この通報を最も喜んだのは、建設予定地のザムシルの住民でも、ロッテグループの社員でもなく、重光武雄(シン・ギョクホ)ロッテグループ会長だったに違いない。1994年にロッテグループが建設の可能性をソウル市に打診して以来、15年以上にわたるロッテの悲願だったからだ。超高層ビルの建設を巡る空軍との熾烈な攻防の末、許可されただけに重光会長にとっては感無量だったことだろう。 だが、許可は得たものの、事業には多くの難題が待ち構えている。 まずは「大企業優遇」に対する政治家の反発だ。今回の建設許可は突然だったこともあり、野党はもちろん与党のハンナラ党内部にすら反対意見が少なくない。さらにソンナム(城南)地区の市民が主張している高層建築の高さ制限、予想される交通機関の混雑、渋滞への対応など問題が山積みだ。 本誌では5つの問題点を指摘しておきたい。 論点1:250万人の雇用創出に疑問 第2ロッテワールドの建設