記者の目：ソフトバンクグループの死角 巨額投資見直し、原点回帰を＝山口敦雄（東京経済部） | 毎日新聞

決算発表の場は「これが最後」と語る孫正義会長兼社長。モニターには「原点」とあるが……＝東京都港区で2022年11月11日、山口敦雄撮影 毎日新聞のビジネスサイト「経済プレミア」で2022年9月から「ソフトバンクグループ経営の実態」と題した連載をはじめ、掲載分だけで既に30回を超えた。いまや「投資会社」が本業となった同社は、投資先の株価次第で業績が乱高下する「ジェットコースター経営」に陥っている。グループを率いる孫正義会長兼社長の投資熱は度が過ぎているのではないか。そんな危惧を抱かずにいられない。 孫氏は1981年、パソコンのソフトウエアの国内流通を目的に日本ソフトバンクを設立した。社名には「ソフトウエアの銀行」の意味を込めたという。その後の躍進は目覚ましい。96年には米ヤフーと共同で日本法人を設立してインターネット事業に本格参入。06年には英国の携帯大手ボーダフォンの日本法人を買収し、携帯