そんなこんなで、私は足早に駅へと向かいました。目指すお寺の閉門までの残り時間は一時間足らず。私みたいにせっかちでなければ、もっと時間の余裕がある日にするでしょう。 其ノ壱〜つきこ悪夢を見る〜 でも、私は「思い立ったら即行動」するつきこ。だって、恐ろしい悪夢を見た翌々日に、悪夢を吉夢に変えてくれるという、それこそ夢みたいな話を聞いて黙っていられるでしょうか。そんなこと私には無理な話。 其ノ弐〜つきこが即行動するわけ〜 私には、残り一時間もあります。きっと間に合うという根拠の無い自信もありました。だから、バスが時間通りに来なくても平気でした。バス停には私の他に5人ほど並んでいます。40代から70代、何れも女性です。 その日も、うだるような暑さでした。バスを待つ人全員から暑さによる疲労の色が濃く現れています。そこへ一人の男性が近付いてきました。 男性は此方をじっと見ています。そして大きな声で話し