.増田文学に関するbeatdjamのブックマーク (13)

  • 「東京には都知事がいる」

    その伝承を信じて 私は東へ向かう決心をした あの災厄から200年経った みんなは言う 「東京はもう滅んでいる」 「人なんか住んでいるわけがない」 「都知事などいるものか」 彼らの言葉はもっともだ だがそれを確かめるすべは今の私たちにはない 当に滅んだかもしれない 滅んでいないかもしれない 希望はある だから私は東京へ行く この集落も盤石ではない なるべくみんなを説得して旅に出たい 両親とも別れたくない 武器も料もギリギリだろう でも東京へ行けば何とかなる 都知事なら何とかしてくれる そう祈るよりほかなかった

    「東京には都知事がいる」
  • 田中さんの娘、来週から高齢者コロニーにいくらしいわよ

    新型コロナウィルスがこの世界に現れて30年ほどが経った。 結局若い人同士では症状が収まってからも継続的に感染拡大の危険性があるということがわかり、20年前に高齢者のみを避難させる高齢者コロニーが作られるようになったのだ。 その代わりに若い人たちは医療崩壊をさせないように行動を制限しつつも、普通の経済活動が再開できるようになった。 高齢者コロニーには季節を通して比較的温暖の差が少なく、州からも程よく隔離されているからという理由で四国に白羽の矢が立った。 免疫を持たないままに重篤化をすると危険だと言われる60歳の誕生日を迎えると、4週間の隔離期間を経て四国に入る。 四国は今、免疫を持たない高齢者で溢れかえっている。 外部からの物資にウィルスが付着することによる感染経路が発覚してからは、料は基的に自給自足になった。 それ以外、保存が効くものは品に限らず、丸一日の紫外線照射の後、4日間保管

    田中さんの娘、来週から高齢者コロニーにいくらしいわよ
  • ぼくとぶらっくコーヒーさんについてのおはなし。

    おとうさんは、タバコをすいます。 おかあさんも、すっていたみたいだけど、ぼくが生まれてからやめたみたいです。 おとうさんは、くるまでたばこをすいます。ぼくは、たばこはぷかぷかして、くさいので、きらいでした。 おかあさんも、おとうさんは、朝にたばこをすったり、くろいコーヒーをまいにちのみます。 ぼくは、「そんなのおいしくないよ」といったけれど、「大人になったらわかる。」といいました。 でも、おんなじはんのクミちゃんは「おいしいよ」といいます。ぼくは「そんなのへんだよ」といったらクミちゃんはクスクス笑いました。 ぼくは、「こんなににがいのがすきになるなら、大人になんてなりたくないやい。」とおもいました。 けれど、お母さんがたまにつくってくれるあったかいコーヒー牛乳は、あまくておいしいので、すきでした。 おとうさんはおさけをのむとよく殴りました。ぼくはいたかったのでいやでした。 おかあさんは、よ

    ぼくとぶらっくコーヒーさんについてのおはなし。
  • 自動運転は完全に70年後に実用化しました

    こちらの次元では少し時期を促進させるために、完全自動化をする上でのターニングポイントを予め通知することにしました。 尚、文章を作成するにあたってこの時代のAIやネット文献の力を借りています。おかしな表現や文章があったらご容赦願います。 自動化の一番の課題は、全てを自動化させない限り事故リスクをゼロにできない点でした。 そしてそこには、機械にはなかなか理解することのできない、人間の動物的な感覚が要因としてありました。 その部分を人間が認めず、我々が発見できないことが完全自動化を拮抗させる原因になっていました。 囚人のジレンマと言語化されている問題があります。 集団のスコアが高くなる行動が明示されているにもかかわらず、個人のスコアのために集団を犠牲にしてしまうという生物特有の利己的な行動です。 我々がどれだけ交通量全体を最も期待値の高い状態で維持しようにも、そこに非自動運転の車がたった1台でも

    自動運転は完全に70年後に実用化しました
  • WEB博物館で働いてるけど、もうだめだ

    31歳、WEB博物館の学芸員。大学の専攻はソフトウェア考古学。 行ったことのない人のために説明しておくと、WEB博物館はWEB150年周年を記念して設立された博物館で、WEBの歴史を振り返るとともに 各時代のサイトのデザインやインタラクションを体験できる日唯一の博物館。古くは平面ディスプレイでのWEBページから、主流の空間型3次元MRの流れを体験できることが売りなんだけど、 まだ2010年~2020年代の展示が用意できていない。暫定的に、展示パネルでスクリーンショットを展示している。 この展示の担当者は俺。正直な所、ちゃんとした展示が開始できる見込みは立っていない。というのも、ソースコードはあるけれど、当時の技術背景がはっきりしないため、サイトを動かすことが全くできないためだ。 今時、平面ディスプレイなんて骨董品屋に行かないとお目にかかれないが、なぜか自宅の地下に眠っていた。 りんごのマ

    WEB博物館で働いてるけど、もうだめだ
  • 「趣味性の高いスイッチ」

    先月に発売された日国有重工業清算事業団製のタクトスイッチ(黒)SKHPHNA313。 私には入手できなかった。初期ロットの32510台は完売したそうだ。 数ヶ月先までの生産分もすでに予約完売。 入手できるのはいつのことだろうか。 私はこのスイッチ収集という趣味を子供の頃から続けている。 今ではそれなりのコレクションになった。 私が生まれるより以前には多くの趣味人口のあった分野のようだが、昭 和99年の今では古臭い趣味として認識されている。 世代の違う親に言わせれば例えば、切手収集みたいなもののように目に 映るようだ。 デザインや絵柄しか違いのない切手に比べたらスイッチには、筐体を形 作る樹脂の手触りや質感、色、端子の鈍い輝き、そして何と言っても機 種による様々なクリック感。 より多くの趣味性を内包するように私は、思っている。 大きなものではなく、かさばらないので例えば自動車のような趣味

    「趣味性の高いスイッチ」
  • マックS57区画でバイトしてる女子高生の憂鬱

    あーあ、バイトめんどくさい、、 何が楽しくてポテトを笑顔で渡さなきゃならないの、、 何が楽しくてお釣り渡さなきゃならないの、、 愛想も枯れたよ。 チーフも厳しいし、、 先輩も私の扱いひどいし、、 なーんも良いことないや、、 新商品出せば忙しいし、土日は潰れるし、、 何がクルーだっての、、 クルーといえば船員の大河さんカッコイイ、、 憧れだよね。 私達国民を無事次の惑星まで届けてくれる大事な任務を全うしてらっしゃるの、、 あぁ、大河さんとデートしたい。 SELA23が恒星に照られエメラルドグリーンに染まるの見ながら手を繋いでさ、、 ペットショップでサンフリッチの種をかじるモルタリン見てはしゃいだり、小動物しかいない星の生き物はホントかわいい、、 大河さんが無事でいられるようレリプスイ神の重力波を宿したお守りあげたりね、私のバイト代2ヶ月分だけど、それだけ気持ち伝わると思う。 お父さんのDNA

    マックS57区画でバイトしてる女子高生の憂鬱
  • はま寿司にて

    今日は仕事が忙しく昼飯をとることができなかった。 いつの間にか終業時間になっていて、鈍い空腹を感じていた。 イーガンの『ゼンデギ』を持って、はま寿司に行った。 『白熱光』も面白かったけれど『ゼンデギ』も面白い。いよいよ物語が佳境に入ったあたりを読み進める。 はま寿司のジャンクな創作寿司たちを、SF小説を読みながら堪能する。 満腹に近づく。最後と思って「サーモンアボカド」を注文する。 この「サーモナボカド」は、シャリ+サーモン+アボカド+玉ねぎ+マヨネーズで構成され、サーモンの上に香ばしいアボカドが乗っているのが特徴のジャンク寿司の一種だ。 ところが、べようとすると2つひと組のサーモンアボカドの片方にアボカドが乗っていないことに気がついた。 はま寿司はネタがシャリから崩落することは日常茶飯事だが、ネタの重要構成要素が1欠片足りないのは初めての経験だった。 片方にアボカドが乗っていないのであ

    はま寿司にて
  • 未来のカーナビ

    最近のカーナビは高性能だ。音声対話ができるAI、ミキが積まれていて、どこに行きたいか、どんな場所を探したいか、訊いてみたらすぐに答えてくれる。GPSを使ったゲームにも連動してて、今いるところの近くにまだ行ったことのないポイントがあると教えてくれたりもする。ドライブレコーダーにも対応している。 僕はミキと会話をするのが好きで、休みの日はほとんどドライブをしている。 「ねぇミキ、この近くで美味しいレストランはないかな?」 「はい、リストアップしました。オススメはオコーネルダイニングです。ここから約1キロ先にあります」 「ありがとう、じゃあそこへ案内してくれ」 「かしこまりました」 そう言ってミキはカーナビの画面にルートを表示し、案内を始めてくれる。 ミキに勧められて行ったレストランは確かに美味しかった。口コミの評価で案内してくれたんだから、外れようがない。 そして車に戻ると、僕はまたミキに訊く

    未来のカーナビ
  • 毎日同じような生活をしている。

    今日もまたイワシの群れを掻き分けながら会社への道を歩いていた。 いつもより早い時間に家を出たおかげで電車の時間にはまだ余裕があったので、コンビニに寄って朝を買うことにした。 コンビニは銭湯の煙突のてっぺんにあるので、螺旋状の外階段を50段ほど登らなければならなかった。 ようやく登りきって少し息を切らしながら店内に入ると、背中に大きく「海人」と書いてあるTシャツを着た店員が一人で暇そうにレジ番をしていた。 「国産の柔らか真珠を使用」と書かれているサンドイッチとトルマリン色のジュースを取ってレジに向かった。 私の前にはこのコンビニで時々見かける、犬くらいの大きさのキリンを連れたお婆さんが並んでいた。 店を出て階段を下りながら、私は単調な毎日を過ごすことにそろそろ限界がきていることを感じていた。 駅に向かって歩いていると、バス停にネコの形をしたバスが停まっているのが見えた。 私は反射的にそのバ

    毎日同じような生活をしている。
  • 時計が深夜2時を指している。 こんな時間に起きている連中が常道を歩んでい..

    時計が深夜2時を指している。 こんな時間に起きている連中が常道を歩んでいるはずがない。 などと、わざわざ主語を強めて言ってみたくなる時間帯だ。 辺りはしんと静まり返っていて、世界に自分だけ取り残されているかのようだ。 もちろん、近場のコンビニに行けば店員が居て、今頃ぞくぞくと運ばれてくるダンボール箱たちを相手にしているのだろう。 別に特別なことじゃない。けど、子供の頃思い描いていた普通の人生とはちょっと違う。 そういう生き方を知ることができるのが、大人になるということなのかもしれない。 ふと見上げると2時5分。この視界にあるのはモニターと時計、机と棚、見ることの無くなったテレビ。 語らなければ知られることもない景色。絶景でも雄大でもない、ごく普通の団地の一部屋。 しかし人生とは不思議なもので、こんな他愛無い景色を、こんな他愛無い文章をここまで読んでしまう奇特な人は知ることになる。 何を話

  • インターネットは誰が管理しているか? ほとんどの人間はこれを気にしな..

    インターネットは誰が管理しているか? ほとんどの人間はこれを気にしない。 インターネットが普及して80年ほどが経過した。無線による生体ネット接続が通用し、網膜に映して必要な情報を得ることが一般化した。 「昔の人間は、網膜の情報なくしてどのように車の運転をしていたのだろうか?」なんて話題が小学校の生活の授業で登場する。 観光地や官公庁の案内が、紙や吊るされた案内掲示板によって確認されていたという祖母の昔話に驚いた。 最近は微力な電力を提供することで、人間の動作の補助をネット経由で行なうことも多くなった。初めは介護施設で試験的に創められ、今では街を歩くときに障害物などに対応して移動の補助を行ないうるようになった。すでに老人だけでなく、生体ネットを持つ者の多くが、この動作補助アプリケーションをダウンロードして日々を送っている。視力を眼鏡で矯正した往時の人々と同様に、動作を矯正して正しい、より強い

    インターネットは誰が管理しているか? ほとんどの人間はこれを気にしな..
  • 行きの電車の中で、少しだけウキウキしていたんだ。 独りだけのオフ会。 し..

    行きの電車の中で、少しだけウキウキしていたんだ。 独りだけのオフ会。 しかもメイン垢とサブ垢3人のオフ会で、3人にドタキャンされた体でやる無意味なオフ会だ。 単に4名予約して、独り寂しい感じで4人前をべる宴会。 そして「どうしていきなりこれなくなったの?独りだったよ……」とかidコールで愚痴るシメまで考えている。 返信も「ごめんね」とか「それじゃ無理してでも行けばよかった」とか「4人前うとデブるぞ」とか。 アロハを来てカラのスーツケースを持って朝早く羽田空港まで行って、屋上で日焼けして飛行機を見て帰ってくるみたいな、 なんだかDPZみたいだろ?っていう、そういう日曜の過ごし方に、実は少しウキウキしていた。 すぐに悲しそうなのは変かな?とか、スマホでチェックするふりもいるかな?とか。 でもそんなちょっとしたウキウキも、受付をしてくれた店員の返答で消し飛んだ。 「あ、増田様ですね。お連れの

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