矛盾に満ちた実在／科学者としての オッペンハイマー | 科学史家による映画『オッペンハイマー』考 | 伊藤憲二 | WEBみすず

クリストファー・ノーラン監督の映画『オッペンハイマー』は劇場で繰り返し鑑賞するに値する傑作だ。映像と音響による物理学的内容の表現、複数の視点の交差、時間軸を行き来する叙述、主人公の心象の映像化など、『メメント』『インセプション』『インターステラー』『テネット』といった作品でおなじみのノーラン監督の技法にいっそう磨きがかかっている。名優が次々と登場して繰り広げる印象深い場面の数々、多数の伏線が配置された複雑な展開、『ダークナイト』にも増して深刻な問いを投げかける重厚なテーマ。これらが合わさって感覚と理知の両方を刺激し、3時間の長さでも緊迫感が続く。 この映画を観たとき、筆者は不思議な感覚に包まれた。それはまず、物理学史上のさまざまな登場人物がこのように注目を浴びている映画の中に当たり前のように登場していることだ。現代物理学史というマイナーな研究分野にいて人知れず研究しているつもりだったのに、

[red_tanuki]

ファインマンの（物理学についての真面目なものを除いた）本を読むとボンゴは忘れられないからなぁ

[Cru]

むしろ青酸カリのくだりとかノーランが加えたフィクションじゃなかったのかと驚愕。そして最初の学生が1人だけってのも実話で、その学生だった男が機密漏洩事件起こしてたのね。映画観ても分かってなかった…

[fish7]

知的操作の非常に優れた文章で、ここまで批評のできる人間ってこの世にどれくらい存在するのだろうか、などと思ってしまう

[doko]

見ていてなんかちぐはぐでもやもやしたのだけれども、そのちぐはぐでもやもやしたことそれ自体がこの映画の表現の対象だったのね

[kalmalogy]

それほど複雑な映画ではなく、オッペンハイマーだけ見てれば数多の登場人物はなんとなくでもOKという親切設計。オッペンハイマー自身が矛盾した状態が共存する量子のような行動をする存在なんだよね

[Mozhaiskij]

“オッペンハイマーや仁科の重要性は、彼らが述べた思想ではなく、彼らの為したことにある”→私は文系の思想家でもそれは変わらないと思っている。口ではいくらでも誤魔化せるから。

[n-styles]

確かに『ご冗談でしょう、ファインマンさん』の中で実験成功を祝って"僕などはジープの端に座ってドラムをたたくという騒ぎだったが"とあるな。自分も、"ボンゴの人"だからあのときもボンゴ叩いてたと思いこんでた。

[rlight]

複数の時系列と視点が同時並行で進むのでかなり複雑な構成となっており、ある程度の予習をしておく方が楽しめると思った

[greenbow]

“われわれのほとんどは、アインシュタインよりはオッペンハイマーなのである。”

[niaoz]

この人入れて二号研究映画化してほしい / ファインマン実は公式パンフにクレジットされてなくて、それっぽい人物見つけて勝手に興奮してたので言及してくれて嬉しい

[georgew]

オッペンハイマーの思想的一貫性のなさは、かつて科学史の花形だった思想史的なアプローチが現代に通用しなくなったことを思い起こさせる > なるほど、これは鋭く刺さる。

[tekitou-manga]

映画原作と『励起』はそのうち読むつもり/"オッペンハイマーの理解に関しては、彼が矛盾を内包していたならばその矛盾も受け入れなければならない" 光の二重性の下りはTENETの"Don't try to understand it, feel it"を思い出す

[beerbeerkun]

「これらの点は、オッペンハイマーという映画の主人公の視点から観た心象だと考えれば、妥当なものである。ただ観客がそれを事実と間違えなければよいのだ。」それは無理だと思うしそれでいいと思う

[samu_i]

全員の観測が矛盾しているのか正しいのかわからない陳述も量子のことだったり、手を握らなかったのも何か意味があったのか

[kagehiens]

科学思想史ディス。最高

[typographicalerror]

観ている間頭にあったのはお～い竜馬だったな

[movesinthefield]

“オッペンハイマーの思想的一貫性のなさは、かつて科学史の花形だった思想史的なアプローチが現代に通用しなくなったことを思い起こさせる。’

[klear]

ファインマン物理学日本語訳も、著者近影はボンゴだもんな。ファインマンはボンゴ。

[kent4989]

興味深い。この方の書いた「励起」も読んでみたいが、だいぶん重たそうだ

[morinaga3]

映画　オッペンハイマー

[masato611]

光は粒子であると同時に波である、あり得ないけれど、そうなっていてしかも機能する、と語る。同じようにオッペンハイマー自身も矛盾を抱えつつ、機能している

[ext3]

ぶっちゃけリバイバル上映された「メメント」の方がおもしろかったな

[rain-tree]

“この時代（略）科学者がどう振る舞うべきか教えてくれる倫理体系は無かったし、ある意味、今でも無い”“世界は変わり、その中でツギハギの思想でやりくりしなければならない”

[aathen]

そもそも人間は他者から見て若年期から老年期まで終始一貫した人物でいられるか？そういう点でも非常に生々しく描かれ、周囲が困惑しているのもよかった。ただでさえ説明がない上にシンプルなエンタメでもないしね。

[poko78]

“伊藤憲二”

[q-Anomaly]

ツッコミではなく解説ですね。面白かった。さすが。

[sho]

オッペンハイマーの矛盾をはらんだ人物像を量子力学と重ねるのはすばらしい洞察だなぁ。「物理学者アベンジャーズだ！」とキャッキャしてたおれとはえらい違いだ

[kijtra]

矛盾ならアメリカという国ができた時からずっと抱えてるよね。(奴隷解放を謳いながら奴隷を使う、銃を否定しながら生産する等多数)

[dogusare]

賢かろう人であっても、かくも、不確実で不安定な矛盾で成り立っている、と

[n_231]

ファインマンあそこに居たのか(ちゃんと見ろ)

[scorelessdraw]

ノーラン、「面白い映画を作ろう、映画ならではの面白いものを作ろう」と考えているだけで、それ以外はあまり深く考えていない説。なんだけどな。

[udongerge]

ファインマンが叩いてるのはボンゴなのかコンガなのか、それだけははっきりさせて欲しい。

[natu3kan]

ノイマンとかアインシュタインとか当時から天才のオールスターよなアメリカって。今は有事じゃないから目立たないだけだけど。

[yk_mobile]

スッキリしない話だなと思っていたけど、量子のようにどっちつかずなやつだったのかオッペンハイマー

[stumprider]

「『あなたの犯した罪の結果に同情しろっていうの？』は名言」「いいこと言うね」「観てる間、君に怒られてるような気がしてたけど」「オッペンハイマーって、そんなクズの話なの？」というのが昨晩の夫婦の会話

[allezvous]

できのいい司馬遼太郎とか塩野七生ってことか

[osaan]

オッペンハイマーの内面史の描写としてとらえるのなら、フォン・ノイマンが登場しないのはオッペンハイマーにとって「そういう存在」だったと受け取ればいいのだろうか。