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ソマリ語放浪 | ソマリ人のきもち | 高野秀行 | 連載 | 考える人 | 新潮社
たった2人の「在日ソマリ人」 日本でソマリ人とふれあうのがいかに難しいか前回書いた。在日ソマリ人が5... たった2人の「在日ソマリ人」 日本でソマリ人とふれあうのがいかに難しいか前回書いた。在日ソマリ人が5、6人しかいないうえ、彼らが互いに交流しようとしないからだ。 おかげで私が常時会って話ができるソマリ人は早稲田大学に留学していた南部ソマリア出身のアブディラフマン(通称アブディ)だけである。彼は「ほんとにソマリ人なのか?」とときどき疑いたくなるほどに物静かで真面目な男だ。「イスラムの教えに反するし、お金を使うのももったいない」という理由で、飲み会にもディスコにも行かない。日本人や他の留学生の友だちとも親しくならない。ソマリ人の友だちもいない。おかげで常に孤独感にさいなまれていた。 私は4年前、彼が日本に来たばかりの頃、ネットニュースで彼の存在を知り、以来ソマリ語を習ってきた。やがて、彼はうちにちょくちょくやってくるようになり、年末年始に2週間過ごしたこともある。 彼が来ると私はソマリランドで
2016/05/28 リンク