ブレイディみかこさんの最新作は、水商売や工場の夜間作業員、看護師といった「地べた仕事」に就く女性たちに焦点を当てた自伝的小説『私労働小説 ザ・シット・ジョブ』だ。 本書によって「仕事の場で生きづらさを感じている日本の若い女性たちの声を伝えたかった」というブレイディさんに、日英の女性を悩ませるハラスメントや、エッセンシャルワーカーの賃金格差の問題などについて聞いた。 ブレイディみかこさんは、階級や貧困、多様性などをテーマに優れたノンフィクションや小説を次々と世に送り出してきた。 労働者階級や貧しい人たちの知られざる側面に光を当てる視点は、自分のなかに内在する無自覚の偏見や差別意識に気づかせてくれるとともに、世界の複雑さに向き合う難しさや面白さも教えてくれる。 最新作『私労働小説 ザ・シット・ジョブ』は6つの短編からなり、上流家庭のベビーシッター、水商売、クリーニング工場の夜間作業員、看護師と