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東歌(35)・・・巻第14-3529 - 大和の国のこころ、万葉のこころ
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東歌(35)・・・巻第14-3529 - 大和の国のこころ、万葉のこころ
訓読 >>> 等夜(とや)の野に兎(をさぎ)狙(ねら)はりをさをさも寝なへ児(こ)ゆゑに母にころは... 訓読 >>> 等夜(とや)の野に兎(をさぎ)狙(ねら)はりをさをさも寝なへ児(こ)ゆゑに母にころはえ 要旨 >>> 等夜(とや)の野に兎を狙っているわけではないが、ろくすっぽ寝てもいないあの子なのに、母親にこっぴどく叱られてしまった。 鑑賞 >>> 「等夜の野」は、所在未詳。「等夜の野に兎ねらはり」は「をさをさ」を導く序詞。「兎(をさぎ)」は、兎の東語。娘に近づく機会を狙っているのを、兎を狙うことに喩えています。「をさをさ」は下に打消の語をともなう副詞で、ほとんどの意。「寝なへ」は、東語の打消しの助動詞「なふ」が更に訛ったもの。「ころはえ」は、大声で叱られる。兎は狩りなどでも身近な動物だったはずですが、『万葉集』で兎を詠んでいるのはこの1首のみです。