりきったハードルにち

      物理術師から幻術師まで、大きく異る方向の天才魔法使いが6人集められ、最終的に排除する1人を決める、ファンタジー×SF長篇──『アトラス6』 - 基本読書
    • 脳内で地図を作成する能力が衰えていくと、何が起こり得るのか?──『失われゆく我々の内なる地図 空間認知の隠れた役割』 - 基本読書

      失われゆく我々の内なる地図 空間認知の隠れた役割 作者:マイケル・ボンド白揚社Amazon少なくとも移動という点において、現代は素晴らしい時代になったといえるだろう。僕は相当な方向音痴で、スマホのナビアプリがない時代は目的地にたどり着くのは難しいことだった。地図をみずに目的地にたどりつけないのではなく、場所を事前にネットで検索し、地図を印刷してそれをみながら歩いても、たどり着けないのだ。 その弱点が牙を向いてきたのは就活時代で、その当時iPHoneにはいちおう地図アプリがあって、僕も入れていたが、ゴミのような性能だった。パチンコガンダム駅とかいう意味不明な駅が爆誕していたり、羽田空港が大王製紙になっていたり。とにかくひどい有様で、今のような安心感は微塵もなかった。そんな就活をしていた時代に、1日に2、3個予定を詰め込んで会社説明会をはしごしていたのだが、そうすると駅を降りて15分ほどの短い

        脳内で地図を作成する能力が衰えていくと、何が起こり得るのか?──『失われゆく我々の内なる地図 空間認知の隠れた役割』 - 基本読書
      • 全人類が共有できる歴史はありうるのか?『新しい世界史へ』

        「歴史は勝ったほうが書く」のだから、いま主流の価値観や集団に焦点を当てるのが普通だと思ってた。各時代の支配層が、自らの正統性の証(あかし)を過去に求め、上書き保存してきたのが、歴史叙述だと考えてきた。 だから、本書で紹介される「新しい世界史」は、斬新で、困難だと考える。その一方で、この世界史を知りたい、と強く願う。 『新しい世界史へ』は、いわゆる「世界史まとめ」ではない。 よくあるWikipediaのコピペに「教養」というレッテルを貼った本でもない。そういう巷の「世界史」に隠されている先入観や意図を明るみに出し、改善策を示し、代案を提示する本だ。いうなれば、世界史を語るのではなく、「世界史の語り方」を考える一冊なのだ。 全人類に向けた世界史という、ある意味、ぶっ飛んだ構想を議論しているのは、羽田正氏である。比較歴史学の専門家で、東京大学の東洋文化研究所の所長のキャリアを持つ。著書も多数で、

          全人類が共有できる歴史はありうるのか?『新しい世界史へ』
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