マスメディアの代表格である新聞の凋落が止まらない。新聞各社は本業のメディア事業で利益を出せず、不動産事業に頼らざるを得ない状況にある。新聞各社の最新の2021年3月期決算(日経新聞は20年12月期)を基に、新聞の現状と今後の可能性について検証する。 強烈な負のスパイラル (一社)日本ABC協会の調査によると、大手5紙(朝日、毎日、読売、日経、産経)とブロック紙、ローカル紙を含めた一般紙の2021年3月の発行部数(朝刊)は2,966万7,658部。前年同月比では233万7,386部の減少だ。1年間で全国紙である毎日新聞の発行部数を上回る数が消滅していることになる。新聞離れは今に始まったことではないが、コロナ禍でより顕著になった印象を受ける。 新聞の購読平均年齢は50代とも60代ともいわれるが、読者の高齢化が進むとともに部数が減少していることは間違いない。団塊の世代が後期高齢者を迎える時代とな