トランプ外交とは何か 2013年の前半、ワシントンでシリア人の取材をしていた。特派員としてワシントンに駐在し、外交を担当していた私は、オバマ政権のシリア政策に特に注目していた。オバマ大統領の外交姿勢が象徴的に表れていたからだ。 そのなかで、1人のシリア人男性の取材を続けていた。首都ダマスカスから避難してきたというこの男性は、在米シリア人団体を代表してロビー活動をおこなっていた。アメリカ政府にはもっとシリア内戦に積極的に関わって欲しいとワシントンで訴えていたのだ。 日々、議員の事務所を訪ね、議員本人やスタッフに訴え、国務省やホワイトハウスへも働きかけを続けていた。議員スタッフとのミーティングを終えた後の彼がいまでも忘れられない。