手術後の麻酔が残っている女性患者にわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪に問われた男性医師に2月20日、無罪が言い渡された。この判決を受けて、被害を訴えていた女性が記者会見を開いた。「被害者は今後どうやって性犯罪にあったこと立証すればいいのですか」と涙ながらに語った。検察による控訴を望んでいるという。 ●判決は「せん妄の可能性がある」「DNA鑑定の信用性に疑いがある」 女性は2016年5月、東京都足立区の病院で、右乳腺腫瘍の摘出手術を受けた。手術後、病室に運ばれて、「(担当していた医師に)乳首を舐められた」「(医師が)胸を見ながらマスターべーションしていた」として、被害を訴えた。 男性医師は、準強制わいせつ罪で逮捕・起訴されたが、一貫して「冤罪」を主張。公判では、(1)女性の証言の信用性、(2)DNA鑑定などが、科学的な証拠として認められるか――が争点となった。 東京地裁は2月20日
法廷での発言や準備書面の内容をめぐり、弁護士(A)が別の弁護士(B)を名誉毀損で訴えるという珍しい訴訟の判決がこのほど、東京高裁であった。一審判決がおおむね支持され、B弁護士には、請求額220万円のうち約100万円の支払いが命じられた(一審は約120万円)。 法廷で対立する関係上、舌戦がヒートアップすることは大いにあり得るが、弁護士に限らず、発言には注意が必要になりそうだ。 ●準備書面に「ヤクザ以下の行為である。人倫にもとる」 事件の発端になったのは、ある夫婦の離婚問題。A弁護士が原告の妻側、B弁護士が有責配偶者(不貞)である夫側の代理人を務め、訴訟・調停で争った。 一連の離婚問題の中で、A弁護士(妻側)は、次の3つの段階でB弁護士(夫側)から名誉を毀損される言動を受けたと主張した。 (1)別居中の生活費(婚姻費用)をめぐる訴訟での口頭発言 第2回口頭弁論期日で、B弁護士から「弁護士として
年度途中で退職した場合、年次有給休暇(有休)は何日付与されるのでしょうか。この論点をめぐり、7月11日にあるツイートが話題になりました。 投稿者のむぎ(@MUGI1208)さんは、この8月で会社を退職します。そのことで、このほど上司と有休について相談をすることになりました。 その場で、上司から提示されたのは、有休の「按分」でした。むぎさんには、今年4月に20日分の有休が付与されていましたが、「年度の途中で退職するのだから、8日分しか認めない」と言うのです。 これに対し、むぎさんは、「会社の希望に過ぎない」と一蹴。だったら、今までに消滅した有休分も休むと応酬しました。やり取りを報告するツイートは4000回以上RTされ、胸のすくような切り返しに賞賛が集まっています。 上司と退職前の年休交渉をしました。「今年度分は4月に20日付与されたけど退職が8月なので、按分すると取れる日数は8日だね」と言わ
「これが自分の限界です」「自分みたいに負けないで」ーー。そう遺書を残して2005年に自ら命を絶った男性の過労自殺事件が、13年の月日が経過し、ようやく終わろうとしている。 横浜市の電気通信設備会社に勤務していた男性(当時27)は、2005年7月末の午前3時、深夜業務後の帰宅途中に交通事故を起こし、けがのため出勤できなくなった。その直後に精神障害を発症。2005年8月10日、自ら命を絶った。亡くなる1か月前の2005年7月、会社の売り上げは通常の23倍にのぼり、男性は約177時間もの時間外労働をしていた。 今回の事件で会社側は自分たちの非を認めず、虚偽説明や故人への誹謗中傷を繰り返した。 遺族が損害賠償を求めた訴訟の尋問で、社長は「36協定とかは全然わからないで会社を作っていました」と証言。1日の労働時間は8時間、1週間40時間を超えてはならないと定める労働基準法についても「すみません、それ
実際に働いている社員の生の声が見られる会社の「口コミサイト」。転職を検討する際に、社員や元社員が書いた評価をチェックして参考にする人も多いだろう。 しかし、そこに事実無根の書き込みをされた場合、会社側には投稿の削除に至るまで多大な費用と時間がかかる。しかも、それだけ労力をかけても投稿者の特定ができないことすらある。 「特に中小企業は、企業イメージが大きく損なわれ、転職希望者の減少につながってしまう。死活問題だ」。 こう語るのは転職サイト「転職会議」に名誉を毀損する口コミを書かれた印刷会社(東京都中央区)の社員。裁判で投稿削除が認められたものの、投稿者の特定に2年3カ月以上がかかった。「こうした現状に一石を投じたい」と取材に応じた。(編集部・出口絢) ●今回の経緯 印刷会社によれば、事案の概要は以下の通り。 (1)投稿の発見 2016年3月、社内の関係者が「転職会議」の同社のページで以下のよ
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