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憲法空語論 - 内田樹の研究室
『週刊金曜日』の憲法特集に少し長いものを寄稿した。憲法記念日なので、それを再録。 今号は憲法特集と... 『週刊金曜日』の憲法特集に少し長いものを寄稿した。憲法記念日なので、それを再録。 今号は憲法特集ということなので、憲法についての私見を述べる。同じことをあちこちで書いているので「もうわかったよ」という人もいると思うけれど、私と同じようなことを言う人はあまりいないようなので、しつこく同じ話をする。 憲法についての私の個人的な定義は「憲法は空語だ」というものである。「空語であるのが当然」であり、少し喧嘩腰で言えば「空語で何が悪い」ということである。 あらゆるタイプの「宣言」と同じく、憲法も空語である。ただし、それは「満たすべき空隙を可視化するための空語」、「指南力のある空語」、「現実を創出するための空語」である。 憲法と目の前の現実の間には必ず齟齬がある。それが憲法の常態なのである。憲法というのは「そこに書かれていることが実現するように現実を変成してゆく」ための手引きであって、目の前にある現実
2022/08/02 リンク