昔の作品でも見たことがなければ新作映画! 一周まわって新しく映った作品の数々をピックアップする「桂枝之進のクラシック映画噺」、今回は『欲望の翼』(1990)をご紹介。 主人公のヨディ(レスリー・チャン)は、香港でナイトクラブを営む養母レベッカ(レベッカ・パン)のスネをかじりながら自堕落な生活を送っている。 サッカー場で売り子をしているスー(マギー・チャン)や、レベッカの店でダンサーをしているミミ(カリーナ・ラウ)に言い寄っては、まだ見ぬ生母や心の拠り所を探しながら空虚な感情を抱える毎日。 そんなヨディが口にするのは、テネシー・ウィリアムスの「地獄のオルフェウス」に出てくる一節。 “脚のない鳥がいるらしい。 脚のない鳥は飛び続け、疲れたら風の中で眠り、 そして生涯でただ一度地面に降りる。 それが最期の時” キザに構えるヨディだが、次第に周囲との波長も合わなくなり、生母がいるというフィリピンへ