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時代の風:政治の劣化という国難 慣用句の陰、本質見よう=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員 | 毎日新聞
「野党には政権担当能力がない」という決まり文句。初めて聞いた10代に思った。「そうだとしても『与党... 「野党には政権担当能力がない」という決まり文句。初めて聞いた10代に思った。「そうだとしても『与党に政権担当能力がある』という話にはならないよね」。「パリピ」(パーティーなどに集まって楽しむ人)と化したような自民党議員の多さに、私と同じような感覚の人は、40年を経て増えているのではないか。 「悪夢の民主党政権」と叫んでいた安倍晋三首相(当時)。聞きながら50代の筆者は「アベノミクスこそ後世、悪夢の愚策と指弾されかねないぞ」と思った。日銀の異次元緩和の結果、極端な円安が日本経済の価値を下げる中、筆者が抱いた懸念を理解してくれる人が10年を経てようやく増えているのではないか。 要注意なのは、世の慣用句だ。安直な二分法や、口になじむフレーズは、多くが本質からずれている。「Aは×」だとしても「Bは〇」とは限らない。AもBも×かもしれないし、△かもしれない。AとBの区分自体が、そもそも怪しい。
2024/04/14 リンク