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著者の安達瑶とは、「安達O」(男)と「安達B」(女)の男女2人の合作ペンネームである。 何よりもまず解説しておかなければならないのは、このうちの一人、安達Oは映画人だった、ということだ。 彼とはもう、出会いの最初から数えると四〇年の付き合いになる。私は彼とは、日本大学藝術学部映画学科で同期だった。同期なのだが、彼のほうが若干年上だった。彼はすでに他の大学に入学して何年かそこにいたのだが、どうしても映画の道に進みたいと、受験し直してやってきたのだった。それほど「映画」というものに入れ込んでいた彼だった。 映画学科の中では、アニメーションを志す私は「映像コース」におり、映画作りのど真ん中を目指す彼は「監督コース」にいた。専攻コースが異なるので、そのままでは出会いは起こらなかっただろう。 だが、彼は、正規の授業の中で課題作品として映画作りをする機会が来るのを待ちきれず、仲間を集めてそれぞれ自主制
ただひたすらアイドルになりたかった。 高山一実『トラペジウム』 2024年夏、カドコミにてコミカライズ連載開始! この度、乃木坂46一期生・高山一実さんの長編デビュー小説であり、5月10日には劇場版アニメも公開となった『トラペジウム』のコミカライズが決定いたしました。 2024年8月より、カドコミ(https://comic-walker.com/)にて連載開始予定です。 主人公である東ゆうを中心に、メインキャラクターである少女たちが朝焼けを臨むキービジュアルも公開されました。 作画を担当するのは人気イラストレーターの和遥キナさん。 可愛さの中に確かな意志の強さを合わせ持つ少女たちのイラストが『トラペジウム』の世界観にぴったりとハマり、まっすぐにアイドルを目指す10代の少女たちを瑞々しく描きます。 「平成世代に売れた本1位」(2019年 日販WIN+調べ)にも輝き、若い世代から圧倒的な支持
聞き手・文/杉江松恋 写真/鈴木慶子 2023年はミステリー作家青崎有吾時代の始まりを感じさせた1年だった。〈アンデッドガールズ・マーダーファルス〉〈ノッキンオン・ロックドドア〉の2シリーズが相次いで映像化、そして年末には連作短編集『地雷グリコ』が刊行された。のほほんとした性格の高校生・射守矢真兎が生徒会役員などの強敵を、奇妙なゲームで次々に撃破していく。ミステリーの興趣を知り尽くした作者だからこその技巧が尽くされており、ジャンルを超えて読者を虜にする魅力のある作品、おそらくは現時点における青崎の最高傑作だ。 〈令和一おもしろいミステリー作家〉に『地雷グリコ』の秘密を聞いてみよう。 読み切り短編の予定が・・・・・・ 青崎:最初に表題作を書いたときは読み切り短編のつもりだったんです。「学園もののアンソロジーに一編お願いできないか」という依頼を受けまして、他の書き手がどういう作品を出してくるか
2023年、創刊30周年を迎えた角川ホラー文庫。 編集者たちは今日も元気に朗らかに、黒くてこわい本を作っています。 本記事では、そんな角川ホラー文庫編集部ではたらく5名の編集者に直撃! ①30周年期間中に手掛けた作品 ②おすすめの角川ホラー文庫 を教えてもらいました。 好みが似ている編集者を見つけたら、本選びがもっと楽しくなるかも? さあ、素敵なホラー文庫ライフを! 編集部員 吸血Kさんの場合 ①30周年期間中の担当作 【2023年6月】『人形の墓 美内すずえ作品集』 【2023年7月】『ホーンテッド・キャンパス 黒い影が揺れる』 【2023年7月】『ゆうれい談』 【2023年10月】『バベルの古書 猟奇犯罪プロファイル Book1《変身》』 【2023年10月】『バベルの古書 猟奇犯罪プロファイル Book2《怪物》』 【2023年12月】『影牢 現代ホラー小説傑作集』 【2023年12
「怖いもの見たさ」を言い換えた、「まずいもの食べたさ」「危ないとこ行きたさ」「怪しいもの買いたさ」なんて言葉がもしあるのなら、「イヤなもの読みたさ」という気持ちもあるのでしょうか。 読むと「イヤ」な気持ちになるミステリ=「イヤミス」(意味は諸説あり)。謎が解けたときの快感も、人間ドラマの感動もあるけれど、それ以上に胸に残る、もやもや、ざわざわ、ざらざら。心を引っ掻く、忘れられないミステリ。 幸せなラストなんて保証されていない、だのに好奇心に引きずりまわされて、ページをめくっては、「あぁ、さっきのところでやめればよかったのに!」なんて何度も自分を叱りつつ、結局最後の一文にたどり着いてしまう。自分の愚かさにあきれながら本を閉じて、それなのに「すごい体験をした」とほくほくしている。 なんだか悪いことに巻き込むような気持ちで、だけど全力でオススメしたい、5つのイヤミス小説です。 好奇心には逆らえな
小野花梨(おの・かりん) 2021年公開の「プリテンダーズ」で長編映画初主演。近作にドラマ「カムカムエヴリバディ」「罠の戦争」「グレイトギフト」、映画「Gメン」「Ribbon」「ほどけそうな、息」「52ヘルツのクジラたち」など。2022年公開の映画「ハケンアニメ!」で第46回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞。主演ドラマ「初恋、ざらり」で好評を博した。映画「ミッシング」などの公開が控える。2025年大河ドラマ「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~」に出演が決まった。 【最近出会った一行】 小川洋子『ことり』(朝日文庫刊)より 最近やっと気温が上がってきて、長かった冬の終わりを感じています。 春を飛び越え、急に夏になったような助走のない季節の変化に戸惑いつつも、気温の上昇と共に気分も上向いている気がして、ホッとしているところです。 私は子供の頃から冬が苦手で、気温が下がるのと比例するように心のエネル
ゴールデンウィークの予定はもう決まっていますか? 「遠出はせずに、家でゆっくりしたい。でも、寝て過ごすのもなんだかもったいないな」 「基本は仕事だけど、夜更かしできる日もありそう!」 そんなあなたに、寝る間も惜しんで読み進めたくなる最強徹夜本をご紹介します! 今回取り上げるのは、この1年の間に刊行された作品ばかり。 きっと、新しい出会いがあるはずです。 加速するおもしろさに身をまかせ――気づいたら、朝。 そのままの勢いで次の1冊を手に取るもよし、お昼寝タイムに突入するもよし。 お仕事の方は、どうか身体に気をつけて……。 さあ、これでもかというほど読書に溺れる一夜を過ごしてみませんか。
「夏の風物詩」と言われがちなホラー小説ですが、 角川ホラー文庫が創刊したのは4月24日――そう、実は春生まれなんです。 昨年4月に、30回目の誕生日を迎えた角川ホラー文庫。 この1年の間にも、とびきり怖くておもしろいホラー小説がたくさん登場しました。 そこで本記事では、2023年度に刊行された全作品をご紹介! 春めく気分に、ひとさじの恐怖スパイスを。 2024年度も、角川ホラー文庫をどうぞよろしくお願いいたします。 【角川ホラー文庫30周年】2023年度刊行の全作品一覧(発売日順) パッチワークガール。そう。私は継ぎはぎ娘。 『人獣細工』 著者:小林泰三 豚の臓器を全身に移植された少女の絶望を描く表題作など、圧倒的な知識と想像力で描き出された3編を収録。『玩具修理者』『アリス殺し』を生み出したグロテスク・ホラーの鬼才による、初期の傑作短編集。
それが紙であれ電子書籍であれ、ミステリを名乗る小説を読むときには、その「1行」がいったいどこに(どのページの何行目に)現れるのか、恐る恐る、びくびくしながら、読んでいる気がします。いちばんこわいのはページをめくった途端に、「視界の左端」にその「1行」が見えてしまったとき。そこに至るすべての過程を一つ一つ丁寧に辿ってその「1行」にたどり着きたいのに、先に目に入ってしまったときには、「ああなんてことをっ」と、後戻りのできない絶望にもだえ苦しむことに――というのは言い過ぎでしょうか。 その「1行」というのは、ほかでもない、「どんでん返し」の1行です。それを読んだら、これまで読んできたものが表情を変える。世界は裏返り、意味は反転する。驚きのあとで、ようやく理解と、感情が追いついてくる。そうか、そういうことだったのか。だとしたら、あの場面は、あの人は。――この物語は。 あまたある「どんでん返し」の作
新しい本を1冊読む度、過去に読んだ本の記憶は少しずつ薄れてゆくものです。 あんなに心を揺さぶられたはずなのに、気が付けばさっぱり思い出せない——。 そんな経験がある方におすすめなのが「読書記録」。 いつどんな本を読んで、何を感じたのか。それらを整理しておくことで、1冊1冊から得た感動をいつでも思い返すことができます。 このコーナーでは、毎回特別なゲストをお招きして、とっておきの「読書記録術」を教えていただきます。 記録の仕方もこだわりも各人各様。思わずまねしたくなるアイデアに出会えるかもしれません。 本を閉じたあとに始まる、「読書時間のつづき」を一緒に味わい尽くしましょう。 川代紗生(かわしろ・さき) 東京都生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。新卒でCCC株式会社に入社、代官山蔦屋書店を皮切りに書店員として経験を積み、執筆活動をはじめる。ブックカフェ店長時代にレシピを考案したカフェメニュー「
読者のみなさまからもたらされた、世にも素敵なハッシュタグ。 これを使わなきゃ、30周年は始まらない!! 愛すべき作品たちを心のままにかき集め、やってきたのは真っ黒な壁の前。 昼夜を問わず陽の当たらないその場所で、ぱしゃり、ぱしゃり……黙々と写真を撮る様は、まるで何かの儀式のよう。 そうして生まれた投稿の中から、選び抜いた30のつぶやきをご紹介。 さあどうぞ、ご堪能ください。 あなたの毎日を恐怖で彩る、かけがえのない一冊に出会えますように。 「#これ読め角川ホラー文庫」30選 「夜市」の著者が紡ぐ、圧倒的に美しく切なく恐ろしい物語 秋の牢獄 著者:恒川 光太郎 <編集部より> もし万が一億が一、恒川光太郎さんを読んだことがないという方がいらっしゃいましたら、この機会に是非お読みください。『夜市』が話題になることが多い著者さんですが、『秋の牢獄』と近刊の『白昼夢の森の少女』もおすすめ。異界の話
今注目の若手ミステリ作家・浅倉秋成。映画化決定で話題の『六人の嘘つきな大学生』をはじめ、散りばめられた伏線と鮮やかな展開が魅力の作品を多く手掛けています。 本記事では、そんな伏線の狙撃手・浅倉秋成の角川文庫作品を全点ご紹介。どの作品も、一度味わったら何度も読み返したくなること間違いなし! ぜひ、気になる1冊を見つけてみてください! 浅倉秋成 角川文庫全作品 圧倒的共感度No.1! 『六人の嘘つきな大学生』(角川文庫刊) 成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライ
2024年3月19日(火)、角川文庫の新シリーズ「100分間で楽しむ名作小説」がついに発売日を迎えました! 活字を従来の本文組より大きくし、行間をゆったりとって読みやすくした本シリーズ。 第一期ラインアップとして刊行されるのは、一度は読みたい古典名作から、自信をもっておすすめしたい現代の名作小説まで、バラエティ豊かな10作品です。 カドブンでは本シリーズの創刊を記念して、10日連続で作品紹介記事を配信します。 100分後、本を閉じたあなたにおすすめしたい「次の1冊」もあわせてご紹介。 様々な読み味の作品の中から、あなたにぴったりの「100分間」を見つけてみてくださいね。 「100分間で楽しむ名作小説」シリーズ作品紹介⑨ 孤独がさみしくなくなる100分間――森 絵都『宇宙のみなしご』
みなさまこんにちは。前回の記事を読んで『角川新字源』に興味を持ってくださった方。 あるいは前から『角川新字源』を使ってくださっている方。 大変ありがとうございます。 改訂新版は、10月30日の刊行日に向けて、ようやく編集部での作業が終わりました。 今は印刷所や製本所がフル回転でがんばってくれている最中です。 書店に並ぶ日が、待ちどおしいです。 さてさて、突然ですが、漢和辞典は、なぜ「漢和」辞典という名前なのか、疑問に思ったことはないでしょうか。 書店に行くと、漢和辞典とは別に「漢字辞典」も売られています。この二つは何が違うのでしょうか? 今回は、そんな不思議についてお話ししたいと思います。 >>連載第1回 「新字源」全面改訂! ~でも「改訂」ってなに? [話し手]坂倉 『新字源』に関わる編集者。辞書編集部のなかでは未だに一番の若手。涼しくなったので衣替えをしようと思ったが、体重増加で着られ
今回のテーマはミステリ。誰かに薦める本を選ぶとき、浮かぶのはあの一行の驚き、栞みたいに閉じ込めた感情。過去に行けるタイムマシンはまだないけれど、「読んだ後」のわたしから、「読む前」にいるあなたに本が届くとき、少し時空が歪んだような。これから読める羨ましさと、読んでもらえる嬉しさを半分ずつ込めて、「沼ミステリ」をお届けします。 極上の謎と驚きに満ちた沼へ、ようこそ 沼ミステリ10選 目次 世界の秘密は、綾辻行人が知っている――綾辻行人『Another』 どんでん返し満載の医療ミステリシリーズはここから始まった――中山七里『切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人』 食べて、愛して、世界ともう一度向き合うためのレッスン――椹野道流『モンスターと食卓を』 人間性の極北に咲いた、絢爛の毒花――横溝正史『獄門島 金田一耕助ファイル3』 この爽快感、クセになる! 究極頭脳バトル!――青崎有吾『地雷グリコ』
長安に並ぶ都を建造せよ――。古代史上最大のプロジェクトの、タイムリミットはわずか三年……。 不可能に挑んだ男たちの奮闘を壮大なスケールで描いた、最新作の裏側に迫ります。 新都建造は、国内問題だけでなく外交問題が大きく関係 ── : 新作は、平城京の建設をめぐる物語ですが、なぜこの題材を選ばれたのでしょうか。 安部: いつか、阿倍仲麻呂(あべのなかまろ))を主人公にした歴史小説を書きたいと思っているんです。平城京は、仲麻呂の伯父の宿奈麻呂(すくなまろ))が平城京の造営司をやっていたので、仲麻呂を書くための助走として面白いと考えました。もう一つ、おそらく全国でも人口が五百万人くらいしかいなかったと推定されている奈良時代に、巨大な平城京をわずか三年、実質的には二年ほどで造り上げたエネルギー源はどこにあったのか、また、どうして造ったばかりの藤原京を捨てて遷都しなければならなかったのか……。そうした
ファン待望の「ビブリア」新シリーズ第4弾が発売になりました。今作では、智恵子、栞子、扉子の三世代が時を超えて夏目漱石の名著の謎に挑みます。時を超えて紐とかれる秘密と真実とは? 著者の三上延さんにキャラクターへの想いやこだわった点などをたっぷりとお聞きしました。 取材・文:髙倉ゆこ 『ビブリア古書堂の事件手帖IV ~扉子たちと継がれる道~』 三上延インタビュー 日本で一番有名な国民作家・夏目漱石がテーマ ――ファン待望の「ビブリア新シリーズ(扉子シリーズ)」第4弾ですね。かねてより「いつか書きたい」とおっしゃっていた「前日譚」のような手触りがある1冊です。今作では栞子、そして智恵子の過去が明かされていますね。 三上延(以下、三上):当初イメージしていた前日譚とはまったく違ったけれど、やっと書けてホッとしています。ひとりの人間でも過去と現在で違うことを言っていたり、とんでもない言動をする人にも
2024年に小説家デビュー30周年を迎える京極夏彦氏。KADOKAWAは、妖怪時代小説の金字塔として人気を博す〈巷説百物語〉シリーズの完結編、『了巷説百物語おわりのこうせつひゃくものがたり』を2024年6月19日(水)に発売することを決定しました。さらに、発売に先駆けて本作品のカバーデザインを公開。本日より予約を開始します。 ■〈巷説百物語〉シリーズとは 京極夏彦氏を代表するシリーズの一つ。法では裁けぬ悪を倒す痛快な時代小説であり、数々の妖怪を題材にとった「仕掛け」が読者を驚かせる珠玉のミステリー小説です。『後巷説百物語のちのこうせつひゃくものがたり』で第130回直木賞、『西巷説百物語にしのこうせつひゃくものがたり』で第24回柴田錬三郎賞、『遠巷説百物語とおくのこうせつひゃくものがたり』で第56回吉川英治文学賞を受賞し、シリーズ作品としては前代未聞の文学賞三冠の快挙を成し遂げました。さらに
先日、『八月の御所グラウンド』(文藝春秋刊)で第170回直木賞を受賞されたばかりの万城目学さん。そんな万城目さんのデビュー作であり、京都を舞台に描いた抱腹絶倒の青春コメディ『鴨川ホルモー』が、この度、劇団「ヨーロッパ企画」率いる上田誠さんの手により東京と大阪で舞台化されます。そもそものきっかけとなったお話から、上田さんの脚本を読まれた万城目さんの思いなど、公演を控えた今だからこそ聞けるお話をたくさん伺ってきました。 撮影:ホンゴユウジ 構成:タカザワケンジ 舞台がはねた後の冗談がきっかけ ――『鴨川ホルモー』の舞台化は、上田さんの『たぶんこれ銀河鉄道の夜』をご覧になったのがきっかけだそうですね。 上田:最初は冗談だったんですよね。 万城目:僕は上田さんに自分の作品を脚色してもらうなんて、考えたこともなかったんです。上田さんと言えば森見さん。森見さんがアップルとすると、僕はマイクロソフトみた
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本記事では映画公開を記念して『流浪地球』を期間限定全文無料公開! 圧倒的なスケールで描かれる物語を、余すところなくお楽しみください。 映画「流転の地球―太陽系脱出計画―」公開記念 原作『流浪地球』期間限定試し読み【1/8】 あらすじ ぼくが生まれた時、地球の自転はストップしていた。人類は太陽系で生き続けることはできない。唯一の道は、べつの星系に移住すること。連合政府は地球エンジンを構築、太陽系脱出計画を立案、実行に移す。こうして、悠久の旅が始まった。それがどんな結末を迎えるのか、ぼくには知る由もなかった。 1 制動時代 ぼくは夜を見たことがなかった。星を見たこともなかった。春も、秋も、冬も知らなかった。 ぼくが生まれたのは制動時代の終わりごろだ。当時、地球は自転を止めたばかりだった。 地球の自転を止めるのにかかった時間は四十二年。連合政府の計画より三年長くかかった。 最後に日没を見たときの
3月22日(金)公開映画「流転の地球 -太陽系脱出計画-」の原作短編小説である劉慈欣著「流浪地球」が3月25日(月)~4月7日(日)まで無料試し読み KADOKAWAは、全国公開中の映画「流転の地球 -太陽系脱出計画-」の原作小説、劉慈欣(りゅう じきん/リウ・ツーシン)著「流浪地球」を3月25日(月)~4月7日(日)まで文芸WEBマガジンのカドブンにて全文無料試し読み公開いたします。 『流浪地球』とは レーベル:角川文庫 書名:流浪地球 著者:劉慈欣(りゅう じきん/リウ・ツーシン) 訳者:大森 望/古市雅子 定価:1,320円(本体1,200円+税) 仕様:文庫判/320ページ 発売日:2024年1月23日(火) 発行:KADOKAWA ISBN:978-4-04-114557-9 https://www.kadokawa.co.jp/product/322309001225/ 第54
紀伊國書店新宿本店及び紀伊國屋書店梅田本店にて、3月1日(金)より先行発売開始! KADOKAWAは、2024年3月19日(火)に総合文庫レーベル角川文庫の新シリーズ「100分で楽しむ名作小説」を創刊。第一期として、10作品を刊行します。 ★シリーズ特設サイト https://kadobun.jp/kadokawa-bunko/100min-meisaku.html 「あなたの100分をください。」 75年の歴史の流れのなかで、角川文庫も時代の流れとともに読みやすい本づくりに取り組んできました。定価への影響や文庫というサイズ感を考え、また内容にも応じて都度検討しながら本文組を採用してきましたが、本シリーズは「角川文庫の読みやすさ」をさらに印象付けるための試みとして企画いたしました。小説以外にも娯楽も多いなか、常に時間の余裕を求めている現代人に、手軽に名作に親しむひとときを楽しんでほしいとい
第四回 藤原兼家ふじわらのかねいえ(道長の父親)【大河ドラマを100倍楽しむ 王朝辞典 】 ここでは道長の父親である藤原兼家を見ていきましょうか。 兼家は政略家として有名。花山天皇かざんてんのうを出家させたのも兼家の計略です。また、よく出てくるお話としては、兄・兼通かねみちとの争いですね。 二人の兄である伊尹これまさが亡くなったあと、どちらが関白になるのか、争いが始まってしまいました。その時、兼通には必殺技があったのですよ。 それは「関白は兄弟の順番にしてください。決して間違えてはだめですよ」という安子あんしのお言葉。それを兼通は持っていたんです。そしてそれを利用して円融天皇に伝えました。安子は、兼通の妹。そして円融天皇のお母さんでした。兄弟の順番だから、兄の兼通が先になります。 ややこしいですか。そんなことはないですよ。兼通は妹・安子の言葉を利用して、自分が関白になったんです。天皇は母の
宮田愛萌(みやた・まなも) 1998年4月28日生まれ、東京都出身。2023年2月、現存する日本最古の和歌集『万葉集』をモチーフにした小説集『きらきらし』(新潮社)を上梓し小説家デビュー。 【最近出会った一行】江國香織『去年の雪』(角川文庫刊)より この連載で取り上げた本は、少し前から私の本棚で私と苦楽を共にしてきた本たちであったが、そろそろ新しい本、つまり読んだことのない本で書こうかなんて思いながら本屋に行った。買った本を持って本屋を出ると、明るかったはずの外がもう暗くなっていた。スマホで時間を確認すると、いつの間にか四時間も経っていて、本屋とは恐ろしい場所だなと思う。 この時私が買ったのは江國香織さんの『去年の雪』だった。単行本の方は家にあり既に読んでいるので、もちろん文庫本の方だ。「どうして」と問いかけてみるも、「だって欲しかったんだもん」としか私は言わず、欲しかったなら仕方がないと
「ミッドナイトスワン」で日本アカデミー賞を受賞した、内田英治監督による、初のサスペンス・スリラー「マッチング」は絶賛公開中です。 主演に土屋太鳳さん、佐久間大介さん、金子ノブアキさんを迎え、豪華キャスト陣でお送りする、ハラハラドキドキの本作。ジェットコースターのようなどんでん返しをもうお楽しみいただいた方も多いはず。 内田英治監督書き下ろしの原作小説『マッチング』も角川ホラー文庫より絶賛発売中です! お読みになった方からも、おすすめコメントがたくさん届いています。 ※環境依存文字・絵文字は句読点に置き換えてご紹介いたします。 『マッチング』読者の方から熱いコメント続々! りりーさん 原作の言い回しや表現が絶妙で、映画でのキャストの方々のお芝居を思い返して 自分の脳内で文字とマッチさせる作業により改めて理解が深まりました。 監督が描きたかったものがよく分かったと同時に、ここも映像で観てみたい
第二回 藤原道綱ふじわらのみちつな(道長の異母兄)【大河ドラマを100倍楽しむ 王朝辞典 】 道綱は道長から見ると、父は同じだけれど母が違う兄となります。母は道綱母。父は兼家かねいえ。道綱は最終的に大納言になりました。でも、道綱はどちらかというと、あまり才覚がないように言われています。それは藤原実資ふじわらのさねすけのこんな言葉が影響しているのでしょうか。 これは実資の日記『小右記しゅうゆうき』の記事です。九九七年七月五日に書かれました。これだけ見ると本当に道綱がダメンズに見えます。 ただし、同じ日に何があったのでしょうか。実は、この日、道綱は大納言になりました。ところが、実資は中納言のままだったのです。というわけで、もうおわかりですね。そう、実資の言葉は「やつあたり」というバイアスが、掛かっているのでした。自分よりもはやく出世した道綱に対してくやしくて仕方なかったんですね。 それでは、こ
数奇な運命を辿った遊の凛とした生涯を描く、時代劇版ロミオとジュリエット。 『雷桜 新装版』宇江佐真理 角川文庫の巻末に収録されている「解説」を特別公開! 本選びにお役立てください。 『雷桜 新装版』文庫巻末解説 解説 北上次郎(評論家) 美しい小説だ。胸に残る小説だ。 この小説のもっとも美しいシーンを引く。それは、馬に乗った二人が山から降りてくる場面だ。馬上にいるのは、斉道と遊。斉道が背後から遊を搔かき抱き、遊は首をねじ曲げて斉道の唇を受ける。傾きかけた夕陽がその二人に茜あかね色いろの光を浴びせ、その光のシャワーの中に斉道と遊が浮かび上がるシーンである。絵のように美しい。 本書のラスト近くに出てくるシーンをいきなり引いてしまったが、読み終えてもこの美しさが残り続ける。この一幅の絵を描くために本書があると言っても過言ではない。それまでのストーリー、人物造形、そして構成にいたるまで、すべてがこ
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