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  • [アニメ] 響け! ユーフォニアム: 極東ブログ

    なんとなく今はいいかなあと思ってパスっていた京アニの『響け! ユーフォニアム』だが、2つのシーズンを見た。そして、現在2周目で、2シーズン目の途中。これは4周くらいしそうな気がする。なお、『リズと青い鳥』も見たのだが、それはまた。 すごい作品だった。アニメとして、ここまで繊細な作品というのはあるのだろうかと思った。その繊細さというのは、それが見える人には見えるようにできている。押し付けがましさはない。どう見てもいいし、その一例でいうなら、ごく凡庸な物語として見ることもできるだろう。ストーリーも、繊細さのなかにスリルがあるが、そうでなければ、日常の物語である。しいていえば、花田十輝さん的には、『やがて君になる』の先駆的な意味合いもあるのだろうが、それがこの作品の本質というものでもない。 吹奏楽、広義に音楽のアニメとしても秀逸で、というか、秀逸すぎて、あー楽器練習しようかあ、という気になる。音

    • 法と道徳の境界:リクライニングと横断歩道: 極東ブログ

      このところ、ぼんやりしていると、いつの間にか、法と道徳の臨界について考えている自分がいる。難しい話ではない。具体的な2つの事例で書いてみたい。 1 飛行機や長距離列車の座席の背もたれを自由に倒してよいか? 飛行機や長距離列車の座席の背もたれ(リクライニング)を、後ろの人に配慮せずに自由に倒してよいものだろうか? 常識的に考えれば、後ろを確認して、人がいたら「席、倒していいですか?」と声をかけるというものだろう。それで大抵は問題とはならない。だから、深刻化しないとも言えるかもしれないが。 それで、もし、後ろの人が、「やめてください」と答えたら、どうなるだろうか? 常識的には、しかたないなと、背もたれを倒すのを諦めるものだろう。ただ、その時でも、変な人の前の席になっちゃったなあ、アンラッキーくらいには思うだろう。 逆に自分がその後ろの席だった場合はどうか。常識的には、「どうぞ」と答えるだろう。

      • パトス(Pathos)とペーソス(Pathos): 極東ブログ

        なぜか盲点だった。パトス(Pathos)とペーソス(Pathos)について、それほど考えたことがなかった。要するに、元は同じ言葉のはずなのに、日本語では違う。なぜなのか? パトス(Pathos)とペーソス(Pathos)で、どっちが一般的な言葉かというと、ペーソスのほうだろう。ペーソスの意味はというと、大辞泉では、《もの悲しい情緒。哀愁。哀感。「ペーソスの漂う人情劇」》とある。間違いではないが、違うのではないか。こういうときは画像検索してみるとはっきりすることがあるので、やってみると、中年のおっさんのバンドが出てくる。誰? あ、末井昭さんがいる。え? 島本慶って、舐達磨親方。知らなかった。 それで、ペーソスというバンドの音楽を聞いてみる。『夫婦冷っけえ』という曲。ああ、まあ、たしかに日本語のペーソスってこれだなと思った。 つまり、「もの悲しい情緒。哀愁。哀感」というだけじゃなくて、なんか滑

        • ファイナルふろしき袋: 極東ブログ

          コンビニやスーパーでちょいと物を買うとき、ビニール袋に入れてもらうのが嫌で、マイバッグを持ち歩いていたものだが、なんとなく忘れることが多くなっていた。マイバッグを片付けるのが、なんとなくめんどうなのだ。 この状況をどうしたものかと考えて、そうだなあ、ふろしきが使えるんじゃないか思っていた。 そんなおり、街をぶらついていると、50センチ四方の化繊のふろしきを見かけ、買った。これでなんかマイバッグの代わりになるのではないかとふと思ったのだった。 ふろしきにはいろいろな使い方がある。先日も、ふろしき展なるものを見て、実演コーナーで試してもみた。利用法の本もあるし、まあ、ネットにもその手の情報はある。だが、どうも、いまいち。 なので、自分で簡易なふろしき袋ができないか、パズルを解くように考えていて、できた。 こんな簡易な方法、きっと誰かがすでに考えているに違いないから、発明を主張しないが、ざっと見

          • [アニメ] 俺の妹がこんなに可愛いわけがない: 極東ブログ

            アニメ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』を見た。実は、以前も2話くらい見て、関心ねーと放置していたのだった。まずもって、妹ものに私は関心ないし、2010年のアニメということもあって、絵が古い感じがして苦手だった。それに最初は、花澤香菜さんも早見沙織さんもそれほど活躍してないし。 で、とくに理由もないのだが、見始めた。あれ? これは、そーとーに面白い作品なのではないかと思っているうちに、するすると4話くらい見て、うーん、これだとコンプリートしそうだなと思い、その先の様子をざっと見るに、2期ある。ラノベ原作で2期だと、完結部分はラノベで読むしかないだだろうなと思いつつ、全体構成を見ると、奇妙なことに気がつく。 1期のエンドが、Good End で、アニメのオリジナルっぽい。で、これには別途、True Endがある。じゃあ、その後者のほうでと見ていく。面白い。 まあ、あれだ、ゲームのように分岐

            • 高橋是清と不妄念: 極東ブログ

              江戸東京たてもの園に高橋是清邸があることは知っていたが、うかつにも是清翁が暗殺された部屋がそのまま移築されていると思い至らなかった。もちろん、ぐぐればわかることではあるが、知識で知ってどうというものでもないだろう。見てきた。 邸の二階に上がる。ガイドの方がいて、ここですよと教えてもらった。ここかと思った。2.26事件の現場である。当時には珍しいほどガラスを使った、見渡しのいい門間十畳の客間である。彼はここを書斎にしていた。寝室というわけでもなかったが、その日もここで寝ていた。ゆえに兵士たちが探すのに多少手間取ったことだろう。ここで胸に6発のも銃弾を撃ちこまれて死んだ。満年齢で81歳。80歳まで生きられたら幸せの部類のようにも思うが、こういう死に方は悔しい。 畳に座って物思いにふけっていると走り回る子どもたちや外国人の観光客などが来きて騒がしくなる。もっと閑散とした日に来ればよかった。紅葉の

              • [アニメ] まちカドまぞく: 極東ブログ

                アニメ『まちカドまぞく』というのを見た。れいによって偶然であり、見ているときも、それほど面白いかなあと思いつつ、見ていた。面白いか面白くないかでいうと、面白かった。基本コメディで、そのコメディさは普通に以上に面白かったのだが、そうした面白さより、奇妙に心にひっかかるものがいくつかあった。 一つは明確にわかっている。風景である。私の育った三多摩の風景。特に、多摩川というものの作り出す風景が、出てくるたびに、心にじーんとくる。自分に馴染みのある風景だし、懐かしいのだから、じーんとくるというだけかもしれないが、風景がただ風景でなく、なんというのか、人の心としてそのままあるというような、そんな何かだった。 もう一つは、これがまたうまく言えないし、言うと失当だろうという感じもするのだが、いちおう印象でいうのだが、これは極めて優れたフェミニズム作品なのではないかという感覚だ。男子が出て来ない、恋愛要素

                • 『誰も寝てはならぬ(Nessun dorma)』の試訳: 極東ブログ

                  最近、歌に凝っていてテノールを試みているが、その音域で、Nessun dormaが歌えそうな気分になってきたので、意味の確認のために試訳してみた。 わからないところがいくつかある。 冒頭の、Nessunは、Nessunoの別の形、というのは、イタリア語講座を受講しているときに、ネイティブから聞いた。 "noi dovrem, ahimè, morir, morir !"のところの、dovremは、dovremmoだろうと思う。 "il mio bacio scioglierà il silenzio che ti fa mia."だが、che は、il mio bacioを受けているのではないか。 といったふうな疑問を抱えつつ。 誰も寝てはならぬ(Nessun dorma) Nessun dorma ! Nessun dorma ! Tu pure, o Principessa, nell

                  • 志村けんの死去: 極東ブログ

                    コメディアンの志村けんが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による肺炎で東京都内の病院で29日、死去した。70歳だった。若すぎる死という印象はないが(いかりや長介は72歳だった)、今年のNHKの朝ドラにも録画となって出演する。誰もがまだまだ健在と思っていたことだろう。私も驚いた。伝えるところによれば、肺炎診断は20日。3日後に新型ウイルスが陽性と判明。感染したのが1週間前くらいなら、感染は16日ごろだっただろうか。COVID-19の驚異を身近に感じさせることになった。もちろん、彼を慕う人の追悼も話題になった。 私は、あまり志村けんには関心がなかった。これは単純に関心がなかったというだけ。好きでも嫌いでもない。では彼について何も知らないかというと、そうでもない。彼のデビューから知っているし、東京郊外の土地勘からわかることも多い。そのあたりは、この機にNHK Plusで放映された、『

                    • 「ちゅうちゅうたこかいな」: 極東ブログ

                      今年、2月ごろだったか、弥生時代の硯の話題をよく見かけた。紀元前2世紀末から前1世紀ころに日本ですでに国産の硯があったらしい。昨年の吉野ケ里遺跡展示室「むかしむかしの文房具」展でも展示されたと聞いた。硯があれば、文字もあったと考えるのは自然なことで、すると、弥生時代に日本で文字が使われていたか? 当然、その文字は、当時の漢字であるには違いない(どう音価を与えていたかはわからない)。そしてもし弥生時代に文字があれば、以降の歴史を探るための文書・文献も出てくるのではないかと期待が膨らむが、その後続報も聞かない。古代史と文字の関連で言えば、稲荷山古墳出土鉄剣銘が5、6世紀。それ以前の、現状最古の日本の文字というと、4世紀ごろの短甲に書かれた「田」とされるらしいが、これは定説には至っているともいえないだろう。 とはいえ、概ね、従来説でも5世紀の日本には文字があっただろう。これが弥生時代の硯から推測

                      • 最近読んだ医療関係の本、4冊: 極東ブログ

                        比較的最近読んだ医療関係の本、4冊について。どれも比較的新しい本。 『世界中の医学研究を徹底的に比較してわかった最高のがん治療』勝俣範之、大須賀覚、津川友介 物々しいタイトルで、それだけ見ると、いかがわしい本じゃないかという印象もあるが、内容はそのまったく正反対で、ようするに、標準医療がもっともすばらしいことである。その含みでいうなら、がん治療を求めているなら、定評のある病院の標準治療を受ければよく、民間療法や代替医療はやめたほうがいい(なぜなら最高ではないから)ということである。おかしな医療に騙されないようにという趣旨でもあり、賛同する人も多い。 がんの患者さんで周りからへんてこな治療法や健康法を勧められて辟易となっている人が、そういう人に「これ読んでね」と手渡せる本でもある。 内容について特に批判はないが、現実問題として、勝俣範之先生のような腫瘍内科の専門医を配備している病院がすべてと

                        • [書評] おしゃべりな糖 第三の生命暗号、糖鎖のはなし(笠井献一): 極東ブログ

                          専門家は別として、医学や生物学、さらに栄養学などに関心を持つ人にとって、一番注目される話題とまでは言えないかもしれないが、現在気になる話題は、糖鎖だろう。 ごく簡単に言えば、生命現象の解明はその暗号コードの解明になってきていて、20年前であれば、遺伝子、つまり核酸に集約されていた。ゲノム解析に期待されていたと言っていいだろう。が、その後解析が終わっても生命暗号の謎は残り(というか謎ばかり)、次にタンパク質構造に関心が移り、現在さらに糖鎖に向かっている。 そうした糖鎖に注目が集まるなか、市民レベルで糖鎖の基本と糖鎖研究の現状を解説した書籍はないだろうかと、ブルーバックスの新刊などを見ていたのだが、昨年末、岩波科学ライブリーから、それに適した『おしゃべりな糖 第三の生命暗号、糖鎖のはなし(笠井献一)』が出た。糖鎖について極力わかりやすく書かれていることと、実際身近な生活などで触れる生命現象との

                          • 日本語の「やってる」の意味がよくわからない: 極東ブログ

                            私は日本語ネイティブなのだが、実のところ、日本語がよくわからない。ネイティブというものはそういうものなのだろうが、それにしても、日本語という言語の文法の本質も語彙・語用もよくわからない。 例えば、「やってる」の意味がよくわからない。 先日、コロナ疲れして、エスニック料理店でディナーにしたかった。気になったのは、お店がやっているかどうかだ。電話してみた。店長・店員は外国人で日本語がたどたどしいところがあるが、問題はないだろうと思っていた。電話が通じると、私はこう言った? 「やってますか?」 相手がしばらく沈黙していた。その沈黙で、あれ?と自分でも思ったのだ。「やってますか?」で通じるものなのか? 自分でもプチパニックして、言葉を継いだ。 「7時に予約できますか?」 ここで、相手が「予約」という言葉に反応して、事なきを得た。久しぶりのエスニック料理はおいしかった。 さて、「やってる?」ってなん

                            • スマホによる時間感覚の変化: 極東ブログ

                              スマホの普及で世界はいろいろ変わったが、時間感覚も変わったのだと思った。これは電波時計の普及もあるのだろうが、秒単位で正確な時刻がわかるようになり、人々はそれを前提に生活している。 自分はちょっとそれになじめないでいた。いつからか正確な時刻を気にしないようにもなっていた。だいたい1分くらいの誤差は気にしない。定刻に集合というときは、ざっと10分前くらいに到着するようにしていたので不都合もない。 なので、基本的にアナログ時計を使う。秒針のない腕時計にしたら、さらに合う。ついでに文字盤に数字もないほうがいい。シンプル。という腕時計にしていたが、先日、止まった。電池切れだろうか。電池交換する費用を考えるとその分、新しい時計購入に当てるかと考え、そういえば、チプカシがいくつもあったなと思い出す。というとき、ビンラディン・モデル(F-91W)がテーブルに置いてあり、あれ?と思ったら、息子のだった。私

                              • [書評] デイヴィッド・ルイスの哲学 ―なぜ世界は複数存在するのか― (野上志学): 極東ブログ

                                デイヴィド・ルイス(David Kellogg Lewis)は、およそ哲学的な感覚を持つ人間にとって魅惑的な哲学者だろう。それは、文芸の世界で比喩的に語られるヴィトゲンシュタイン(Ludwig Josef Johann Wittgenstein)より魅惑的なのではないだろうか。例えば、本書出版社の解説はその魅力を上手に捉えている。 現実ではないけれど現実でもありえた、複数の世界がたしかに実在する、とデイヴィッド・ルイスは考えた――。 私たちが後悔をすることの意味は何か。フィクションとは何か。別様な世界の可能性など、あるのだろうか。 緻密に論証された可能世界論を解きほぐし、可能性や必然性をとらえ直すことで、 私たちの日常はいまよりもクリアに見えるようになる。その哲学の魅力と明晰さをとらえる革命的入門書。 この魅惑に十分堪能して本書を読むこともできるだろう。私はそれを否定しないのだが、読後の印

                                • 英語の "thorough" の発音はなぜめちゃくちゃなのか?: 極東ブログ

                                  英語の "thorough" の発音はなぜめちゃくちゃなのか? この問いかけ自体が正しくはないかもしれない。違うのは、英国発音と米国発音の差だけだとも言える。とりあえず、2つある。 ”The 10 Hardest English Words to Pronounce” (発音がもっとも難しい10個の英単語)という記事には、2番目に挙げられていてこう説明がある。 2. Thorough With a silent ‘g’ and an excessive amount of vowels ‘thorough’ can confuse even the most experienced English speakers. To make matters worse, this word is also pronounced differently by English speakers in

                                  • [書評] ヤクザときどきピアノ(鈴木智彦): 極東ブログ

                                    鈴木智彦さんは、ヤクザの世界の潜入ルポで著名なライターということだが、私はよく知らない。だが、この本が、彼が52歳のとき、突然、ピアノが弾けるようになりと猛訓練をしたという内容だと知って、一も二もなく読んだ。自分に重なるからである。 このブログにも残っているが、私もその年齢のころピアノを試みた。バッハが二番目の妻に贈った『アンナ・マクダレーナ・バッハの音楽帳』の、最初の一番簡単なメヌエットがとりあえず弾けるようになった。ピアノというのは、なんだかんだ言っても、指を指示通りに動かせば弾けるのではないかということでやってみた。つまり、楽譜はあまり参照しなかった。そして、その後、続かなかった。そして、あろうことか、弾けなくなった。忘れたのである。そんなものかなと思っていた。 ところが、昨年秋、62歳、またピアノを始めた。SimplyPianoである。今度は楽譜の訓練がけっこうある。順にやっていて

                                    • [アニメ] 魔法使いの嫁: 極東ブログ

                                      アニメ版の『魔法使いの嫁』を見た。面白いか面白くないかで言うなら面白い、感動したかというと感動もしたのだが、なにより独特の情感のある作品だった。誰もが面白い、感動するという作品でもないだろう。が、この作品はある人の命を救うかもしれないとは思った。ある人、それは、10代の女の子と言ってもいいだろう。あるいは、男の子も。 あえてひどい言い方をすれば、メンヘラ女子がメンヘラ男子との付き合いを通して、共依存的なメンヘラ理解を広げてなんとか生きていく、ということを、英国とそのオカルティズム風味で描いている。いや、その風味のほうがこの作品の本質なのだという楽しみ方もあるだろう。 話はこんな感じ。15歳の日本人少女チセ(羽鳥智世)は自暴自棄にかられ、自身を闇の世界のオークションに売り出す。すると、そこで、バッファローの頭のような骨を頭部とする怪物、魔法使いエリアス・エインズワースに500万ポンドで買い取

                                      • 8月に入ったCOVID-19についてのいくつかの数値的風景: 極東ブログ

                                        東京でCOVID-19の感染者が増えているということなのだが、そう言えば、西浦博教授のモデルを示している東洋経済のサイトに実効再生産数の推移が掲載されていたなと思い出して、見た。 0.99だった。東洋経済が西浦博教授のモデルを使って計算しているので、公的機関の発表ではないが、1を割っているのかというのはけっこう感慨深かった。これが今後上昇していくのか、注視したい。 世界全体の傾向について、Our Word in Dataで死亡率について見ると、欧州におけるスウェーデンの健闘が伺えた。また、意外な印象も受けたが、米国とブラジルと日本で、7月以降はあまり差がない。 死者の分布だが依然、高齢者に偏っている。東京都による6月までの死者についても興味深かった(参照)。 それによりますと、ことし6月までの陽性患者6225人のうち、亡くなったことが確認されたのは325人で、死亡率は5.2%でした。 亡く

                                        • このご時世、NHK Plus、いいんじゃないの: 極東ブログ

                                          新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止のため、みんな家に引きこもってなさいということになったが、さて、家で何する? ゲーム? それはけっこうありそうだ。先日のブログ記事でも書いたが、世界の人々の健康のために政府機関に指針を出す世界保健機関(WHO)も推奨している。WHOは以前の推奨の方向性とは別に、米国などのゲーム関連事業者と連携して#PlayApartTogether(みんなおうちでヴィデオ・ゲームしましょう)イニシアティブを示している。 おかげさまなのか、私がほぼ中毒といっていいTwoDotsでも無料で時間制限なしプレイができるようになってきている。で、ちょっと困った。私がTwoDotsが好きな理由は、非課金だとライフ5つ(5回失敗するとゲームができなくなる)で終了になることだ。この手のものは、『僕らはそれに抵抗できない』(この本、書評まだだがお勧めですよ)ではないけど

                                          • [書評] 古代スラヴ語の世界史(服部文昭): 極東ブログ

                                            『古代スラヴ語の世界史』は、なんだろうか、一言でいえば、「興味深い」書籍だったということになるのだろうが、そこで少し口籠るものがある。この本を読むのは誰なんだろう?というような関心もわく。 ググってみた。朝日新聞に書評が載っていた(参照)。書評したのは出口治明さん。ああ、この本について、世界史の側面でこれ以上の書評が書ける人はいないだろう、と思うし、まさに、世界史的な側面においてはそうだった。ただそれでも、なんだろうか、ある種、微妙な感じもした。もちろん批判という意味ではない。 「初めに言があった」。ヨハネによる福音書の書き出しだ。言葉は文化でもある。本書は古代スラヴ語から読み解く東ヨーロッパの歴史である。私たちにはなじみの薄いスラヴ人の世界がよくわかる好著だ。 古代スラヴ語とは9世紀後半から11世紀末にかけて当時のスラヴ人が文章語として聖書の翻訳や宗教的活動に用いた言葉だったという。現在

                                            • https://twitter.com/finalvent/status/1597515170787778560

                                                https://twitter.com/finalvent/status/1597515170787778560
                                              • 『ゲーム・オブ・スローンズ』を見終えた: 極東ブログ

                                                15日に、huluで『ゲーム・オブ・スローンズ』の最終章が公開になっていた。スターチャネルではもう放映も終わり、他メディアにもあるとは思うが、いずれhuluででやるだろうし、Amazon Primeでもやるだろうと思って、あまりペイチャネルを増やしたくもないこともあり、待っていた。2日で見終えた。 ネタバレ情報は意図的に無視していたので、新鮮な気持ちで見られた。とはいえ、エンディングに納得しないという噂は耳にしていた。 で、どうだったか。 よかったんじゃないだろうか。納得できるエンディングだったと思う。 以下、ネタバレはなしだが、最終章の山場は、当然、ホワイト・ウォーカーとサーセイになり、これもまた当然のこと、大戦闘シーンになる。映像的には、2つの大戦闘をどう描くかにかかっている。 で、この2つだが、一つは原作タイトルの『氷と炎の歌』だし、もう一つはまさに『ゲーム・オブ・スローンズ』である

                                                • [アニメ] 未来日記: 極東ブログ

                                                  アニメ『未来日記』を見た。見たきっかけは偶然で、しかも、当初、ギャグものだと思っていた。面白いアニメかというと、面白いと思う。が、残酷描写と微エロなどがキツめ入っていて(微エロがきついというのも変だが)、あまり一般的にお勧めできない。 物語は、世界系というのだろうか、まどマギやシュタゲ的な世界に、DEATH NOTE的なテイストというか、そのあたりの設定と仕掛け自体が、「あー、古いなあ」とまず感じた。絵的にも古いように思えたし(はたらく魔王さまと絵が似ているので調べたら納得した)、ガラケーが小道具というのも、古いが仕方ないだろう。『俺の青春ラブコメは間違っている』も最初はこんな時代の絵柄でガラケーだった。かぐや様もガラケーなのは、あれは意図的のようだ。まあ、しかし、そうしたことは、基本どうでもいい。 この作品の面白さは、まあ、率直に言えば、ストーカー女・メンヘラ女の魅力を余すところなく表現

                                                  • 映画『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』: 極東ブログ

                                                    映画『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』を見た。まあ、よかった。感動もした。ただ、これ、映画なんだけど、映画っぽくないなとは思った。映画としての映像美のような独自性はない。TVアニメと同じ印象。 それが悪いわけでもない。映画『orange -未来-』のように、ファン向け映画として考えれば、それはそれでいい、というか、こういうの、つまり、放映アニメの延長的映画作品だが、増えてきたなあと思う。『冴えカノ』もこうした感じの映画で終わりになるだろう。『リゼロ』と『このスバ』は多少、延長路線とは違うだろうか。 アニメ業界的には、円盤ビジネスが終わったということだろうし、優れたラノベや優れたコミックが次々と出て来るので、後ろから押されているのはあるだろう。『ニセコイ』とかももう押し出された形だろう。これはこれでコミックのエンディングはいいと僕は思っているので、アニメでも見たいのだが。 そういえば

                                                    • 『安倍首相、辞任へ: 極東ブログ』へのコメント

                                                      ブックマークしました ここにツイート内容が記載されます https://b.hatena.ne.jp/URLはspanで囲んでください Twitterで共有

                                                        『安倍首相、辞任へ: 極東ブログ』へのコメント
                                                      • 羽生結弦選手に出会って人生が変りたいか: 極東ブログ

                                                        信じる者は救われる。昭和の言葉と言っていいだろうか。近年とんと聞かない。が、NHK『ねほりんぱほりん』のアンコール番組、「羽生結弦選手に出会って人生が変わった人」を見ていて、その言葉を思い出した。 羽生結弦選手のファンになって人生が激変したという女性3人のインタビューである。灰色だった世界がピンク色になったという。暗くつらかった人生が、ぱーっと明るく開けたのだろう。 新約聖書に描かれるイエス・キリストの逸話も羽生結弦選手に出会った人たちのようなものだったのだろうか。番組では「救世主」という言葉も出てきたように思う。 山ちゃんさんという司会者は「自分のすべてを捧げられる愛すべきものが見つかった人間って1番勝ちよね。本当そう思う」と言っていた。はあ。 僕にはないなあ。たぶん、一生そういう出会いはないだろう。とはいえ、そう予感するような出会いがなかったわけではないから、なんだろ、不燃焼というか、

                                                        • BBC版『ABC殺人事件』: 極東ブログ

                                                          NHKで放映されたBBC版『ABC殺人事件』というか、これはジョン・マルコヴィッチ版『ABC殺人事件』とでも言うべきなのか、彼が演じるポワロがあまりも決定的だった。面白いという言葉でも、アガサ・クリスティの原作がどういう文脈でも言い表しにくい、微妙で陰鬱なドラマだった。映像は、CGを多用しているとは思うが、映画的というより、テレビ的印象を受けた。 なんと言っていいのか、まず、思いつくのは、こんなのポワロじゃないというのがあるとは思う。まず、ここで相当に違和感がある。が、それは、同様にまず最初に織り込まれている。ポワロが老いてポンコツになっていること、それが、この作品の一つのテーマであり、ポンコツで黄昏ていくことを許さないという歴史の重みが表現されている。つまるところ、この作品は、アガサ・クリスティの『ABC殺人事件』とは不気味に違う作品である。 とはいえ、原作から大きく逸脱しているわけでも

                                                          • Echo Show 5を買った: 極東ブログ

                                                            Echo Show 5を買った。つまり、これだ。 買ったのは、単なる興味からだ。Echo Dotも買う気でいたが、Google Homeで十分に思えた。Echo Spoも買う気でいたが、逸した。まあ、今回はと。 で、どうか? 要するに、時計である。 これにラジオの機能が付いている(radikoである)。 まあ、基本はそれだけで、音楽も鳴る。CDプレーヤーの代わり、昭和人的には。 当然、天気予報やニュースも見られる。 それなりにいろいろ答えてくれる。ちなみに、G20のニュースを見ていて、安倍首相がけっこう背が高いので、その身長を聞いたら、178cmと言っていた。(ちなみに、Googleさんに聞いたら、175cm)。 「F35の写真を見せて」と言ったら、Bingから写真を出してきた。 これは便利かというと、まあ、普通に便利。 使い方はいろいろあるだろう。最新ニュースを常に表示させたり、個人通知

                                                            • [アニメ] 『イエスタデイをうたって』の最終回: 極東ブログ

                                                              『イエスタデイをうたって』のアニメが、1期の12話で最終回を迎えた。つまり、2期はなかった。すでに前半から、これは1期ものなんだろうという予感はあったし、話が進むにつれそれ以外ではありえないこともわかっていたので、最終回がこうなるだろうという予感はあった。どういうことかというと、Simplified Version ということだ。簡易版というのだろうか。ただ、長編があったものを短くまとめたという途切れ感や抜け感はなく、最初からこれでCompleteであるように脚本ができているのもわかった。で、その最終回はどうだったか。悪くなかった。こうなるのだろうという、予想されたもにょん感は残った。 今回のアニメ化については、作者・冬目景の意向がだいぶ反映されていると見てよさそうなので、このSimplificationも作者の意に反するものではないだろう。実際、原作における、雨宮や莉緒は主題的には捨象で

                                                              • 『香港大規模デモについて: 極東ブログ』へのコメント

                                                                ブックマークしました ここにツイート内容が記載されます https://b.hatena.ne.jp/URLはspanで囲んでください Twitterで共有

                                                                  『香港大規模デモについて: 極東ブログ』へのコメント
                                                                • 自動翻訳と指示語の順序: 極東ブログ

                                                                  今朝がた、岩田健太郎先生の以下のTweetを見かけた。 条件をちゃんと読むべし CDC recommends wearing cloth face coverings in public settings where other social distancing measures are difficult to maintain (e.g., grocery stores and pharmacies), especially in areas of significant community-based transmission. https://t.co/Wn3xNpkaTW — 岩田健太郎 Kentaro Iwata (@georgebest1969) April 18, 2020 条件をちゃんと読むべし CDC recommends wearing cloth face cov

                                                                  • 新潮社の雑誌『波』2020年8月号に中島真志著『アフター・ビットコイン2』の書評を書きました: 極東ブログ

                                                                    連絡が遅れてしまいましたが、新潮社の雑誌『波』2020年8月号に掲載した、中島真志著『アフター・ビットコイン2』の書評がネット公開になっていました。『奇っ怪なマネーの世界』(参照)です。 同書については、先日ブログにも書評的なものを書きましたが、『波』のほうは、一般向けに書いた比較的短い文章なので、よろしかったらお読みください。というか、該当の『アフター・ビットコイン2』はお勧めです。 *  *  * 現時点での余談のような話を以下に追記的に書きたい。 本書『アフター・ビットコイン2』は、副題の《仮想通貨vs.中央銀行 「デジタル通貨」の次なる覇者》にも示されているように、各種の仮想通貨と各国政府の中銀行デジタル通貨の争いということで、民間と国家に大別される各種のデジタル通貨の便覧的なまとめとして読むことができる。 が、本書は、そうした各種のバラエティをフラットにカタログ的に記述するのでは

                                                                    • シェークスピアを学ぶ楽しみ: 極東ブログ

                                                                      昨年から、NHKラジオの『高校生からはじめる「現代英語」』というので英語を学んでいる。高校生の娘と英語を学ぶのに、なにかいい教材はないかと探してこれがいいんじゃないかと思ったのだった。そう思ったのは、まず、英語がよいこと。表題に「現代英語」を冠しているように、現代の英語が使われている。いわゆる教科書英語とか受験英語とか、あるいはなんだろうか、日本のビジネス英語のような、奇妙な不自然さはない。次に、米語発音で一貫していること。読み手の男女が惚れ惚れするような、GA(General American)の発音なので安心できる。英語学習の音声教材は、発音にバラエティを持たせたいのか、どこの英語なのかよくわからないことがある。そしてなによりのメリットは一緒に学んでいる私も楽しい。話題もいいし、説明もいい。あまり英語の教材に書かれていない英語のポイントなどもよく取り上げている。 で、この講座なのだが、

                                                                      • イタリア製の地球儀を買った: 極東ブログ

                                                                        地球儀を買った。イタリア製だった。 買った理由は、娘が、欲しがったこともあるが、まあ、一家に1台、地球儀はあるべきだと思っていたのだった。 発端は、娘からの問いかけである。「うちに地球儀ないの?」と。 「ああ、今はないかも」 「というと、かつてはあった?」 「あった。兄ちゃんたち用にいくつか買った」 「でも、今はない」 「今はないかも」 「買ってくれる?」 「いいよ。行政図と地勢図とどっち?」 「それなに?」 「これとこれ」と画像を見せる。 行政図というのは、国がわかるように色分けした地球儀だ。地勢図は、大地の様子がわかるようにした地球儀だ。宇宙から見た地球みたいな感じ。 「地勢図のほう」 「そうかあ」と私は少しがっかりする。 「?」と娘。 「いや、行政図の地球儀って、色分けにピンクとか使っていて、美しくないんだよなと思って」 「でも、国がよくわかるほうがいい」 というわけで、探していて、

                                                                        • [書評] 沢村貞子の献立日記: 極東ブログ

                                                                          たまたまEテレの5分間のミニ番組『365日の献立日記』を見た。沢村貞子の『献立日記』をフードスタイリストの飯島奈美さんが手際よく再現するのだが、これがめっちゃうまそう。ナレーションは僕が嫌いな女優・鈴木保奈美さんと、憎まれ口を叩くが、いやいや上手。彼女の声のハリは沢村貞子を思い出させる。 こうして料理を通して、沢村貞子さんを思い出すと、本当に素敵な女性だったなあと思う。なんだろう、ああいう、気品ある、江戸を感じさせる、凛とした色気というか、そういう女優さんって、今でもいるんだろうか。知らない。 というわけで、沢村貞子の『わたしの献立日記』を読み返すが、エッセイとしていいのだが、肝心の料理がうまく思い浮かばない。 とか思っていたら、とんぼの本に『沢村貞子の献立日記』があり、アマゾンで見たらプレミア価格なんで、そうか?と思って、ジュンク堂行ったら、普通に売ってた。昨年の8刷なので、書店から消え

                                                                          • [書評] 大宅壮一の「戦後」(阪本博志): 極東ブログ

                                                                            三島由紀夫が一風変わった自殺したのは、1970年11月25日のことだった。自著にも書いたが私はその日のことをよく覚えている。中学一年生なのだからということもあるし、『潮騒』はすでに小学校6年生のときに既読で、彼のことをすでに知っていたせいもあるだろう。そして中1のときの若い国語教師は三島のファンでもあった。 その日の3日前、大宅壮一が死んでいる。その前月、テレビ対談収録後、息苦しさから入院し、心不全で亡くなった。70歳である。つまり、1900年の生まれだった。葬儀は28日、青山葬儀所で「マスコミ合同葬」であった。67年に「大宅壮一東京マスコミ塾」を開き、8期で480名の塾生を送り出していた。つまり、彼こそが戦後から60年代までのマスコミそのものだった。 三島の死から、大宅の死から、今年で半世紀になる。50年。どうなったか。 鶴見俊輔はこう言っていた(本書孫引き)。 五十年たってからの学者た

                                                                            • CEFRには英語の位置付けが暗黙に隠されているのではないか: 極東ブログ

                                                                              ひらめきというのとも違うのだろうが、特に脈絡もなく、「あれ?」と気がつくことがある。最近のその一つが、CEFRには英語の位置付けが暗黙に隠されているのではないか、ということだった。当たり前のことなのかもしれないが、少し書いてみたい気がする。 CEFRとは、Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessmentのことで、「外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ言語共通参照枠」という定訳語がある。 ちなみに、フランス語だと、Cadre européen commun de référence pour les langues なので、CECRLになる。どういう発音になるか動画をあたってみると、まあ、それっぽい発音というか、Cecrel のようだが、ネットを見ていると、"Comm

                                                                              • 一週間でイタリア語が習得できるか?: 極東ブログ

                                                                                一週間でイタリア語が習得できるか? 議論をすればいろいろあるんだろうが、それを実際にやっている人をたまたまYouTubeで見かけた。Nathaniel Drewという人。同名の人も多いようだが、彼は自分のWebサイトも持っている。About meという項目があるので、自己紹介があるかと思ったが、人生のビジョンのようなものを語っているだけでよくわからない。メキシコに住んでいるアメリカ人YouTuberなのだろうか。 話は、"I Learned Italian in 7 Days”というものだ。自習だけで実現すると言っている。たいしてお金もかけない。しかし、一日、数時間は集中的に学習するとのこと。 これまでイタリア語の素地のようなものはほとんどないと言っているが、最初の時点で、挨拶や自己紹介くらいはできそう。 さて、1週間で、イタリア語習得ができるんだろうか、ということで、見ていくと、パート1

                                                                                • 法と道徳の境界:リクライニングと横断歩道: 極東ブログ

                                                                                  このところ、ぼんやりしていると、いつの間にか、法と道徳の境界について考えている自分がいる。難しい話ではない。具体的な2つの事例で書いてみたい。 1 飛行機や長距離列車の座席の背もたれを自由に倒してよいか? 飛行機や長距離列車の座席の背もたれ(リクライニング)を、後ろの人に配慮せずに自由に倒してよいものだろうか? 常識的に考えれば、後ろを確認して、人がいたら「席、倒していいですか?」と声をかけるというものだろう。それで大抵は問題とはならない。だから、深刻化しないとも言えるかもしれないが。 それで、もし、後ろの人が、「やめてください」と答えたら、どうなるだろうか? 常識的には、しかたないなと、背もたれを倒すのを諦めるものだろう。ただ、その時でも、変な人の前の席になっちゃったなあ、アンラッキーくらいには思うだろう。 逆に自分がその後ろの席だった場合はどうか。常識的には、「どうぞ」と答えるだろう。