社説：トランプ前大統領起訴 懸念される分断の深刻化 | 毎日新聞

米共和党のトランプ前大統領がニューヨーク州の大陪審から起訴された。 2016年の大統領選直前、不倫関係を主張する元ポルノ女優に弁護士を通じて口止め料を支払い、不正に会計処理したとされる疑惑を検察が捜査していた。 トランプ氏は、関与を否定し、「政治的な迫害であり、歴史上最も大きな選挙干渉だ」と反論する声明を発表した。出馬表明している24年大統領選に向けた活動を続けるという。 大統領経験者が起訴されるのは米史上初めてである。次期大統領選の波乱要因になるのは避けられないだろう。 トランプ氏はこれまで疑惑が浮上するたびに、解明に背を向け、ひたすらバイデン政権や民主党との政治闘争に結び付けてきた。 今回も「共和党の最有力候補」への「魔女狩り」と主張し、「バイデンは大きなしっぺ返しを食らう」と矛先を民主党に向けた。 疑惑はこれだけではない。20年大統領選の敗北を覆そうと激戦州での開票作業に介入したり、