日経ビジネス12月5日号では、特集「おのれ!間接部門」を掲載した。「間接部門が仕事の“邪魔”をする」。そんな不満を持つ直接部門の社員が増えているからだ。実情に合わないルールを導入する一方で、形骸化した古い仕組みは固守しようとする。特集内では、間接部門と直接部門の対立を取りあげ、解決策を模索した。なぜ間接部門は直接部門の仕事の“邪魔”をするのか。問題を掘り下げたところ、ある専門家が意外な理由を挙げた。「原因は、承認不足にあるのかもしれません」。組織論に詳しい同志社大学政策学部の太田肇教授に話を聞いた。 太田先生は組織論に詳しく、様々な企業の内情を知る機会も多いはずです。最近、直接部門と間接部門の対立が深まっているという話を聞きます。 太田教授(以下、太田):その問題は、講演に訪れた先など、いろいろなところで耳にします。ただ、もともとライン(直接部門)とスタッフ(間接部門)は、組織論の研究でも