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ブックマーク / chichi-ningenryoku.com (1)

  • 誰かのために・・・

    鎌田 實(諏訪中央病院名誉院長) (『致知』2012月7月号 より) 僕が看取った患者さんに、 スキルス胃がんに罹った女性の方がいました。 余命3か月と診断され、 彼女は諏訪中央病院の緩和ケア病棟にやってきました。 ある日、病室のベランダでお茶を飲みながら話していると、 彼女がこう言ったんです。 「先生、助からないのはもう分かっています。 だけど、少しだけ長生きをさせてください」 彼女はその時、42歳ですからね。 そりゃそうだろうなと思いながらも返事に困って、 黙ってお茶を飲んでいた。すると彼女が、 「子供がいる。子供の卒業式まで生きたい。 卒業式を母親として見てあげたい」 と言うんです。 9月のことでした。 彼女はあと3か月、12月くらいまでしか生きられない。 でも私は春まで生きて子供の卒業式を見てあげたい、と。 子供のためにという思いが何かを変えたんだと思います。 奇跡は起きました。

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