ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (5)

  • 日本の競輪、その特殊性と、だからこその魅力についてを英国人記者が語る──『KEIRIN: 車輪の上のサムライ・ワールド』 - 基本読書

    KEIRIN: 車輪の上のサムライ・ワールド 作者:ジャスティン・マッカリー早川書房Amazonこの『KEIRIN: 車輪の上のサムライ・ワールド』は、英国人記者が語る日の競輪論である。日でどのように競輪が生まれ、育ち、危機を乗り越え、そして日ならではの独特な魅力はどこにあるのか、それを一冊を通して語り尽くしていく。 なぜ英国人記者が日の競輪を語っているんだと疑問に思うかもしれないが、その理由は簡単で、著者のジャスティン・マッカリーは日研究で修士号を取得し、読売新聞で編集者や記者として活躍。その後ガーディアンに入社し日特派員として活動する、日在住歴が30年にも及び、同時に競輪の熱狂的ファンだからだ。 書の「はじめに」は2017年に平塚競輪場で行われた日競輪最高峰のレースKEIRINグランプリの描写からはじまるが、その熱量ある文章は競輪について何も知らない僕の「英国人記者が

    日本の競輪、その特殊性と、だからこその魅力についてを英国人記者が語る──『KEIRIN: 車輪の上のサムライ・ワールド』 - 基本読書
    SigProcRandWalk
    SigProcRandWalk 2023/07/27
    ロードレースの本場(欧州)出身の人が「競輪」を見たらどう思うのかな、というのには興味が沸いた。ラインを巡る駆け引きの話はチームで戦うロードレースにも似た話はあるので違和感は無さそう
  • 自然界に存在する準結晶を求めた、科学者の大冒険──『「第二の不可能」を追え! ――理論物理学者、ありえない物質を求めてカムチャツカへ』 - 基本読書

    「第二の不可能」を追え! ――理論物理学者、ありえない物質を求めてカムチャツカへ 作者:ポール・J・スタインハート発売日: 2020/09/03メディア: 単行2011年のノーベル化学賞を受賞したのは準結晶の発見をしたシェヒトマン博士だった。「準結晶」とは、説明が難しいのだけど、純粋な結晶ともランダムな構造を持つ非晶質とも異なる、(準結晶の発見以前からすると)新しい結晶の構造のことである。それまでの結晶学の常識では、どの鉱物を調べても、基的な構成要素は四面体か、三角柱か、平行六面体のいずれかであり、それ以外はありえないと思われていた。 たとえば、単純化して考えると、三角形、長方形、平行四辺形、正方形、六角形のタイルは平面に隙間なくタイルを敷き詰めることができる。だが、正五角形は隙間なくタイルに敷き詰めることはできない。三次元の結晶は二次元タイルよりも複雑になるれども、科学者は三角形、長

    自然界に存在する準結晶を求めた、科学者の大冒険──『「第二の不可能」を追え! ――理論物理学者、ありえない物質を求めてカムチャツカへ』 - 基本読書
  • 基礎科学の重要性──『「役に立たない」科学が役に立つ』 - 基本読書

    「役に立たない」科学が役に立つ 作者:エイブラハム・フレクスナー,ロベルト・ダイクラーフ発売日: 2020/07/29メディア: 単行この『「役に立たない」科学が役に立つ』はプリンストン高等研究所のエイブラハム・フレクスナー(1866-1959)、ロベルト・ダイクラーフ(1960-)の二人のエッセイを収録した一冊である。100ページ程度の薄いで、その約半分ほどはフレクスナーによる1930年代に発表された文章を元にしているので、半分古典といえる。 しかし、ここで語られていることはそうそう古びるものではない。短い内容なので簡単に要約してしまうが、それは「基礎研究は重要だよ」ということである。応用研究は成果が見えやすいので、そうした方向に力を入れたくなる気持ちもわかるが、かといって歴史を変えた科学の多くは最初はなんの役に立つのかさっぱりわからない純粋な好奇心の追求からはじまっているのであって

    基礎科学の重要性──『「役に立たない」科学が役に立つ』 - 基本読書
    SigProcRandWalk
    SigProcRandWalk 2020/08/14
    表題はその通りなんだが、実際に上手く機能させてる(=科学的知見の発見数が多い)国や集団には、バランスを取るための文化的な何か(あまり表には出てこなさそう)があると思うな。何事も無制限という訳にはだし…
  • テクノスリラーの傑作『アンドロメダ病原体』の正統続篇にして、ド直球のSFとして拡張してみせた快作──『アンドロメダ病原体-変異-』 - 基本読書

    アンドロメダ病原体-変異- 上 作者:マイクル クライトン,ダニエル H ウィルソン発売日: 2020/05/26メディア: Kindle版テクノスリラー&SFの傑作マイケル・クライトンの出世作『アンドロメダ病原体』の、別の著者による正統的な続篇がこの『アンドロメダ病原体-変異-』である。 『アンドロメダ病原体』は架空の病原体をめぐる5日間の騒動を描いた小説である。通常の語りとは異なり事態の進行を客観的に記録した報告書のような体裁で、写真や図など具体的な資料が随所に挟み込まれている、特殊なスタイルの小説であった。この『変異』も、そうした小説上のスタイルをきちんと受け継いでいる。 とはいえ、元はマイケル・クライトンの出世作になったことからもわかる通り、科学面でのノンフィクション的な語りなど、氏のスタイルが色濃く出ている作品で、続篇とはいっても難しい面もあるんじゃないかなあ……昔あったコンテン

    テクノスリラーの傑作『アンドロメダ病原体』の正統続篇にして、ド直球のSFとして拡張してみせた快作──『アンドロメダ病原体-変異-』 - 基本読書
  • 九歳でロケット、十四歳で核融合炉を作った「天才」──『太陽を創った少年』 - 基本読書

    この世には「ギフテッド」と呼ばれる神から与えられたとしか思えない才能を持つ凄い人間たちがいる。そのうちの一人がアメリカ、アーカンソー州生まれのテイラー・ウィルソン少年だ。彼は9歳で高度なロケットを”理解した上で“作り上げ、14歳にして5億度のプラズマコア中で原子をたがいに衝突させる反応炉をつくって、当時の史上最年少で核融合の達成を成し遂げてみせた(現在の最年少記録は13歳)。 彼は核融合炉を作り上げるだけで止まらずに、そこで得た知見と技術を元に兵器を探知するための中性子を利用した(兵器用核分裂物資がコンテナなどの中に入っていると、中性子がその物質の核分裂反応を誘発しガンマ線が出るので、検出できる)兵器探知装置をつくるなど、単に核融合炉を作るだけでなくその技術を次々と世の中にために活かし始めている。書は、そんな少年のこれまでの歩みについて書かれた一冊であり、同時にそうした「少年の両親が、い

    九歳でロケット、十四歳で核融合炉を作った「天才」──『太陽を創った少年』 - 基本読書
    SigProcRandWalk
    SigProcRandWalk 2018/05/29
    量子を発見したマックス・プランクは「知的な刺激に対して、すばやく反応する能力が欠けている」と自覚してたそうな。世の中にはいろんなタイプの天才がいるので早熟高回転型でない人も簡単には落胆しないでね :-)
  • 1