外国為替市場で急激な円高が進んだ。日銀が早期にマイナス金利を解除するとの思惑が広がり、円の買い戻しにつながった。東京株式市場では円安による業績上昇修正期待がしぼみ、日経平均株価の下げ幅は2日で1100円を超えた。金融政策の「出口」を過剰に意識した取引が広がれば、相場の不安定化は避けられない。「これだけ急速に円が上昇するなかでは、円を売ってドルを買うのはかなり勇気がいる」。ある邦銀の外国為替ディ
外国為替市場で急激な円高が進んだ。日銀が早期にマイナス金利を解除するとの思惑が広がり、円の買い戻しにつながった。東京株式市場では円安による業績上昇修正期待がしぼみ、日経平均株価の下げ幅は2日で1100円を超えた。金融政策の「出口」を過剰に意識した取引が広がれば、相場の不安定化は避けられない。「これだけ急速に円が上昇するなかでは、円を売ってドルを買うのはかなり勇気がいる」。ある邦銀の外国為替ディ
さいとう・こうへい/専門は経済思想、社会思想。新書大賞の『人新世の「資本論」』(集英社新書)は32万部のベストセラー(撮影・露木聡子氏、斎藤さん提供) コロナ下で強行開催された東京五輪が8月8日、最終日を迎えた。コロナ対策だけでなく、数々の問題が噴出した五輪だった。失敗の根本原因は何か。経済思想家で大阪市立大学大学院経済学研究科准教授の斎藤幸平氏が本誌に寄稿した。 【写真】まるで「居酒屋のユニホーム」?酷評された東京五輪表彰式の衣装はこちら * * * コロナの感染拡大を心配する多くの人々が反対の声をあげていたにもかかわらず、強行開催された東京五輪。その危惧どおり東京の医療は崩壊し、「今回の五輪はコロナのせいで失敗した」という認識が広がっている。 だが、五輪の失敗はコロナのせいだろうか。そうした側面もあるとはいえ、失敗の根本原因は別のところにある。問題の本質は、資本主義がスポーツを金儲
政府は今月の月例経済報告を公表し、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて景気の現状についての判断を「足もとで大幅に下押しされており、厳しい状況にある」と下方修正しました。景気判断から「回復」という表現が6年9か月ぶりになくなり、政府として公式に経済への厳しい見方を示しました。 「個人消費」は「感染症の影響により、このところ弱い動きとなっている」として、判断を3年1か月ぶりに下方修正しました。 今月上旬の新幹線の利用者数が前の年から半減したほか、コンビニエンスストアの販売額も先月後半以降、マイナスに転じるなど、外出自粛の影響が急速に広がったためです。 「輸入」は、中国からの部品などの供給が滞っているため、「感染症の影響により、このところ減少している」と判断し、2か月連続で下方修正しました。 さらに景気を支えてきた「雇用情勢」についても、企業からの求人数が減り始めているとして「改善してきたが、感
アメリカの電気自動車メーカーのテスラは29日、去年10月から先月までの販売台数が3か月間としては過去最高の11万台余りになったことを明らかにしました。ことしは年間の販売台数が初めて50万台を超える見通しだとしています。 また、販売台数は前の年の同じ時期の9万台から11万2000台あまりに大幅に増え、これまでで最も多くなりました。 テスラはモデル3と呼ばれる比較的安い価格の車種に加え、ことし、SUV=多目的スポーツ車のモデルYの生産に乗り出します。 生産は中国・上海にある工場に加え、ヨーロッパ向けにドイツのベルリンでも年内に始める予定で、これにアメリカ・カリフォルニア州の工場を合わせ、ことしの販売台数は初めて年間で50万台を超える見通しだということです。 前回の決算発表以降、好調な業績を背景にテスラの株価はわずか3か月でほぼ2倍に急上昇していて、株価に発行済みの株式数をかけた「時価総額」は今
統一地方選結果のインプリケーション 10連休という超大型連休を前に、にわかに政局が動き始めた。そのきっかけは、4月19日にDHCテレビのインターネット番組「虎ノ門ニュース」において、自民党の萩生田光一幹事長代理が、「6月日銀短観の結果如何では消費増税の再延期もあり得るし、その場合には国民に信を問う必要がある」と発言したことであった。 萩生田氏は安倍首相の側近の一人であるため、安倍首相の意向を代弁した可能性もあるとして、永田町が色めき立った。 そして、4月21日に実施された沖縄、大阪の衆院選補欠選挙では自民党候補が共に落選の憂き目をみたということで、安倍首相が来たる参院選に危機感を募らせ、消費税率引き上げの再々延期を争点として衆院の解散・総選挙(場合によっては衆参同一選の可能性も)に打って出るのではないかという思惑が一気に広がったようだ。 筆者は政局には疎いが、先に行われた統一地方選における
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