「タワマン文学」の先駆者、窓際三等兵による初の長編小説！『息が詰まるようなこの場所で』外山 薫 試し読み | カドブン

タワマンには3種類の人間が住んでいる。資産家とサラリーマン、そして地権者だ――。 タワーマンションに住む人々の日常を赤裸々に描く「タワマン文学」。その先駆者としてtwitterで数々のタワマン文学を生み出した窓際三等兵が、書籍刊行にあたり作家名義を外山薫に改め、満を持して作家デビューいたします。 全編書き下ろし！初の長編小説『息が詰まるようなこの場所で』のプロローグ～第一章までを特別公開。マンションの階層、仕事のストレス、そして中学受験――。東京で働き、暮らし、子育てに悩む人々を描いた珠玉の物語をお楽しみください。 『息が詰まるようなこの場所で』試し読み プロローグ 春だというのに、季節外れの長雨が続いていた。まだ午後三時なのに外は暗く、湾岸第二小学校ＰＴＡ室の窓から見えるタワーマンション群は霧雨で輪郭がぼやけている。天を衝くようなタワマン上層部は雨に煙りながら曖昧に光を放っていた。高層階