依頼を受けて夫婦や恋人同士を別れさせることを稼業にしていた「別れさせ屋」の男が、東京地裁で刑事裁判の被告になっている。仕事で別れさせた女性とつきあった末に、別れ話を切り出されて殺害してしまった事件。被害者の遺族は「人の気持ちをもてあそぶ商売が許せない」と憤っている。 起訴されているのは住所不定、無職桑原武被告(31)。起訴状や検察側の冒頭陳述などによると、桑原被告は「別れさせ屋」を請け負う探偵会社に勤務。2007年5月に「妻と離婚したい」との夫の依頼を受け、栃木県内のスーパーで主婦(死亡当時32)に「チーズケーキのおいしい店を教えて」と声をかけた。桑原被告はその後、偽名を名乗り、職業を偽った上、妻子がいることを隠してその女性と交際。その様子を撮影して「浮気の証拠」として夫に渡した。夫婦は同年11月に離婚した。 桑原被告は「仕事」を終えた後も女性と交際を続けたが、09年になって「別れさせ