ベレーシート ホセア書1章にはホセア書全体がコンデンスされており、序文的な位置にあります。1章の1~9節までは、イスラエルの民が淫行にふけり、姦淫の罪を犯したことで、夫である神とのかかわりが壊れ、すでに「破局」の状態にあることが記されています。ところが10~11節と2章1節では、本来ならばあり得ない「回復」の預言がなされているのです。 1. 破局状態にある神とイスラエルの民 上記の図はホセアの家族のチャートです。その家族のそれぞれの名前は以下の意味があります。三人の子どもたちの名前は神のさばきを表わすものとして、神自ら命名しています。 ●夫の「ホセア」は「主は救い」という意味。 ●妻の「ゴメル」(גֹּמֶר)の動詞「ガーマル」(גָּמַר)は「絶える、(失敗して)断たれる」という意味と、「(主によって)成し遂げる、完遂する」という意味のヘブル語特有の反意的両義性をもった語彙です。※脚注