社説：AI生成の偽画像 社会の混乱防ぐ仕組みを | 毎日新聞

人工知能（AI）の作り出した偽画像が、社会を混乱させるケースが出始めた。チャットGPTなどの文章生成AIと同様、画像についても、不適切な使用を防ぐ仕組みを構築する必要がある。 5月に米ワシントンの国防総省近くで爆発が起きているかのような偽画像がツイッターで拡散し、ニューヨーク市場の株価が一時急落した。 欧州を拠点とする調査団体「ベリングキャット」のメンバーが、画像分析からAIで生成されたと指摘し、地元消防当局も否定したことから事態は沈静化した。 日本でも2022年9月に静岡県が豪雨に見舞われた際、浸水した住宅地の画像がツイッターに投稿された。広く拡散し、事実と受け止めたコメントも多かったが、後に投稿者は生成AIで作った偽画像であることを認めた。 従来の偽画像は既存の画像を切り貼りするなどしたものがほとんどで作成に手間がかかった。しかし、22年に「ステイブルディフュージョン」などのツールが無