二人殺すと天使によって地獄に引き摺りこまれるようになった世界で起こる連続殺人事件を描き出す特殊設定ミステリ──『楽園とは探偵の不在なり』 - 基本読書

楽園とは探偵の不在なり 作者:斜線堂 有紀発売日: 2020/08/20メディア: Kindle版本書は、メディアワークス文庫から『キネマ探偵カレイドミステリー』でデビューした斜線堂有紀による、二人以上の人間を殺すと天使によって地獄に引き摺りこまれるようになった世界の連続殺人事件を描き出す、特殊設定ミステリの長篇である。 特殊設定ミステリは大好物だが、本作の場合は単なる事件とその解決に関連した特殊設定というだけでなく、導入によって社会構造自体が大きく変わる「世界全体に波及するタイプの特殊設定」で、一番好きな部類だ。なので、そのへんをどう描き出してくれるのか、あるいはあまり描き出さないのかと戦々恐々としながら読み始めたのだけど、いやーこれが期待通りの逸品！ きちんとこの事象が発生することによって社会がどのように変化したのかを描き出し、なおかつそうした社会構造の変容それ自体が、事件やテーマ部分

[nuara]

カササギ以来、もっとも面白かった。紹介してくださってありがとうございます。

[khtno73]

異世界モノかくあるべし

[avictor]

天使について「2人殺した者を直ちに異界に拉致する」しか情報ないとして、何らかの法に従う超自然的存在が確認されたのに、人を殺すと死後どうなるか不明なまま、1人は殺してよいと考える人が増えるのは不自然と思う

[nikunonamae]

ぱっと思いつくのは動物けしかける、他人の手に刃物括り付けて刺す😱、Bさんの好物かつAさんの苦手なものに毒を仕込みAさんに渡してBさんへ再譲渡させる。刑法への影響も想像が膨らむ。医療セーフなら尊厳死は……。

[kirakking]

山口雅也の生ける屍の死みたいな感じかな。

[junjun777]

なかなか面白そうだな。死産・中絶・堕胎はどうなるのだろう。さすがに考慮外かな。

[Helfard]

医者は全員廃業だろうか、それとも逆に、救えるはずの患者を救わなかったら襲われるのだろうか？

[yojik]

テッドチャンの「地獄とは神の不在なり」オマージュのミステリ。面白そう。

[reqanui]

チャンの『地獄とは〜』と比較すると本作は天使の降臨が殺人に限られているが故に、社会の変革も人の悪意による理不尽さが増しているのが本当に悲惨。同一の世界観の短編集とかトリビュート企画とか読みたいです。