『週刊プレイボーイ』で「挑発的ニッポン革命計画」を連載中の国際ジャーナリスト、モーリー・ロバートソンが、日本メーカー製の"名機"と呼ばれるシンセサイザーの現状から見える日本企業の未来について語る。 * * * ダンスミュージック界で名機といわれている「ローランドTB-303」というシンセサイザーがあります。ただ、1981年の発売当初は、ポンコツ扱いを受けて人気も上がらず、数年で生産が中止されています。 実際、同機は米モーグ社のシンセを"模倣"し、特許に引っかからないよう一部機能を間引いて完成させた廉価版のような製品でした。そのため肝心の音は安定性に欠け、操作性もイマイチ......というのが当時の評価。 製造中止になる前は、アメリカの楽器店のワゴンセールでしばしば投げ売りされており、それほどお金のないストリートで活躍するDJたちがそれを買っていました。 面白いのはここからです。彼らはその"