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  • 「ポストコロナ」の感覚: 極東ブログ

    「ポストコロナ」という考え方は、現代思想などの一群の人々にお任せすればいいことで、医学的にはあまり意味がないだろうと私は考えていたし、ある意味、今でもそう考えているのだが、それでも、昨今、ああ、これが「ポストコロナ」の感覚なのかと思うことがあった。 きっかけは、ツイッターであるつぶやきを見たときのことだ。誰のつぶやきかはどうでもいいだろう。また、正確な引用ではないのだが、要は、「日本がきちんとロックダウンを継続して新型コロナを徹底的に封じておけば、現在のような第二波はなかっただろう」といった内容である。その含みに、さらなる緊急体制への希求があるのか、絶望感の表明があるのかはわからなかった。 だがそれを見かけたとき、あれ?と私は思ったのだった。私はまったくそのように考えたことはなかったからだ。では、どう考えていたかというと、世界保健機関(WHO)の緊急対応責任者マイク・ライアン氏が5月13日

    • 「ブログランキング」の亡霊と『極東ブログ』の帰還 - いつか電池がきれるまで

      ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ blog.hatenablog.com www.sucharaka-zaren.com 『はてなブログ』にカテゴリー別のランキング機能が! というのをみて、僕は驚いてしまいました。 いま、2023年だよね? 『はてなブログ』だよね? まさか、『エンピツ』(という日記レンタルサイトがあったのです。というか、今もあります)の「投票数ランキング」が現代によみがえってくるなんて…… www.enpitu.ne.jp 僕もずっと、こんな日記を書いていました。 www.enpitu.ne.jp この日記のもっとも新しい日付が2013年ですから、もう10年前になるんですね。 さまざまな日記レンタルサービスやブログのプラットフォームが終了しているなかで、まだずっとデータを残してくれている『エンピツ』は、本当に良心的ですね。「有料で永久レンタル」というのを作

        「ブログランキング」の亡霊と『極東ブログ』の帰還 - いつか電池がきれるまで
      • [書評] 英語独習法(今井むつみ): 極東ブログ

        正直なところ、この手の本は読まないことにしている。英語と限らず外国語、しかも日本語からかけ離れた異言語を簡易に習得する方法はないし、死んだ言語でもなければ独習というのもほぼ不可能だからだ。とはいえ、本書『英語独習法』(今井むつみ)は、表題の含意とは異なり、むしろ、そのような私の持論のような内容だと聞き、それではと、読んでみた。ベストセラーともなっているらしく、しばらく在庫切れだった。ふとアマゾンを見たら在庫があるのでポチった。 読んでみて、予想通りだった。論旨としてはほとんど異論がなく、僭越ながら、自分が書いた本のような錯覚すらした。その意味では、悪意で言うのではないが、やや退屈な本でもあった。書店で見たら買っただろうかと問い直して、まあ、買っただろうとは思った。コーパス関連の部分は購入してじっくり読んでみたい印象があった。が、実際にその部分を精読してみると内容は薄い感じはした。というか、

        • 「国家の重⼤局⾯」で複数の声はどのように可能なのだろうか?: 極東ブログ

          昨日、厚⽣労働省のクラスター対策班の北海道⼤学‧⻄浦博教授は、⼈との接触を以前の八割まで減らさないと、COVID-19の流⾏終息までに、⼈⼯呼吸器などが必要となる重篤患者は約85万⼈となり、また、その49%にあたる約42万⼈が死亡する、という推計を発表した。⻄浦教授は「今は国家の重⼤局⾯にさしかかっている。今のままではまずい」とも述べていた(参照)。 驚くべき惨事の予測であり、しかも、感染症の専門家の予測なので、科学的に正しいものだろうと、まず思うが、驚きという印象に詳細が知りたいという思いも伴う。 どのような推計かという点については、新型コロナクラスター対策専門家のTweetにある(参照)。 説明を聞いていて、素朴な疑問が3点浮かんだ。 ①R0=2.5の設定根拠は欧米での感染爆発からの推定値なのだが、なぜ日本の値を推定値に取らないのだろうか? おそらく、日本の推定値がわからないからだろう

          • 人を呪縛する内的な為替ともいうべきものについて: 極東ブログ

            話のネタとしてよく知られていることだが、都道府県で世帯あたりの預貯金の現在高(定期性預貯金)がもっとも多いのは、香川県である。香川県民は、貯金しまくっているらしい、とネタは続く。統計局で詳細を見ると、定期性預貯金の割合では秋田県がもっとも高いので、やたら貯金するのは、秋田県民と言えるかもしれない。が、貯蓄年収比で見ると、香川県がトップに出てくる。統計年の差や統計の見方の差はあるだろうが、概ね香川県民には貯金する傾向があるとは言えそうだ。なぜなのか? 香川県にはなにか秘密があるのだろうか? 他に、香川県の奇妙な特徴といえば、糖尿病が多いことだ。糖尿病死亡率が2018年にワースト3位。香川県の糖尿病は安定的に上位をキープしている。なぜなのか? うどん、だろうか? うどんの消費がもっとも多いのが香川県だと言われている。「言われている」というのは、「うどん・そば」の消費は統計値があるが、うどん単独

            • 「中华人民共和国香港特别行政区维护国家安全法」雑感: 極東ブログ

              「中华人民共和国香港特别行政区维护国家安全法」(参照)通称、「香港国家安全維持法」または「香港国安法」が6月30日の中国全人代常務委員会で可決され、全文公開期間の間もなく、しかも中国語(普通話)のみで同日午後11時から施行された。このどさくさ感。英文も仏文もないという国際世界無視。これだけでも、すぐに「これはやっべーやつだ」という印象を免れない。西側諸国としても、香港の一国二制度は死んだ、という報道が続いた。 しかし、たぶん、こういう意味だろう程度のラフな感じではあるが、憶見なく冒頭を読んでみよう。 第一章  总    则 第一条  为坚定不移并全面准确贯彻“一国两制”、“港人治港”、高度自治的方针,维护国家安全,防范、制止和惩治与香港特别行政区有关的分裂国家、颠覆国家政权、组织实施恐怖活动和勾结外国或者境外势力危害国家安全等犯罪,保持香港特别行政区的繁荣和稳定,保障香港特别行政区居民的合

              • 「COVID-19」をどう読むか?: 極東ブログ

                「COVID-19」をどう読むか? 読み方がわからない。 そもそも、「新型コロナウイルス」という名称は、「新しい型のコロナウイルス」という、どちらかというと一般名称であって、固有のコロナウイルスの名称ではない。 2003年に大きな問題になったSARS(サーズ;重症急性呼吸器症候群;Severe Acute Respiratory Syndrome)もコロナウイルスによるものである。病原体はSARSコロナウイルス。当初、SARSは日本では、新型肺炎や非定型肺炎と呼ばれていた。 その10年後に話題のMERS(マーズ;中東呼吸器症候群;Middle East Respiratory Syndrome)も病原体はコロナウイルスである。記憶にあたってみるが、これ、報道上「新型肺炎」と呼ばれていたか定かではない。韓国ではアウトブレイクしたが、日本ではどうだっただろう。いずれ身近なニュースでもなく、報道

                • 「〜するとき」と訳さない when について: 極東ブログ

                  英語の接続詞 when は、中学一年生で学ぶごく基本的な事項で、訳すときは、通常、「〜するとき」とするものだが、そう訳すとちょっとどうかなという例がある。例えば。 I was about to leave when they started to argue again. どう訳すだろうか? 「〜するとき」で訳すとこうなる。 彼らが再び議論を始めたとき、私は立ち去ろうとしていた。 この訳文は、微妙に変な感じがしないだろうか? こう訳すと自然になる。 私が立ち去ろうとしていたとき、彼らは再び議論を始めた。 これはどういうことなんだろうか。実は、この例文は、「〜したらそのとき〜」と訳していい。 私が立ち去ろうとしていたらそのとき、彼らは再び議論を始めた。 次の例文はどうだろう? I had not gone far when the moon disappeared behind the cl

                  • 子供と学んだ教材、3点ほど紹介: 極東ブログ

                    文具メーカーのコクヨが、「しゅくだいやる気ペン」というおもしろグッズを販売したことがネットで話題になっていた。この新製品を普通の鉛筆に取り付けて文字を書くと、その書いて勉強していた間の時間が計測され、可視化されるので、その達成感が子供の勉強の励みになるというものだ。仕組みは、鉛筆を動かしている時間を内蔵加速度センサーで計測してスマホに記録させることだ。現代の万歩計ともいえる活動量計と似た仕組みである。 当然ながら、考えている時間や読書している時間は計測されない。なので、これは一種、子供が「肉体労働」している状態を親が監視する装置だなとは思った。というあたりで、宣伝の動画を見たら、勉強しない・したくないという子供がこの装置で勉強するようになるというものだった。 動画を見ながらが、そういえば、私は子供が4人いるが、小学生くらいのころ、いや中学生になってからも、子供に勉強しなさいと言ったことがな

                    • [書評] わたしの外国語学習法(ロンブ・カトー): 極東ブログ

                      ハンガリア人のポリグロットであるロンブ・カトー著『わたしの外国語学習法』は、多言語学習を試みる人の一種のバイブルとも言える書籍で、日本では1981年に米原万里の翻訳で創樹社から出版されたものだが、その後ちくま学芸文庫に入っている。先日、別件で語学の本を探していたら、同じ書棚にあり、読み返してみた。 率直に言うと、これから多言語習得を試みようとする現代人にとってすぐに適用できる秘訣のようなものは、ないわけではない、というか意外に面白い小ネタもあるが、概ね多言語学習の一般論に終始しているとも言えるので、「どうやったら外国が効率よく習得できるか」といった期待から読み始めても、やや迂遠な書物にも見えるかもしれない。他方、すでに3か国語以上の言語に取り組んでいる人にしてみると、著者が言いたいことはあれか、と心に響くものがあるだろう。多言語を学ぶ人だけにわかる独自の感覚が上手に表現されている。 もちろ

                      • [書評] 精神の考古学(中沢新一): 極東ブログ

                        中沢新一の近著『精神の考古学』を読むことを勧められたとき、その刹那、「ああ、あれか」という不思議な思いが去来した。ほんの瞬時の直感であるが、二つのことがそこにあった。一つは、これは1983年の『チベットのモーツアルト』の続編であろうということ(すべての面でそうだという意味ではないが)、もう一つは、吉本隆明の思想を継いだ著作であろうということ。 そして、書物を手に取り、まえがきに目を向けたときに、私は、すべてがそうであったとでもいう奇妙な祝福のような感じがした。確かにそのとおりだと、瞬時に確信した。さて、私はそれをどのように語ったらよいのだろうか。 本書は、読まれるべき書物である、ということは明らかなのに、どのように読まれるべきか、次の言葉が浮かばない。しいていうなら、なんの偏見もなく、なんの憶測もなく、普通に、あたかも河口慧海の『西蔵旅行記』を読むように読むといいだろう、と言ってみたい。そ

                        • FaceAppで自分の顔を女性化してみた: 極東ブログ

                          Twitterで、FaceAppというアプリが話題になっていた。特定の人間の顔をもとに、若返らせたり、異性化したりできるのである。みなさん、使ってみた結果をTwitterに挙げているので、さて、これ、自分でやったら何ができるのだろうか? それはごく単純な疑問から始まった。 素材は62歳の禿げたキモ爺さんである「俺」である。そのまま女性化すると、62歳の皺びたキモ婆さんになるのはあまりに予想可能なのでさして見るまでもないなと思い、試す気力もない。 さて、自分の顔を若くしてみると自分の若い頃になるのだろうか。やってみると、微妙にそうでもない。というか、若い頃の自分を今風にするとこうなるのかもしれないなあという、生意気そうな若者になった。まあ、そんなものかという代物。 さて、ここから女性化である。 適当に若くした男の顔から女の顔を作ってみた。こうなった。 誰? という思いと、誰じゃねえよ、こうい

                          • [書評] カール・シュミット ナチスと例外状況の政治学(蔭山宏): 極東ブログ

                            なぜ、カール・シュミットなのか? この問いは、自明な人にとっては自明すぎるが、他方、まったく問い自体が成立しない人もいる。 むしろ、この状況(カール・シュミットの意義が問われない)がなぜ、あるのか? 逆に言えば、なぜ、現在の日本でカール・シュミットが問われなくてはならないのか、という問題意識がそれほど生じていないかに見えるのか。もちろん、カール・シュミットの思想にアクチュアリティがないというのなら、それでいいだろう。ビザンチン帝国についての諸研究にアクチュアリティがないというのは、普通に納得できる。 つまり、カール・シュミットがアクチュアルな問題であるという前提が、現在の日本の知的状況ではほとんど成立していない。 そうした状況では、知は2つの路を取るしかない。①思想をコンテクスト化してアクチュアリティを問うこと、②いずれアクチュアリティが問われるときのために基礎を用意しておくこと。 本書は

                            • [書評] はたらく魔王さま(全26巻): 極東ブログ

                              ようするに、『はたらく魔王さま』全26巻を読み終えた。25巻分は読み終えていていたが、最終巻がこの8月7日に出ていることを知らなかった。なにかとしつこく本をお勧めしてくるアマゾンだが、急いで読みたいラノベの次巻の情報などはないものだな。 今、「最終巻」と書いたが、21巻で終わるとは知らなかった。あと、少なくとも2巻はあるだろうと思っていた。が、20巻が出たのが、2019年1月。1年半ぶりくらい。その前の19巻が2018年10月。実は、打ち切りもあるかなとはなんとなう思っていたので、とりあえず、終わりまで書き上がったことを喜びたい。 最終巻だが、率直に言って、打ち切り感は拭えない。ただ、放り出した感はなかった。最後の決戦とエピローグが交互に書かれるという構成は、壮大な物語が終わることを考慮していのことだろう。おそらく本来は、メインストーリーとエピローグ巻で分かれるはずだったのではないか。 物

                              • 『安倍首相、辞任へ: 極東ブログ』へのコメント

                                ブックマークしました ここにツイート内容が記載されます https://b.hatena.ne.jp/URLはspanで囲んでください Twitterで共有

                                  『安倍首相、辞任へ: 極東ブログ』へのコメント
                                • 新潮社の雑誌『波』2020年8月号に中島真志著『アフター・ビットコイン2』の書評を書きました: 極東ブログ

                                  連絡が遅れてしまいましたが、新潮社の雑誌『波』2020年8月号に掲載した、中島真志著『アフター・ビットコイン2』の書評がネット公開になっていました。『奇っ怪なマネーの世界』(参照)です。 同書については、先日ブログにも書評的なものを書きましたが、『波』のほうは、一般向けに書いた比較的短い文章なので、よろしかったらお読みください。というか、該当の『アフター・ビットコイン2』はお勧めです。 *  *  * 現時点での余談のような話を以下に追記的に書きたい。 本書『アフター・ビットコイン2』は、副題の《仮想通貨vs.中央銀行 「デジタル通貨」の次なる覇者》にも示されているように、各種の仮想通貨と各国政府の中銀行デジタル通貨の争いということで、民間と国家に大別される各種のデジタル通貨の便覧的なまとめとして読むことができる。 が、本書は、そうした各種のバラエティをフラットにカタログ的に記述するのでは

                                  • アジア経済研究所図書館に行ってきた: 極東ブログ

                                    アジア経済研究所図書館に行ってきた。海浜幕張駅から歩いて10分ほどのところである。アジア、アフリカ、東欧など、開発途上地域の経済、政治、社会を中心とした学術的文献、基礎資料、新聞・雑誌を所蔵する専門図書館なので、いわゆる一般的な図書館ではない。現地語の文献も多いが(中国や韓国など)、英文献も多い。 高度に専門的な図書館なのだが、一般開放している。入館手続きをすれば入館できる。余談だが、外国語大学の図書館も一般開放していて、入館手続きをすれば入館できる。 カフェテリアも併設されていて、昼時はランチもある。コーヒーは100円で、喫茶は朝の10時くらいからやっている(平日のみ)。 書籍・資料の大半は開架なので、気になる分野の書籍をざっと見たあと、館内でくつろいだがのだが、美しい図書館だった。大きな吹き抜けがあり、それだけで現代アートの空間のようでもあり、沈黙と書籍の美しさに小一時間ほど見とれてし

                                    • 「ねえ、Siri, Alexa, Google 私はパニクるべき?」: 極東ブログ

                                      ニューズウィークの日本版の多分次号に載るんじゃないかとは思うが、4月21日付のハンナ・オズボーンの記事、”WHY THE COVID-19 DEATH FORECASTS ARE WRONG(なぜCOVID-19の死亡予測は間違っているか)”という記事が興味深かった(参照)。ちょっとブログにメモしておきたい。参考までに試訳を付けたが誤訳しているかもしれないので、ご参考までに。 記事はCOVID-19について現状は不確かな情報しか得られないという側面や今後の政策的な対応などに言及してバランスのいい展開ではあるが、日本でも一部話題になっているが、ノーベル賞受賞の生物物理学者マイケル・レビットの、米国でも一部注目されている見解にも触れている。 Nobel laureate Michael Levitt, a professor of structural biology at Stanford

                                      • https://twitter.com/finalvent/status/1531796620836483072

                                          https://twitter.com/finalvent/status/1531796620836483072
                                        • トンチンについて: 極東ブログ

                                          「トンチン年金」というのがある。なにか? 大辞泉はこう説明している。 1 出資者が死亡すると、その年金を受け取る権利が生存している出資者に移される終身年金制度。長生きするほど多くの年金を受け取れる。17~18世紀にヨーロッパで行われた。名称は、17世紀にこの手法をフランスのルイ14世に提案したイタリアの銀行家ロレンツォ・トンティ(Lorenzo de Tonti)に由来。 2 低解約返戻金型の個人終身年金保険のこと。解約時や死亡時の返戻金を低く設定することで、年金原資を増やし、長生きする加入者に支払う年金を確保する仕組み。生きている間ずっと年金を受け取れるが、一定の年齢を超えないと、受取総額が支払総額を大きく下回るリスクがある。 正確な説明なのだが、今ひとつよくわからないのではないだろうか。世間的には、2の意味で使われているというか、あるいは使われていない。どういうことかというと、保険商品