東芝と東北大学東北メディカル・メガバンク機構は1月14日、「量子暗号通信」を用いて、人のゲノムデータ約500GBを約7キロ離れた施設へ伝送することに世界で初めて成功したと発表した。量子暗号通信は原理的に盗聴を探知でき、安全性が高いとされている。同社は近く、量子暗号通信で事業展開を始める見込み。 実験では、東北大学星陵キャンパスと東芝ライフサイエンス解析センターにそれぞれ量子暗号の送信機と受信機を設置し、機材を長さ7キロの光ファイバーで結んだ。送信機からはビット情報を載せた光(光子)が発せられる。同社の量子暗号通信技術では、7キロの距離の場合には10Mbps超で伝送できるという。この速度は、2018年時点で世界最速。 量子暗号通信では、量子の経路で暗号化と復号に用いる「共通鍵」のみを伝送する(量子鍵伝送)。本来送りたい実データは共通鍵で暗号化した上で、通常の専用回線(数Gbps)で送り、受信
AWS、量子コンピューティングの新サービス「Amazon Braket」、およびAWS量子コンピューティングセンター「Amazon Quantum Solutions Lab」の創設を同時発表 新サービス「Amazon Braket」により、お客様は量子コンピューティングを体験、評価、試用し、将来に向けた計画の立案が可能に AWSは量子コンピューティング技術の開発・活用の加速を目指す「AWS量子コンピューティングセンター」を創設 新設の「Amazon Quantum Solutions Lab」は、AWSや学術界・産業界のパートナーの量子コンピューティング専門家とお客様をつなぎ、共同実験や量子テクノロジーの用途開発を支援 Amazon.com, Inc.の関連会社であるAmazon Web Services, Inc.(以下、AWS)は本日、年次カンファレンス「AWS re:Invent
量子コンピュータの計算能力が、スーパーコンピュータなど従来型のコンピュータを上回ることを示す「量子超越性」を実証したと、Googleが発表。 米Googleは10月23日(現地時間)、量子コンピュータの計算能力が、スーパーコンピュータなど従来型のコンピュータを上回ることを示す「量子超越性」(Quantum Supremacy)を実証したと発表した。同日付の英科学誌「Nature」(電子版)に論文が掲載された。 乱数を生成する「ランダム量子回路サンプリング」という問題を量子コンピュータに解かせた。この問題は、最先端のスーパーコンピュータでは解くのに約1万年かかると見積もられるが、Googleの量子コンピュータは3分20秒で解き終えたという。 量子コンピュータは「量子ビット」(qubit)と呼ばれる情報単位を用いる。0と1だけでなく、その両方を重ね合わせた状態(量子の重ね合わせ)を表現でき、よ
光の量子コンピューター (インターナショナル新書) 作者: 古澤明出版社/メーカー: 集英社インターナショナル発売日: 2019/02/07メディア: 新書この商品を含むブログを見る光子を用いた量子コンピュータについての一冊である。決して光のコンピュータがあるからといって闇のコンピュータがあるわけではない(最初勘違いした)。 著者は量子テレポーテーション分野の研究者にして今なお新しい成果を発表し続けている古澤明氏。さすがに量子コンピュータについての説明は複雑な計算を要する部分も多く本書を読めばまるっとその原理がわかるというわけではないが、非常にシンプルにその原理を説明すると共に、最前線の研究者によって「いま」何ができて、眼の前に見えている難題をクリアしていった先に「どのような革新的な技術が生まれるのか」を提示し、わずか180ページほどの内容で非常にワクワクさせてくれる。 量子コンピュータと
理研や東京大学などが、量子コンピュータの情報単位「量子ビット」をより高精度化したものを実現。演算速度や量子コンピュータを使える時間を改善できるという。 理化学研究所や東京大学などの研究グループは12月18日、量子コンピュータの情報単位「量子ビット」を実現する素子をより高精度化したと発表した。従来と比べると演算速度が約100倍になり、量子コンピュータを計算作業に使える時間も伸びるという。 量子コンピュータは、量子ビットと呼ばれる情報単位を用いる。量子ビットは0と1に加え、0と1の「重ね合わせ状態」(量子の重ね合わせ)を扱える。量子計算のアルゴリズムを使えるため、従来のコンピュータと比べて計算や解析が短時間で行えるといわれる。 実用化には、演算精度が99%以上の高精度な量子ビットが必要になる。そのためには(1)量子ビットの演算速度を向上させる、(2)量子ビットは時間経過とともに情報を失う(重ね
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、窒化ニオブを用いた窒化物超伝導体による新奇な磁性ジョセフソン素子の開発に成功したと発表した。これにより、超電導デバイスの大規模化が容易になるといい、超伝導量子コンピュータの新たな基本素子として期待できる。 超伝導量子コンピューティング素子の概略図 (出所:NICT Webサイト) 同成果は、NICTの山下太郎 主任研究員らの研究グループによるもの。詳細は米国の学術誌「Physical Review Applied」に掲載された。 次世代のデバイスとして超伝導量子コンピュータや低消費電力回路が注目されている。通常、ジョセフソン素子を利用した超伝導デバイスでは、ジョセフソン素子の「巨視的位相」にねじれを発生させるために、外部から電流や磁場を加える必要があり、消費電力の増加や外来ノイズの原因となっていた。それに対し、磁性ジョセフソン素子は、巨視的位
スーパーコンピューターをはるかにしのぐ性能が期待される次世代のコンピューター、「量子コンピューター」の初の国産機の開発に成功したと国立情報学研究所やNTTなどのチームが発表しました。複雑な組み合わせを解く問題でスーパーコンピューターの100倍のスピードを発揮したということで来週から世界中の研究者が利用できるようインターネット上で無料公開するということです。 カナダのベンチャー企業が6年前、世界で初めて販売を始め、グーグルやIBM、マイクロソフトなどの大手IT企業も開発を進めるなど世界中でしれつな競争が展開されています。 初の国産量子コンピューターの開発に成功したと発表したのは、国立情報学研究所やNTT、それに東京大学など国のプロジェクトチームです。 従来のコンピューターでは、半導体の電圧で「0」か「1」の情報を表現し計算処理を行いますが、この量子コンピューターでは、全長1キロのループ状の光
東京大学の研究グループは、従来不可能とされた、量子コンピュータの内部で発生する量子的なエラーの影響の追跡を正確かつ高速に評価する数値計算手法を新たに提案した。 量子コンピュータは、量子力学の「重ね合わせの原理」を活用して計算する技術。素因数分解や量子化学計算などの問題を超高速に解けるとされ、その開発が世界中で進められている。 実際の量子コンピュータは、わずかにエラーをもつ素子(量子ビット)を組み合わせて作られるので、それを訂正しながら計算を続ける仕組みの「量子誤り訂正」が必要。その設計には、素子のエラーをどの程度低減できれば誤り訂正がうまくいくのかを見積もることが重要だ。 しかし、量子コンピュータが高速のため、この見積もりの計算は通常のコンピュータでは追いつかず、「量子コンピュータの設計には量子コンピュータが必要」というジレンマが生じる。 研究グループは、量子コンピュータが量子的なエラーを
1つの量子テレポーテション回路を繰り返し利用 東京大学工学系研究科教授の古澤明氏と同助教の武田俊太郎氏は2017年9月22日、大規模な汎用量子コンピュータを実現する方法として、1つの量子テレポーテーション回路を無制限に繰り返し利用するループ構造の光回路を用いる方式を発明したと発表した。これまで量子コンピュータの大規模化には多くの技術課題があったが、発明した方式は、量子計算の基本単位である量子テレポーテーション回路を1つしか使用しない最小規模の回路構成であり、「究極の大規模量子コンピュータ実現法」(古澤氏)とする。 今回発明した光量子コンピュータ方式。一列に連なった多数の光パルスが1ブロックの量子テレポーテーション回路を何度もループする構造となっている。ループ内で光パルスを周回させておき、1個の量子テレポーテーション回路の機能を切り替えながら繰り返し用いることで計算が実行できる 出典:東京大
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