ニューヨーク・タイムズが閲覧した国連調査団の機密報告書とACLED(武力紛争発生地・事件データプロジェクト)の研究員がまとめたデータベースによると、モウラを含むマリ中部では、マリ軍とワグネルの共同作戦によって、これまでに500人近い民間人が殺害されている。国連はある報告書の中で、「人道に対する犯罪」にあたる可能性のある事案も含まれると述べている。 国連調査団は5月30日、民間人に対するマリ軍の人権侵害は今年3月にかけて2021年末の10倍になったと明かした。モウラでは治安部隊が「多くの民間人に対し、レイプ、略奪、無差別な逮捕・拘留を行った可能性がある」という。同調査団は、モウラでの事件について報告書の作成を進めているところだ。 サハラ砂漠の南に広がる広大なサヘル地域の軍隊は、西側による訓練を経た後も自国民の殺害を続けているとして以前から非難の対象となってきた。しかし、拷問、暴行、即決処刑と