そのときどきの話題やイベントにフォーカスし、論を交わす時事蹴論。今回はJ1昇格後、初のホーム開幕戦を迎えた松本山雅の本拠地"アルウィン"に乗り込んだサンフレッチェ広島の番記者・中野和也の述懐をお届けする。奇しくも広島は、14年前にこの競技場で"こけら落とし"を行ったチームである。そして、当時のチームにはまだ選手だった森保一がいた――。 ▼あの日、思ったことが現実に 2001年5月26日、僕は松本市にいた。 時は日韓 W杯の前年、コンフェデ杯の直前である。もちろん、日本代表への興味は尽きなかったが、僕のファーストチョイスはサンフレッチェ広島だ。この日、広島は松 本平広域公園総合球技場のこけら落としに招待され、福岡とのプレシーズンマッチに臨んでいたため、同行取材したというわけである。 学生時代にワンダーフォーゲル部に所属していた僕にとって、松本は初めての街ではなかった。毎年1度は必ず訪れ、この