バイデン新政権はLGBTQのスタッフを多く迎え、保健福祉省次官補にはトランスジェンダーを公表するレイチェル・レヴィン博士を指名(承認されれば米連邦政府史上初のトランスの高官に)。政権発足直後にはトランプ前政権が禁止したトランスの米軍入隊を容認する大統領令を発令した。多様性やジェンダーの平等、人種や性差別是正のメッセージを強く打ち出す新政権における「インターセクショナルな視点」が社会でどう結実するか注視したい。 Photo: Getty Images ブラック・ライブズ・マター(以下BLM)運動やフェミニズムを語る上で、重要な概念として使われる言葉がある。「インターセクショナリティ」だ。性や多様性の問題を社会的公正の立場から研究する機関「アフリカン・アメリカン・ポリシー・フォーラム」の主任研究員ケビン・ミノフ氏はこう語る。「インターセクショナリティとは、人種や性別、性的指向、階級や国籍、障が