緊急対策と社会的離隔 インペリアル・カレッジCOVID-19対応チームのファーガソン教授らの論文は、新型コロナウィルスの蔓延に対する社会的離隔政策(social distancing)が長期にわたる可能性を告げている[1]。同チームのランセットの論文の冒頭は印象的である[2]。「個人は自身の命を優先する。それに不可避的に付随する経済の落ち込みには、政府の緩和措置が必要である。」人の命を救うものは医療である。そして日々の暮らしを成り立たせているのは経済である。 まず、現下の感染拡大に対する経済対策として、生活困窮者への手当が最重要の緊急課題である。失業保険や信用保証といった既存制度を最大限に活用し、すでに始まっている政府・地方自治体の取り組みを支援する必要がある。さらに流動性の機動的供給に備え、金融システムの不安に波及させないことが重要である。 その上で、社会的離隔を含む非医薬介入政策(no