日本経済の低成長の背景にある家計需要の慢性的な低迷と生産性上昇の停滞は、正規・非正規という労働市場の分断に起因するところが大きいと、英エコノミスト誌の元編集長でジャーナリストのビル・エモット氏は指摘する。 英エコノミスト誌の元編集長でジャーナリストのビル・エモット氏は、日本の慢性的な家計需要の低迷と生産性上昇の停滞は正規・非正規という労働市場の分断に起因するところが大きいと指摘。写真は都内のビジネス街で2015年11月に撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino) 同氏の見解は以下の通り。 <労働力不足の今なら改革の痛みは小さい> 日本の経済発展と社会調和にとって、最大の障害は、労働市場の深刻な分断だ。日本の賃金労働者は約60%のインサイダー(正規雇用労働者)と約40%のアウトサイダー(非正規雇用労働者、多くはパートタイマー)に二極化している。 前者が、高いレベルの雇用保障と福利厚生