水泳やそろばん、ピアノなど、子どものころに習い事をしていた人も多いだろう。こういった学校外での体験は子どもの心身の成長を促すとされる一方、親の経済力などの影響でその機会に格差が生まれているという。果たしてその実態はどうなのか。 【グラフ】世帯年収別「体験ゼロ」の子どもの割合 『体験格差』(講談社現代新書)より、一部抜粋・再構成してお届けする。 世帯年収が低い家庭ほど、「体験ゼロ」の割合が高くなっている最初に、全体の中で「体験ゼロ」の子どもたちがどれだけいるのか、その割合を見ていくところから始めよう。 ここでいう「体験ゼロ」とは、私たちが調査の項目に含めた様々な学校外の体験が、直近1年間で「一つもない」ことを意味する。要するに、スポーツ系や文化系の習い事への参加もなければ、家族の旅行や地域のお祭りなどへの参加も含めて「何もない」ということだ。お金を払わなければ参加できないものが多いが、無料で