社説：DV防止法の改正 被害者守る仕組みさらに | 毎日新聞

配偶者などによる暴力（DV）から、被害者を確実に守る仕組みづくりをさらに進める必要がある。 先の国会でDV防止法が改正された。来年4月に施行される。精神的な暴力についても、保護命令を出せるようにしたのが柱だ。 裁判所が加害者に対して一定期間、被害者へのつきまといを禁じる。これまでは身体的な暴力の場合に限られていた。 暴言を吐く、実家や友人との付き合いを制限する、大切な物を捨てる――といった言動は、被害者の心を深く傷つける。うつ病や心的外傷後ストレス障害（PTSD）の原因となりかねない。 内閣府の窓口に寄せられるDV相談の6割は、精神的被害に関する内容だ。法改正は当然である。 警察への被害相談は増加傾向にあり、昨年は8万4496件に上った。一方で、保護命令は1111件にとどまった。 申し立てには証拠をそろえなければならず、被害者の負担が重いと指摘されてきた。加害者にも話を聞く必要があり、発令