逢坂冬馬さん：銃後の独「悪を見過ごす悪」 第二次大戦末期、反ナチ活動の若者描く新作 作家・逢坂冬馬さん | 毎日新聞

＜文化の森 Bunka no mori＞ 待望の新作だ。 デビュー作『同志少女よ、敵を撃て』で昨年、本屋大賞を受賞した逢坂冬馬さんの受賞後第1作『歌われなかった海賊へ』（早川書房）が18日に発売された。50万部超のベストセラーとなった前作を「作品の性質としては超えたと思っている」と語る自信作だ。 舞台は第二次世界大戦末期の、ナチ体制下のドイツだ。密告によって父を処刑された少年ヴェルナーは、「エーデルヴァイス海賊団」を名乗るエルフリーデとレオンハルトに出会う。連合国軍の足音が近づく中、体制と戦った彼らの姿を描く。 エーデルヴァイス海賊団とは、ナチ体制下唯一の青少年組織であるヒトラー・ユーゲントに反抗し、ドイツ全土で自然発生的に生まれたグループだ。ヒトラー・ユーゲントにけんかをしかけたり、反戦ビラを作ったりするなどの活動をしたといわれる。逢坂さんによると「エーデルヴァイス海賊団に関する専門書は