日本のヒップホップシーンを牽引する沖縄出身のラッパー、Awich(37)。10代から音楽活動を始め、アメリカへ。21歳で結婚、出産したが、夫を銃弾によって亡くす。シングルマザーとして娘を育てながら、約10年の空白期間を経てブレーク。「ヒップホップの女王」と呼ばれる。沖縄への思い、アメリカで直面した貧困、夫の死、娘との歩み――。2時間半におよぶインタビューで、紆余曲折を経た自身の道のりを見つめた。(文中敬称略/撮影:倭田宏樹/Yahoo!ニュース オリジナル RED Chair編集部) 「お父さんの肉体が、もうない。だから抱きしめることも手をつなぐこともできないし、声も出せない。それが死ぬっていうこと。なんでそうなったのかも、私たちにとってどういう意味があるのかも、まだ分からない」 夫が亡くなったのは、娘の鳴響美(とよみ)が3歳の頃。娘に説明した時のことを語ると、涙があふれた。 「鳴響美は最