タワーレコード渋谷店で行われた試聴会の様子。(イラスト:牧野良幸) 今年のオーディオ界もはや3か月が過ぎようとしているが、これまでの一番の話題はタワーレコードがECMのアルバムを初めてSACDハイブリッド化したことだろう。それもジャズ史に残る名盤、キース・ジャレット『ザ・ケルン・コンサート』、チック・コリア『リターン・トゥ・フォーエヴァー』、パット・メセニー『ブライト・サイズ・ライフ』なのだから話題になった。 ECMは創始者のマンフレート・アイヒャーの音に対するこだわりで有名だ。その証拠に今までリリースされたCDは今日までリマスターもされずにきた。よほどCDの音に自信があるのだろう。 しかしそんなECMも2015年からハイレゾ配信に乗り出したのである。たくさんのアルバムがハイレゾ化された。今回SACD化された3タイトルもハイレゾで配信される。それもFLACだけでなく、SACDと同等のDSD